水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

2023-01-01から1年間の記事一覧

2023年、最も注目されるべき水草30種ランキング (2023年水草アワード Top30)

2022~2023年は様々な水草が輸入された”当たり年”だったように思います。 2013年ころから約10年にわたって新しい水草がほとんど入荷しない時代が続いてきましたが、ようやく雪解けが見えてきた感があって大変喜ばしいことです。 今回は、そんな2023年で特に…

メモ:スリランカ便の”Aponogeton natans"について

スリランカ便2022ではアポノゲトンが入荷した。 しかしその状況は極めて混沌を極めたものだった。 まずはじめに、背景知識としてアポノゲトンの流通状況をまとめておきたい。 ・アポノゲトンという植物の流通状況自体が混沌を極めている。 現在流通するファ…

カヤツリグサ科の水草を楽しもう

最近カヤツリグサ科に執着している。 果てには「カヤツリ来ないっすかねぇ」という話を大声でした結果、大量のカヤツリ輸入を起こさせ大損させかけてしまっている…本当に申し訳ございません。 まあ需要ない…ですよね. というわけで、今回はカヤツリグサ科の…

Nymphaea nouchali のbulblet

ミャンマーから輸入されたNymphaea nouchaliの球根です。 一見したところ普通に見えますが、表面が何やらぼこぼこしています。 拡大すると、球根を包む軟毛に何かが”埋もれて”いるように見えます。 球根の下半分、根と根の間に集中しているようです。 少し触…

熱帯アジアに分布するホシザキスイレン Nymphaea nouchaliについて

ニムファエア ノウカリ Nymphaea nouchaliは、世界の熱帯域に分布するBrachyceras亜属のスイレンであり、園芸において「昼咲きの熱帯スイレン」は全て本種の血をいくらか引くもの・・・と言っても過言ではない。 しかしながら、N. nouchaliには深刻な分類的…

問題提起:淡水には水草の森、海には海藻の森…なのはなぜ?

「水草」といえば維管束植物で、「海藻」といえば藻類の謎・・・逆に言えば、なぜ「淡水海藻」も「海草」は例外的なのか。 ずっと気になっているテーマであり、おそらく水草趣味にまつわる謎の最大のものだと思っている。 水草水槽においてしばしば藻類に悩…

Wolffia arrhiza

また熱帯魚店で、でかいミジンコウキクサをみつけた。 前回の大きなミジンコウキクサ(Wolffia columbiana)はどこから入ったのかいまいち不明瞭だった(候補は1つしかないのだが、肝心のその店でそれ以降見かけたことがない)ので、今回は本腰入れて育てよ…

”有機酸必須論”について

2020年代の流行だろうか、”水草水槽には有機酸が必須”というものがある。私も流行の一端を担ってしまった感があるので申し訳ないのだが…。 あくまで私は「コスパがあまりにも悪いアクア用品を使わずに水草水槽をやるために」有機酸を使って代替する方法を述…

Wolffia columbiana

北米~南米に分布する大型のミジンコウキクサ属。 去年の秋ごろに購入した水草に混入しており、日本のミジンコウキクサとは別種と直感したので1年ほど注目して育てている植物である。 草体には何の特徴もない。まさに何の特徴もないのが本種の特徴である。絵…

Otteliaの一種

とあるアクアショップにて、正体不明の水草を購入した。お客様から頂いたのではないかとのことであるが、水槽内で実生増殖していたこともありほとんど”生えてきてしまった”といったほうが近かったものかもしれない。 さて、一見したところ見た目は「アマゾン…

ポタモゲトンの栽培に関して

今回は最近アツい(???)ポタモゲトンの育て方について書きます。 この方法ですべてのポタモゲトンが育てられるわけではないですし、種によって環境の好みがかなり異なるので一概には言えませんが…アクアでよく流通する種に関しては対処可能かなという気…

水槽備忘録

実家の60㎝水槽をリセットしました。 ついでに色々入手した草を植えてみたので、備忘録として… アポノゲトン ロンギプルムロスス "Aponogeton longiplumulosus" Aponogeton longiplumulosus H.Bruggen. 入手元 ADAみずくさの森 アクアフォレスト新宿店にて購…

サイアミーズフライングフォックス

コケとりの費用対効果的にはサイアミーズフライングフォックスがいちばん優れているのでよく使っています。黒髭ゴケの駆除によく使われていますが、真価を発揮するのは糸状藻類です。エビが全く食べないと思ったら是非お試しを。 入荷状態が悪いことがあり痩…

アクアリウムが台無しな件。。。水槽台のはなし

推奨できる水槽台は、ニッソーのスチールキャビネット600 NCS-030である。 これに66㎝×30㎝板材を載せて60㎝、45㎝、30㎝キューブ水槽を載せるのが私の推奨である。60㎝、45㎝、30㎝キューブのいずれを用いるにしても使う水槽台はNCS-030一択であるといって…

世界の水草食

世界の水草食について、ザックリと紹介します。以前準備したスライドのサルベージ記事になります。なので、内容が薄いのはご了承ください。あとまったく網羅的ではないです。ボコボコ抜けがあります。 真面目な記事が別に準備されているものも多いです。そち…

モジュール式水草水槽

前投稿では、根張りを必要とする水草は鉢植えにしてから販売したほうがよいのでは?という話を書いてみました。一部の種、たとえばHygrophila corymbosaに関しては流木に穴をあけて通すだけで固定されるし、その状態から根を張っての生育も可能です。(たと…

一般の客層が求める水草は何か?

客層により求めている水草は全く違う! A 一般の客層が求める水草 B 多く流通する水草 C 水草を扱う人が求める水草 水草に興味を持つ2020年代の初心者アクアリストの特徴と傾向 ・水槽サイズが極端に小さい ・底砂が殆どない ・餌やりはできるが水換えを知ら…

絶滅が危惧されるアクアリウムプラント

<><><>この記事は書きかけです。コレ最近怪しいよね!来ないよね!といった意見を募集中です<><><> 一般的なアクアリウムプラントでも、最近見かけなかったり消えてしまったものが多い。 最もよくあるのが「よく似た別物にとってかわられてしま…

沈水性トウエンソウ科

日本では見たこともない科の水草、というのはそう多くない。 とくに熱帯性のものでは顕著で、アポノゲトン科Aponogetonaceaeやヒダテラ科Hydatellaceaeなどがぱっと思いつくが、他は?と聞かれると結構言葉に詰まる。ようするに、水草というのはとんでもない…

はてなブログからも青い鳥が絶滅

10月まではてなブログでの表記は青い鳥でTwitter表記だったのに…X(Twitter)になってしまわれた。かなしい

メモ: ToninaとPaepalanthusの先取権

PaepalanthusにTonina(アクアリウムでいうところのスターレンジ)を含むというのが最近のトレンドである。 なので私はPaepalanthus fluviatilisと書くことが多いが、しかしながらToninaのほうに先取権があるのでむしろPaepalanthusをToninaに改名すべきでは…

ササバモ

ササバモは環境により七変化する水草である。 沈水形、陸生形、浮葉形をもつが、ふつうはこの順番に変化する。つまり沈水からいきなり浮葉になることはそうそうない(そうなるものもいるけれども…。)、というのが当方の近辺でみられる個体の挙動である。お…

アイノコヒルムシロ

今年の干ばつで地下水位が下がり、各地の水路は阿鼻叫喚の地獄絵図である。普段は澄んだ湧水がこんこんと流れ様々なPotamogetonがせめぎあい、浮葉を出したり咲いたりしているような水路も、今年はヒタヒタに濁った水が流れ、Potamogetonは死にかけでどす黒…

イトモと紛らわしいアイノコイトモ

関東平野の水路は不毛の地で、オオカナダモはおろかコカナダモですらみつかればバンザイものである。 そして、環境が良く肥料も豊富なところはたいていオオカナダモに占拠されてしまっていて、他の水草が希薄になる。冬は関東地方では雨が降らないので、地下…

Vallisneriaの検索表

Vallisneriaは本当に難解なグループだ。 種間における形態の差はあれどきわめて可塑的で、草体に特徴らしい特徴が見当たらない。世界的に広く分布しているものの、形態的な分類は困難をきわめる。現状では遺伝子をベースにした研究はいくつか行われているも…

コホタルイ

コホタルイはひじょうに長い苞葉をもつ個体の印象が強いが、この個体は比較的短かった。 小穂の数もコホタルイにしては少ない印象を受ける。 そうしたことから現場ではイヌホタルイ(同じ場所にイヌホタルイもあった)との鑑別に悩んだが、痩果は明らかに小…

ヒロハイヌノヒゲ

ヒロハイヌノヒゲは他のホシクサ類に比べて適応範囲が広い印象を受ける。 やや自然度の高い水田に生じるものをよく見かけるが、池畔や湧水湿地などで見かけることもある。ここではテンツキ属やアゼナ、ヒナガヤツリなどとともに生育していた。 日本産ホシク…

エゾヒルムシロ Potamogeton gramineus

最も美しい日本の水草は何か?ともし聞かれたならば、エゾヒルムシロはかなり有力候補になるだろう。 エゾヒルムシロは亜寒帯を中心に周極分布するヒルムシロ属で、日本では北海道や東北北部、山間部の湖沼などでみられる。適応範囲は広いようで、水深数セン…

日本のイヌビエ類に他の亜種はいるのか??

こんなものをネット状で見かけた。 タイヌビエC型やヒメタイヌビエのように小穂に艶を持つヒメイヌビエ類似の植物である。 syokubutukensaku.o.oo7.jp よく似た、小穂の護穎が膨出し艶を持つことを特徴とし、小穂の小さいイヌビエ類似種がドイツの文献に載っ…

オオオニバスの改良品種に関して、メモ

オニバスの改良について述べたがオオオニバスに関しても観賞用目的の品種が幾つかある。 オオオニバス属 Victoriaはオニバス属Euryaleと並んで、最大級の一年草である。オニバス、オオオニバス属ともに葉は直径3mほどになるにもかかわらず、通常の条件下では…