2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧
全ての問題は、牧野によるヒメタデの原記載と、牧野がホロタイプを指定しなかったことに始まりがあるように思われる。 https://doi.org/10.15281/jplantres1887.28.328_105 牧野によるヒメタデの原記載は上記リンクから読むことができる。 文字起こしを次に…
グリセリア・フルイタンスという、かなり前からアクアリウムで知られるものの、終ぞ日本のアクアリウムには定着しなかった植物がある G. fluitansはヨーロッパでは身近な沈水〜抽水性水草で、かつてはその果実は食用として(今も英名はマナグラスManagrassで…
タネツケバナ属はふつう春植物だが、低温の湧水がよく出る様な場所では沈水状態で夏を越している場合がある。ミズタガラシは夏の暑さを水で涼む多年草であるし、オオバタネツケバナなどはそもそも水生多年草型と言っても過言ではない型があるくらいだけれど…
Hydrocharis dubia トチカガミ科の花についても触れていこうと思う。 第一弾は日本にも産するトチカガミ Hydrocharis dubiaの雄花について… トチカガミの雄花は明確に3数性であり、萼片3枚、花弁3枚、雄蕊15本(但しうち3本は葯を欠くため、機能するのは12本…
水草のなかでも、海草がもっとも水中に適応した維管束植物であることに疑いを持つ人はなかなかいないと思う。 海草の多くは完全に陸を必要としないし、種によっては30mもの深さに生育するものがいる(Posidonia oceanica)。そして、他にライバルのいない水…
アマモ科の花は非常に変わっていて、イカやタコの足を彷彿とさせる外観をしている。 アマモ属とスガモ属があるが基本構造は同じで、但し両属において欠落するパーツもある。形態的にはアマモ属コアマモ亜属がすべてのパーツが揃っているため、模式図はコアマ…
カワツルモの花は一見ヒルムシロ属と酷似していて、それを極度に簡略化したようなものとなっている。 外見上はヒルムシロ属と同じように4つ(但し例外多い)の心皮を4つの大きな構造物が囲んでいるように見えるが、周囲を取り囲む4つの構造物は上2つ、下2つ…
Altheniaの花は構造上はZannichelliaととてもよく似ているが、見かけ上はかなり異なっている。Altheniaの花被は筒状ないし3弁からなり、筒状になる場合も3つの切れ込みがはっきりしている。また、雄花および雌花は基本的には茎頂に密接してつき、葉鞘に包ま…
イトクズモ属 Zannichelliaの花は水中で咲いて受粉するものの、基本的にはヒルムシロ属に類似している。また、一見かなり異なるように見えるヒルムシロ科ヒルムシロ属とベニアマモ科の類似点を考える上でもかなり参考になる。 ひだりは花期、みぎは果期で、…
先日はヒルムシロ属の花の構造に関して説明した。 ヒルムシロ属の花の構造に関して - 水草オタクの水草がたり. すくなくとも上記の内容で記述的には通じるのだが、それで終わりではない。 そもそも、ヒルムシロ属において花のように見えている1単位は「花」…