水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

ケヤリソウ類に関するメモ② セタケウムと呼ばれるものたち

現在E. setaceumは一種とされているが,ある程度の分別は可能かもしれない.

 

v.6 (1894) - The flora of British India - Biodiversity Heritage Library

より…

E. setaceum (South India)

receptacle conical villous

floral bracts cymbiform acute coriaceous glabrous black

seed dark brown

female sepals cymbiform, glabrous or nearly so

female petals narrow, cilliate, with or without gland

seeds oblong, quite smooth

  

E. capillus-naiadis (north India)

receptacle conical or convex villous

floral bracts whitish membranous outer glabrous inner with long dorsal hairs

seed dark olive brown or black

female sepals cymbiform, glabrous or nearly so

female petals narrow, cilliatewith long hairs(Burmese, Khasian), glabrous(Concan, Cochin-Chinese) with or without gland

 

E. bifistulosum (West Africa, Australia)

receptacle conical glabrous

floral bracts mucronate, less membranaceous, dark all with short dorsal bristles

seed chestnut brown, smaller than E. setaceum, E. capillus-naiadus.

female sepals cymbiform, glabrous or nearly so

female petals narrow,glabrous  with minute apical gland

 

https://www.biodiversitylibrary.org/item/129763#page/225/mode/1up

E. cauliferum (Japan)

receptacle glabrous

floral bracts very scarcely longer than flower, obovato-cuneate or spathulate-cuneate, or acutish at apex, minutely crenulate above. concave, subhyaline, very minutely nigro-punctuate above internally about 1.2mm long.

seed 

female sepals 3, erect, obovate-elliptical, rounded and subcillated at the apex

female petals 3, erect, hardlu exceeding the sepals in height, spathulate-linear, 1-nigro-spotted and often few-ciliolated at the acutic apex

 

Eriocaulon equisetoides (Java)

情報求ム!

 

Eriocaulon fluitans 

https://www.biodiversitylibrary.org/item/8375#page/284/mode/1up

p.277-278

 

E. limosum

https://www.biodiversitylibrary.org/item/687#page/80/mode/1up

p.74-75

 

E. melanocephalum 

https://www.biodiversitylibrary.org/item/32146#page/559/mode/1u

p.549-550

 

E. schweinfurthii

https://www.biodiversitylibrary.org/item/687#page/79/mode/1up

p.74

 

Eriocaulon usterianum

https://www.biodiversitylibrary.org/item/104945#page/320/mode/1up

p.284-285

 

別種とされているもの

Eriocaulon albosetaceum

https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/00837792.2019.1572964

*本文未入手

 

さて,この中でどれだけ同じものと違うものがあるか…原記載の本文リンクをここにほぼそろえたので,あとは色々遊んでみてほしい.

 

 

ケヤリソウ類に関してのメモ ①セタケウムとインターメディウム

古参の方ならエリオカウロン セタケウムとインターメディウムの名を知っているのではないだろうか?両者の関係性についてAnsari& Balakrishnan, 2009がまとめていたので紹介する.

 

E. setaceumを記載したのはご存じLinnaeusことリンネである.

www.biodiversitylibrary.org

 

E. setaceumはインドでかつてRandolia malabaricaと呼ばれていたものとし,その図としてvan RheedesによるHortus Malabaricus(vol.12, table 68)を引用している. 

https://www.biodiversitylibrary.org/item/14380#page/298/mode/1up

(↑ここから図が見れるはず.)

Koernicke(1856)はインドのE. setaceumには2種いるのではないかと感じ,ヒマラヤ地域に多く分布する頭花が毛深いものこそE. setaceumとし,マラバール地方でよく見られる頭花に毛がないものに対してE. intermediumと名付けた.

https://www.biodiversitylibrary.org/item/109423#page/609/mode/1up

(↑ Eriocaulon intermediumの原記載.p.601の下方)

しかしリンネがマラバール地方の個体群を引用した以上,真のセタケウムは頭花に毛がないマラバール地方に生育するものである.

Hook. f. (1893)はE. intermediumをシノニムとし,花が毛深いものをE. capillus-naiadis Hook. f. として記載している.また,西アフリカやオーストラリアに分布するとしたE. bifistulosumを北西インドのKhasia hillsで報告しているが,この種はその後報告されていない.

https://www.biodiversitylibrary.org/item/115813#page/578/mode/1up

(p.572上方)

しかしRuhland(1903), Fyson(1921)はKoernickeに従ってE. intermediumを有効としている.

 

ということでAnsari& Balakrishnan, 2009ではE. intermediumはシノニムとし,花が毛深いものをE. capillus-naiadis,花の毛が薄いものをE. setaceumとしている.

 

参考文献

R. Ansari & N. P. Balakrishnan (2009) The Family Eriocaulaceae in India (Revised Edition) Bishen Singh Mahendra Pal Singh, p.69. India

 

 

ミズアオイの育て方

意外にしんどいミズアオイ

ヒヤヒヤものになることもしばしばですが暫定的な育て方.

 

入手

種子もしくは子株で入手する.種子の場合は蒔く「本当に直前」まで冷蔵庫で水中に保存し,直前に少しだけ出して浅く水を張った黒土に蒔く.発芽率は高く,常温に戻すとわずか数日でほぼ全部発芽してしまう.

 

発芽~初期成長

発芽~初期成長が最難関である.

発芽直後はデリケートなため,元肥に頼り葉が3枚以上になるまで待つ.黒土は水深が浅い場合はデリケートな草が腐りにくい性質を持つため,ソイルや荒木田土,ケト土を使うよりも有利な印象を受ける.但し水深はくれぐれも5㎝程度を目安に浅くすること.深くすると腐りかねない.

この時点で早とちりして施肥すると危険である.さらにこの時期に水が足りなくなるのもまた危険.密に発芽してしまった場合はこのうちにリスク分散し,ただでさえ足りない栄養を取りあうことがないようにする.いきなり施肥は早急に大きくなるが,全滅のリスクもある.

 

水中葉が大きくなってきたら施肥を開始する.IB化成をピンセットで株もとに押し込む.

成長期

子株で入手した場合はそのまま植え付ければ大丈夫である.オモダカ類と違って,意外と移植には強い.

アブラムシとオンブバッタに注意.アブラムシ対策には全日照で雨ざらしにしたほうが良い.オンブバッタは見かけ次第駆除する.

実生株の水上葉が出たら成長に従い頻度と量を多くしてどんどん施肥する.水上葉が出た後は土に埋め込む必要はなく,IB化成をバラバラと撒く.大きくなるにしたがって蒸散量が多くなるので,水位は水上葉を作り始めたら上げる.

 

開花期~採種

9月上旬まで成長を続けるため適宜施肥する.肥料が足りないと葉が黄色くなったり花がつかなかったりする.

9月中旬に開花,10月に結実する.結実した果実は青いままだが離層が発達し触っただけでぽろっと落ちるので,これを回収する.

他の水草類と異なり放置しておくと親株が腐って次世代が枯れてしまうので,翌年は用土から作り直しが必要である.

 

 

シラタマホシクサの育て方

今年もシラタマホシクサがよく咲いているので,育て方のメモ.

前もこんな記事書いた気がするけれども気にしない気にしない.同じ記事あるかも.

 

入手

園芸用のシラタマホシクサ苗は大抵出荷時の時点で死にかけているので,採種するに足る状態の株を探すことが最も肝心なポイントである.花茎がまだ生きており,頭花ができるだけ大きい株を選ぶ.蕾の状態で出荷されたものは滅多に種が成熟するまで生存しない.複数株購入するなどしてなんとかして種子を確保することが大事である.

当然のことだが,一年草なので親株が次の年芽を吹くことは絶対にない.

 

採種

シラタマホシクサは基本的に,種子が熟すると花がほぐれる.このほぐれるタイミングを見計らって種子を回収する.他のホシクサ類に比べて種子の成熟にかなり時間を要するため,ほぐれる前に回収すると発芽率が悪い.種はその年のうちに蒔く.一年間でも乾燥条件で保存すると発芽しなくなるため,モタモタはしていられない.

 

用土の準備

シラタマホシクサは年中水がビチャビチャの湿地環境,かつ酸性土壌で鉄分が必要である.用土の通水性は高い方がいい.逆にいえばこれさえ守れれば育つ.王道はミズゴケ+鉄釘だが,パーライト+鉄釘やヤシガラ+鉄釘,鹿沼土などでも栽培が可能だった.基本的に食虫植物と栽培条件は変わらない.当方でもナガバノモウセンゴケモウセンゴケ,ナガバノイシモチソウ,サラセニア・プシタシナ,ハエトリソウなどと同じ容器で栽培している.サギソウなども同じ条件で育てられる.湿らせていさえすればよいので腰水管理で良いが,浮舟式栽培箱も楽である.

 

播種

播種はその年のうちに行う.いわゆる取り蒔きである.イヌノヒゲ類やシラタマホシクサ,オオホシクサなどは寒さを感じないと発芽しないため,遅くとも3月前半までには播種する.時機を逃した場合は種子を分離して2週間冷蔵庫で水に漬け,常温に戻すと発芽する.次シーズンまで種子を保存することはできないためだ.

 

生育期

シラタマホシクサは3月後半に発芽する.発芽時期はホシクサ類の中で最も早い部類で,また種子も最も大きいため慣れれば発芽の時点で他のホシクサ類と区別がつく.本種はホシクサ類の中でもとりわけ移植に弱いが,根が1本~5本程度の発芽初期の段階で植え替えれば特に問題はない.根を傷つけないようそっと引き抜く.前年度に倒れた頭花からうじゃうじゃ生えてくることがよくあり,そのような場合は特に植え替えが必要である.ホシクサ類ではあるが水没は嫌いで,生育期は常に株本以上に水が来ないように調節する必要がある.

成長期は特に管理を必要としない.貧栄養湿地の植物だけに肥料切れには強いが,大きく成長させたい場合にはハイポネックスやプロミックをごくごく少量投与しても良い.

7月には早々に頭花を上げ始める個体が出てき,そこで成長はストップする.そのため3~7月,とくに5~7月が栽培の焦点となる.追肥で対処するより,間引いて株数を減らして対処するほうが良い.花数が多くなるので密植しても疎らでも豪華さは変わらないし,密だと病気(要するに溶け)に弱くなる.(炎天下で直射日光を当てている限り溶けは出ないのだが,室内に取り込んだりすると危ない!)密植になってしまった開花株は輸送に虚弱なので,そのような状態での発送は言語道断である.まだ未開花株の抜き苗の方がずっといい.

 

開花期~結実期

この時期も特に管理は必要ない.放置していればどんどん咲く.自家栽培の株は丈夫なので,ほおっておけば種子をばらまく.敢えて採種する必要もないので,そのまま放置して次の年発芽したものを植え替える方式でも良い.

 

まとめ

最難関は生きたタネの入手と迅速な種まきである.逆に言えばそれさえできれば栽培は容易で,モウセンゴケやサギソウを育てられる方ならだれでも育てることができるはずである.栽培していると稀に,頭花の先から子株を吹いてその上に開花したりする株が出てきたりして面白い.

湿地性ホシクサ類に関しては育て方がほぼ同じなので,殆ど同じ記事をあとでイトイヌノヒゲやゴマシオホシクサについても書く気がする.但し種によって肥料の要求度や水没耐性,種子の耐久性が異なる.同じような環境に生育するホシクサ科が意外に住み分けできているのは,この辺りからきているのだろう.

石を喰らう水草

色々わけがあってPotamogetonを色々育て始めなければならないことになった.このグループはソイルをベースにpHを落とし込んでいく一般的な水草水槽では栽培が難しく,私にとっては苦手分野もいいところである.

しかし友人にポタモゲトンを育てるのが上手い方がいるため聞いてみたところ「珪砂とイニ棒でCO2なしでも綺麗に育ちますよ」とのこと.半信半疑で水槽を新しくたちあげ,シンセーの一番安い珪砂をベースに用土を組み立てて,ライトも弱くていいというので新調せず窓際の間接光,イニ棒埋めて,CO2なしで育ててみた.今までの苦労が嘘のように急激に育ち始めた.一日に何センチも育つので,条件としてはドンピシャなのだと思う.

さて,こいつらはいったい何を吸って育っているのだろうか?

CO2に関してはさすがに一日に何センチも育つ成長を支えるほど溶存しているわけではないし,タニシ2個しか入っていないので水中で発生しているとも考え難い.つまり,こいつらはCO2のみを吸っているわけではないのである.

Potamogeton属はアナカリス等の他の「金魚藻」的な水草と同様,HCO3イオンを用いることができる.これがこういう「金魚藻」類がCO2なしでもよく育つ原因であるといえる.またこうした水草は概してミネラル要求度も高い傾向がある.

安い珪砂にしたとたんPotamogetonが急激に育ち始めた理由,それはHCO3イオンやミネラル類が珪砂(正確にはその不純物)から供給されたためではないだろうか.そう思うと,この水草は「石を喰らって育つ」ように思えてきた.

 

以前「土を喰らう」水草であるリトレラ・ユニフローラやミズニラ類を紹介した.(堆積物から発生するCO2を根でキャッチする)

土の次は石...水草は実に奇妙な方法で今日も生きている.

謎ポタモゲ

以前見かけたもの。うーん…?

そこらのアイノコイトモにもこんなのが様々紛れているのだろうか

そもそも平野のど真ん中にイトモとヤナギモの交雑種があること自体が不自然と言えるかもしれない。

謎ポタモゲ

以前見かけたもの。うーん…?

そこらのアイノコイトモにもこんなのが様々紛れているのだろうか

そもそも平野のど真ん中にイトモとヤナギモの交雑種があること自体が不自然と言えるかもしれない。