2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧
関東平野の水路は不毛の地で、オオカナダモはおろかコカナダモですらみつかればバンザイものである。 そして、環境が良く肥料も豊富なところはたいていオオカナダモに占拠されてしまっていて、他の水草が希薄になる。冬は関東地方では雨が降らないので、地下…
Vallisneriaは本当に難解なグループだ。 種間における形態の差はあれどきわめて可塑的で、草体に特徴らしい特徴が見当たらない。世界的に広く分布しているものの、形態的な分類は困難をきわめる。現状では遺伝子をベースにした研究はいくつか行われているも…
コホタルイはひじょうに長い苞葉をもつ個体の印象が強いが、この個体は比較的短かった。 小穂の数もコホタルイにしては少ない印象を受ける。 そうしたことから現場ではイヌホタルイ(同じ場所にイヌホタルイもあった)との鑑別に悩んだが、痩果は明らかに小…
ヒロハイヌノヒゲは他のホシクサ類に比べて適応範囲が広い印象を受ける。 やや自然度の高い水田に生じるものをよく見かけるが、池畔や湧水湿地などで見かけることもある。ここではテンツキ属やアゼナ、ヒナガヤツリなどとともに生育していた。 日本産ホシク…
最も美しい日本の水草は何か?ともし聞かれたならば、エゾヒルムシロはかなり有力候補になるだろう。 エゾヒルムシロは亜寒帯を中心に周極分布するヒルムシロ属で、日本では北海道や東北北部、山間部の湖沼などでみられる。適応範囲は広いようで、水深数セン…
こんなものをネット状で見かけた。 タイヌビエC型やヒメタイヌビエのように小穂に艶を持つヒメイヌビエ類似の植物である。 syokubutukensaku.o.oo7.jp よく似た、小穂の護穎が膨出し艶を持つことを特徴とし、小穂の小さいイヌビエ類似種がドイツの文献に載っ…
オニバスの改良について述べたがオオオニバスに関しても観賞用目的の品種が幾つかある。 オオオニバス属 Victoriaはオニバス属Euryaleと並んで、最大級の一年草である。オニバス、オオオニバス属ともに葉は直径3mほどになるにもかかわらず、通常の条件下では…
オニバスといえばとげとげしい、そう言っていいほどの植物である。しかしながら、なんと「草体の大部分に棘がない」オニバスが存在する。 この植物に関しては「野菜の日本史」を読んでいたところ偶然に出くわしたのだが、いかんせん写真がなかなかみつからな…
以前も紹介したけれど…。。。
一時期はOryza prehensilisとされていた、イネの近縁種。 イネの近縁属(Oryziae)は基本的に多かれ少なかれ水生のものが多いが、本種は陸棲のクライマーであり高さ10mに達するという*1.*2 *1:Cook, C. D. (1999). The number and kinds of embryo-bearing pla…
Notes on Aquarium Plant Production in Peruvian Amazonia | Ethnobotany Research and Applications
イヌビエとタイヌビエはきわめて識別が難しいようだ。 現状、関東の水田には3タイプのノビエ類がいるように思う。 A. イネ擬態性を示さず、葉縁は透明できわめて大型化し、穂は枝垂れて紫色の長い禾をもつ。下流域に多く、上流域にはいない B. イネ擬態性を…
おそらくオソレヤマオトコイです。ミチノクホタルイとカンガレイに混じって2株見られました。カンガレイより長い苞葉、メインの三綾はカンガレイほど辺縁鋭ではなく、若干の4陵目があること、小穂もカンガレイとミチノクホタルイの中間的な大きさ・形状であ…