水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

ベトナムコリアンダー(ロウラム)サクラタデ近似種

日本のサクラタデはPersicaria odorata ssp. conspicuaだが、これはodorata ssp. odorata。 東南アジアでは有名なハーブで、苗が売られ始めたと聞いてここ数年探していたのだけれども、気にして近場のエスニック食材店を当たってみたら、軒並み売っているに…

Erigeron heteromorphus

キク科の水草は幾つかあるのだが、どれも知名度が低い。Erigeron heteromorphusなどは非常に特徴的であるにもかかわらず、殆ど情報が出てこない。メキシコ固有種で分布が局限することが原因だろうか。 E. heteromorphusは沈水葉と水上葉をもつ流水性の両生水…

ネガティブな話もせよ;生物多様性について、ポジティブな話をするということには弊害があり、むしろ自然に対する脅威である

南西諸島に行くたびに、生き物を保護する側と、生き物屋と称される人々の対立が年々ひどくなっているのを感じる。種の保存法は、「生息地を保護し、食害(たとえば年々増え続ける鹿害やザリガニ害)や開発から保護する」ことよりもはるかに、「生き物を採集…

栽培法などメモ:クロアブラガヤ

北方のやや富栄養な浅い水中に見られる抽水植物です。耐暑性はあり、栽培にあたって暑さはそこまで問題にならないようです。関東平野でも見られる場所があります。ツルアブラガヤと違って地下茎で増えず株立ちで美しい植物ですが、葉縁が鋭く油断すると手を…

栽培法などメモ: ヒロハノクロタマガヤツリ

世界の熱帯に広く分布する多年生の湿性〜抽水植物です。フラグミテスspギニアとして流通した種にきわめて近縁ですが、試した限りでは沈水化しません。 草姿が非常に美しく、耐寒性はないものの夏場の抽水植物として楽しめます。五角柱状の茎はカヤツリグサ科…

栽培法などメモ: ヒロハノクロタマガヤツリ

世界の熱帯に広く分布する多年生の湿性〜抽水植物です。フラグミテスspギニアとして流通した種にきわめて近縁ですが、試した限りでは沈水化しません。 草姿が非常に美しく、耐寒性はないものの夏場の抽水植物として楽しめます。五角柱状の茎はカヤツリグサ科…

サトイモの学名表記がわからない件。

ふと、サトイモの学名をどう書けばいいのかで悩んだ。 里芋はごく一般的な野菜であるが、分類には非常に大きな課題がある。 国内における、里芋の扱いはどのようなものだろうか。 Ylistでは C. antiquorum Schott・・・ヤマサトイモ ・・・Var. toonoimo T. …

水生植物(浮葉植物、抽水植物)の育て方

夏が近づいてきました。 店先で水生植物を見かけることが多くなる季節ですし、採集に行かれる方も結構いらっしゃるのではないかと思います。今回はザックリとですが、水生植物の中でも抽水植物と浮葉植物にフォーカスして、栽培について書いてみようと思いま…

ぶっちゃけ温帯スイレンってこんな感じ(温帯スイレン入門)

スイレンほど一般的に知られつつも、理解されていない植物はなかなかないだろう。園芸店レベルですら、赤白黄色と、大きいのと小さいの、あと斑入りがある・・・くらいの理解であるように思う。また、スイレンを育てたことがある人はそこそこいると思うが、…

ミズタカモジ再考

ミズタカモジは水田畔に稀に生じるイネ科植物である。 当方の感想からいわせてもらえば、おそらくもっとも見つけるのが難しい水田雑草の部類ではなかろうか。(ほんとうの最難関はデンジソウ、タタラカンガレイ、スジヌマハリイだと思う) 水田畔に群生する…

ヒメハリイ

放棄休耕田の色が変わるほどヒメハリイ(広義)が生えているとは思いもしなかったので、度肝を抜かされた。ヒメハリイ以外のEleocharisがマツバイしか見当たらないのも不思議な話で、この後どうなっていくのか大変興味深い。 完全に余談だが、日本で一番美し…

へんなオオヌマハリイ

なんだこれ?と思ったものの、たぶんオオヌマハリイなのだろうなと思っている個体…。 異様に丸い。 痩果。 こういう個体こそ採集栽培して比較すべきだったなあと後悔。

ミツカドシカクイ

柱基お化けつながりで…。すごかったデス(一瞬、前後を見失った)

ヒメハリイ

柱基お化け。。。

セイタカハリイ

見た目からまずセイタカハリイだと思ったものの、いちおう現場で撮影…したもの。刺針状花被片には返し状の突起が多数、鱗片は淡色。 後で見返してみると、ピンボケ…

謎のGlyceria

右が謎のGlyceria、左はムツオレグサ ムツオレグサを探していたところ、水田の”ほりあげ”で変なものに遭遇した。 スケール感はムツオレグサやドジョウツナギと同大の中型種だが、穂はムツオレグサよりやや小さい。 最上部の葉しか採集できなかったが葉幅5㎜…

水槽レイアウトに関して思うこと…水景はジオラマである、ジオラマに”本物”を使うべからず…

先日、アクアリウムを題材にしたゲームが発売されたという。内容としてはゲームフィールドから水草や流木を採取してきて水槽に配置・配植する…というものらしく、海外での水草熱の高さには驚かされるばかりである。(多分もうその辺の熱量では日本よりずっと…

ノビエプロパガンダ

今回は身近にあるカオス、ノビエについて…おもに「雑穀の自然史」とWu et al., 2022をベースに書いていますが、勘違いなどあるかもです。ひとまずノビエに興味を持ってみる人が増えたらなあと思って書いています。 A. ヒエと食 B. 雑草としてのヒエ C. 野生…

1967年に流通していた水草リスト(一部)

A Manual of Aquarium Plants (Shirley Aquatics Ltd., Monkspath, Shirley, Solihuli, England) に掲載されていた水草リストです。適宜注釈入れています。 気まぐれ更新なので、そのうち気が向き次第第二弾など作るかもしれません。 今よりむしろ多様なの…

コウキヤガラ Bulboschoenus maritimus

コウキヤガラ コウキヤガラは海岸付近の湿地によくみられるが、不思議なことに河川の河口域ではあまり見覚えがない・・・気がする。不思議

ノビエ模式図

だいたい日本のノビエはこんな感じ。あくまでざっくりした模式図です。

タイヌビエ

やはりこの背の高さ、型崩れしないしっかりとした立ち性、そして大きな小穂が特徴的。

ヒメタイヌビエ

意外に写真がないヒメタイヌビエ。関東では局地的な印象を受ける。 小穂は丸みを帯び、ヒメイヌビエを丸くした程度には小さく、第一護エイは日本産種でも特に短い。イネ擬態でサイズはイネ準拠。ほかのヒエ類より葉が青っぽく、タイヌビエより小さく穂も寸詰…

イヌビエ

この株はイヌビエらしいイヌビエだと思った。 イヌビエはしばしばタイヌビエに酷似する。上がタイヌビエで、下がイヌビエである。 小穂の大きさの違いがわかるだろうか。イヌビエには地域差が大きいので、もっと違いがはっきりする株が多い。

いろいろなヒエ

右はタイヌビエ、左はケイヌビエ。やはりタイヌビエの方が同じくらいの長さでも、ぷっくりしている。 イヌビエだが立ち性傾向の強いもの。穂は細くてやせた印象を受ける。 タイヌビエではなさそうな、一見ヒメイヌビエを思わせるような小穂も小さい開帳型草…

ケイヌビエ

関東の田園地帯では実によくみかけるヒエ類。 日本のノビエ類ではもっとも野生に近い種だと思っていて、平野部の低湿地に多く、水田よりむしろ自然湿地でよく見かける。 長いノギが特徴的で、強豪かつ横向きに周囲の植物をなぎ倒すように生育する様子も他の…

リュウノヒゲモとその類縁

あくまでメモ書き。 さきほどTLを眺めていたら北海道にホソバリュウノヒゲモ Potamogeton filiformisが分布するという情報があった。初耳だったので違いについてとりあえず調べてみた。 リュウノヒゲモは極めて変異が激しく、ヨシの茎を思わせるほどに巨大化…

セイロンヌパール

セイロンヌパール(国内ファーム便)水中でも開花し実生株が生じる。

ミズキカシグサ Rotala rosea

R. rosea