水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

水草オタクの海洋博公園探訪記

沖縄の、美ら海水族館で有名な海洋博公園に行ってきました。 今回は海洋博公園でみられる水草についてレポートしてみようと思います。思ったよりかなり多種多様で、へたに沖縄を走り回るよりもいろいろな水草を観察できます。しかしその多くは意図的に展示さ…

琉球の水生・湿生植物 イヌビエ

どこでもイヌビエは重要な雑草らしく、畔に投げ捨てられていた。春先に見かけたイヌビエ類はみなF型の禾の短い、半直立性の個体が目立った。

琉球の水生・湿生植物 イヌフトイ

イヌフトイ こちらはイヌフトイだった。 ちなみに沖縄にオオフトイはいるのだろうか。今後気にしてみたい。

琉球の水生・湿生植物 フトイ

フトイ Schoenoplectus tabernaemontani イヌフトイを期待したがフトイだった。

琉球の水生・湿性植物 オクラレルカ

"オクラレルカ"は、沖縄県では重要な水生花卉である。大宜味村で栽培されるのが有名であるが、うるま市や恩納村でも育てられているようだ。沖縄産とみられるものは生花として全国に出荷されている。 流通はおもに葉が全国に出荷されるほか、主に沖縄島内向け…

水草の分類はまだまだ発展途上とはいえ

アクアリウムでは日々、様々な植物が流通している。あるものはファームから量産されて輸入されるし、あるものはワイルド品が流通する。 さて、ここでよく聞くのが「新種」の話題である。 「このあたりはまだ未記載種が多い」という話をサトイモ科や陰生植物…

エキノドルスの「イモ」?

水草業界では(そんな「業界」と呼べる規模なのかは疑問だけど)、エキノドルスの増やし方としてよく「イモを切り分ける」という言葉を用いる。しかしエキノドルスの「イモ」はただ葉の落ちた地下茎に過ぎず、葉がついてから二次的に肥大するわけではないし…

琉球の水生・湿生植物 フタバムグラ

フタバムグラ Scleromitron brachypodiumは沖縄の水辺でよく見かける植物で、沖縄の水辺において対性で細く硬い植物を見たら本種かホソバツルノゲイトウか…という印象すらある(実際のところフタバムグラは著しく細いのでわかると思う)。よく、とても似た植…

琉球の水生・湿生植物 ②イガガヤツリとイガガヤツリ様植物

イガガヤツリは沖縄の水辺でもっともよく見かけるカヤツリグサ科の一つでありながら、非常に謎めいていてかつ観察者を悩ませる存在である。 イガガヤツリは海浜性~海浜の影響を受ける地域によくみられる、とされる。要するに石灰質を好むのではないか、と思…

琉球の水生・湿生植物 ① アゼナ

琉球の水生・湿生植物について、シリーズ的にまとめてみようと思う。 琉球列島はたとえ普通種であっても違和感をおぼえるような種が多く、本州とは似て非なることも多い。それらが単に地理的分布や隔離、または南方の系統、外来系統などの遺伝的違いによるも…

水槽に魚を植える

私は水槽に入れるものを水草しか想定していないので、ついつい「クリプト水槽にはパールグラミーを植えようかな」とか言ってしまい笑われがちである。しかし、私にはもっとよく使われる「泳がせる」という語の方がより奇妙なものに思えてならない。 魚は泳ぐ…

水草栽培を土いじりから考えてみる。

はじめに…水草における土いじり 植物を育てることを「土いじり」といいます。 日いじりでも水いじりでもなく、土いじり。 植物を育てるのはやはり土であろう、という認識は、本能的なだけでなく本質的なものであろう、と私は思っています。 水草は、一見する…

水生園芸向けの"イグサ状"植物

ここ2、3年ほど、イグサやカヤツリグサの類に注目しています。(以前からかなり好きなグループですが…) 地味な植物ですがよく見てみるとかなりの種数があり、しかも育てやすいものが多く、端的に言えば"鉢に土を入れて水に漬けておけばよく増える"といって…

衣装ケースで簡易温室作ってみた

今年はとくに蒔く種数が多い上に、種別に蒔く時期を変えるほどの時間的余裕がないことが予想されるので、できれば一気に、3月中に蒔けるものは蒔いてしまいたいと思いました。そのため、ちょっとでも播種時期を早めるために衣装ケースで簡易温室を作ってみま…

本当に北方系の水草は案外寒さに弱い説。

先ほどの記事で、「本当に北方系の水草は実は寒さに弱いものが多い」と書きました。 意外なことですが、事実です。結構北方系の水草は「越冬に」失敗しがちです。 というのも、北方系の水草は「水で暖をとるために水辺に生えている」というものが結構ありま…

水草の実生について・・・

毎年屋外で数十種の湿生・水生植物を育てています。 屋外管理しているのは基本的には日本産で、できるだけ地元のものを育てているのですが、遠方のものもあります。 一年草や非耐寒性多年草が多いので、毎年春になると種まきでてんやわんや・・・ということ…

シマウリクサ Torenia anagallis

シマウリクサ Torenia anagallis シマウリクサ Torenia anagallis 南西諸島の水辺や湿った空き地でよく見られるアゼナ科植物。 絶妙に情報が混乱している。 まず和名がわかりづらい。シマウリクサという和名だが、一見したところあまりウリクサには似ていな…

リュウキュウウロコマリ Lepidagathis inaequalis

沖縄の湿った林床でやけに目に付く、葉脈が白く抜けるおしゃれで小さな植物。 花の下唇の模様も品があってとても良いのだけど、育てている方は聞いたことがない。まあこれが流行って乱獲されるというのもいやな話なので、そっとしておくほうがよいのだろうが…

Googleが水草モード

Googleが水草モード 今日Googleを開いてみたらこんなことに。 今日は2月29日なので、うるう日だからとのこと。 いいデザイン。かわいい。

琉球列島のイヌタデ属Persicariaについて(水生の多年草を中心に)

はじめに 検索表とその簡易な解説 1. 節までの分類 2.イヌタデ節の簡易な検索表(琉球の種に関して) ザックリと各論 陸生の多年草 ツルソバ Persicaria chinensis (L.) H.Gross ツルソバ *ミズヒキに関しては本州でも普通種のため省略する。 ツルソバは…

エリオカウロン ラティフォリウム カメルーン ンガウンデレ産

ホシクサ科は約1000種を超える大きなグループである。そのうち2/5が広義Paepalanthus、1/5がSyngonanthus、そして2/5がEriocaulon…と言ったところである。LeiothrixやMesanthemumといった他の属もあるにはあるのだが、その数は微々たるものと言っていい。こ…

2023年、最も注目されるべき水草30種ランキング (2023年水草アワード Top30)

2022~2023年は様々な水草が輸入された”当たり年”だったように思います。 2013年ころから約10年にわたって新しい水草がほとんど入荷しない時代が続いてきましたが、ようやく雪解けが見えてきた感があって大変喜ばしいことです。 今回は、そんな2023年で特に…

メモ:スリランカ便の”Aponogeton natans"について

スリランカ便2022ではアポノゲトンが入荷した。 しかしその状況は極めて混沌を極めたものだった。 まずはじめに、背景知識としてアポノゲトンの流通状況をまとめておきたい。 ・アポノゲトンという植物の流通状況自体が混沌を極めている。 現在流通するファ…

カヤツリグサ科の水草を楽しもう

最近カヤツリグサ科に執着している。 果てには「カヤツリ来ないっすかねぇ」という話を大声でした結果、大量のカヤツリ輸入を起こさせ大損させかけてしまっている…本当に申し訳ございません。 まあ需要ない…ですよね. というわけで、今回はカヤツリグサ科の…

Nymphaea nouchali のbulblet

ミャンマーから輸入されたNymphaea nouchaliの球根です。 一見したところ普通に見えますが、表面が何やらぼこぼこしています。 拡大すると、球根を包む軟毛に何かが”埋もれて”いるように見えます。 球根の下半分、根と根の間に集中しているようです。 少し触…

熱帯アジアに分布するホシザキスイレン Nymphaea nouchaliについて

ニムファエア ノウカリ Nymphaea nouchaliは、世界の熱帯域に分布するBrachyceras亜属のスイレンであり、園芸において「昼咲きの熱帯スイレン」は全て本種の血をいくらか引くもの・・・と言っても過言ではない。 しかしながら、N. nouchaliには深刻な分類的…

問題提起:淡水には水草の森、海には海藻の森…なのはなぜ?

「水草」といえば維管束植物で、「海藻」といえば藻類の謎・・・逆に言えば、なぜ「淡水海藻」も「海草」は例外的なのか。 ずっと気になっているテーマであり、おそらく水草趣味にまつわる謎の最大のものだと思っている。 水草水槽においてしばしば藻類に悩…

Wolffia arrhiza

また熱帯魚店で、でかいミジンコウキクサをみつけた。 前回の大きなミジンコウキクサ(Wolffia columbiana)はどこから入ったのかいまいち不明瞭だった(候補は1つしかないのだが、肝心のその店でそれ以降見かけたことがない)ので、今回は本腰入れて育てよ…

”有機酸必須論”について

2020年代の流行だろうか、”水草水槽には有機酸が必須”というものがある。私も流行の一端を担ってしまった感があるので申し訳ないのだが…。 あくまで私は「コスパがあまりにも悪いアクア用品を使わずに水草水槽をやるために」有機酸を使って代替する方法を述…

Wolffia columbiana

北米~南米に分布する大型のミジンコウキクサ属。 去年の秋ごろに購入した水草に混入しており、日本のミジンコウキクサとは別種と直感したので1年ほど注目して育てている植物である。 草体には何の特徴もない。まさに何の特徴もないのが本種の特徴である。絵…