2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧
コナギとその近縁種は染色体数に極めてバリエーションが多く、さらにそうした個体群の間に形態的な差異もあるために厄介である。 今回はアジアのコナギ近縁種を概観してみようと思う。 アジアのコナギ近縁種はざっくり見てみれば ・小型で背の低いもの・・・…
キョウチクトウ科は水草といえるものが少ないが…こんなものがいる。 Gomphocarpus rivularis https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:97679-1 https://www.gbif.org/species/3573360 南アフリカに分布。高さ約1.2mに達する渓流性多年草…
サヤヌカグサ Leersia sayanuka あまり見かけない、地味なイネ科植物である。ぱっと見ではこれといった特徴が見当たらない植物であるが、穂をみればとても特徴的でありすぐにわかる。長粒種のイネにそっくりなのである。(ジャポニカっぽいのはエゾノサヤヌ…
時は平安時代。 ぬかるんだ沼地に太ももまで浸しながら、凍える春先の棚田の脇で収穫作業が行われていた。 集めているのはまことに地味な雑草。泥深い冬の深田を好み、水面に葉を浮かべている。 この地味な雑草が、帝のために集められていた。 草の実は触る…
おそらく最初に見かけた水草はバイカモだったと思う。 川底に揺らめく鮮やかな緑色はいやがおうにも目に入るし、同所的に生育するコカナダモのどす黒い緑色とは比べるべくもない美しさである。バイカモは世間的にも人気が高く、しばしばバイカモ自体が観光名…
エゾヒルムシロは日本の水草の中で最も美しいもののひとつである。 触れば溶けてしまいそうなほど繊細で透明感のある葉、盛んにしかし規則正しく分岐する水中茎。これが水中を森のように埋め尽くし、開花茎が上にヒョロヒョロと伸びていって小さな浮葉をつけ…
エゾノタウコギBidens maximowicziana 北方系の雑草の類はなかなかに情報が少ない。湿原などの安定した、保護の対象になるような場所を好む種ならともかく。 エゾノタウコギもそうしたひとつで、タウコギとの混同が多い北方系の抽水植物である。 中栄養で腐…
エゾノタウコギBidens maximowicziana 北方系の雑草の類はなかなかに情報が少ない。湿原などの安定した、保護の対象になるような場所を好む種ならともかく。 エゾノタウコギもそうしたひとつで、タウコギとの混同が多い北方系の抽水植物である。 中栄養で腐…
おもに本州でみられる日本の水田雑草を概観してみたい。 ここでいう水田雑草の定義は「湛水した水田に侵入すること」 とする。中干し中に発芽してくるものもあるが、その後の湛水により消滅するものは含めない。 出現頻度 ★★★★★(最普通)~★(稀) 稲作への…
以前の沖縄遠征でヒロハノクロタマガヤツリを採種してきていたので、播種して楽しんでいる。栽培の前例があまりない種であるが、草姿が(私基準で)非常にかっこいい種でありぜひとも栽培を確立したい。 現状について。。。 ヒロハノクロタマガヤツリの発芽…
日本産ハリイ属に関する感想を走り書き。交雑種は含めていない。 ハリイ属 Eleocharis マツバイ級の種 10㎝未満でランナーで増える。 Eleocharis acicularis (L.) Roem. et Schult. var. longiseta Svenson マツバイ Eleocharis acicularis (L.) Roem. et Sc…
エゾノミズタデは北方系の水草で、平地でもみられるようになるのは東北も北のほうである。私の観察した自生地はそうとうに高温になる環境であるが、ヒシなどが生じる、茶色く濁ったやや富栄養の湖沼でふつうに見られた。最も優占するのはヒシとエゾノミズタ…
ミズアオイの育て方に関しては以前も記事にしたけれども、今年はやり方をやや変更して、より状態よく育苗できているのでメモがてら書いてみようと思う。 なお栽培中の個体は関東平野産の除草剤耐性がない個体群であり、他の個体群では条件が少し違うかもしれ…
ハナイ Butomus umbellatusが開花したのでこれまでの栽培経過をメモしておきます。 2022年8月 入手。余っていたアマゾニアに植え付け。 2022年11月 栽培していた容器がオオバナイトタヌキモに汚染されたうえにベランダ管理でアブラムシ被害がひどかったため…