水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

ササバモ

ササバモは環境により七変化する水草である。 沈水形、陸生形、浮葉形をもつが、ふつうはこの順番に変化する。つまり沈水からいきなり浮葉になることはそうそうない(そうなるものもいるけれども…。)、というのが当方の近辺でみられる個体の挙動である。お…

アイノコヒルムシロ

今年の干ばつで地下水位が下がり、各地の水路は阿鼻叫喚の地獄絵図である。普段は澄んだ湧水がこんこんと流れ様々なPotamogetonがせめぎあい、浮葉を出したり咲いたりしているような水路も、今年はヒタヒタに濁った水が流れ、Potamogetonは死にかけでどす黒…

イトモと紛らわしいアイノコイトモ

関東平野の水路は不毛の地で、オオカナダモはおろかコカナダモですらみつかればバンザイものである。 そして、環境が良く肥料も豊富なところはたいていオオカナダモに占拠されてしまっていて、他の水草が希薄になる。冬は関東地方では雨が降らないので、地下…

Vallisneriaの検索表

Vallisneriaは本当に難解なグループだ。 種間における形態の差はあれどきわめて可塑的で、草体に特徴らしい特徴が見当たらない。世界的に広く分布しているものの、形態的な分類は困難をきわめる。現状では遺伝子をベースにした研究はいくつか行われているも…

コホタルイ

コホタルイはひじょうに長い苞葉をもつ個体の印象が強いが、この個体は比較的短かった。 小穂の数もコホタルイにしては少ない印象を受ける。 そうしたことから現場ではイヌホタルイ(同じ場所にイヌホタルイもあった)との鑑別に悩んだが、痩果は明らかに小…

ヒロハイヌノヒゲ

ヒロハイヌノヒゲは他のホシクサ類に比べて適応範囲が広い印象を受ける。 やや自然度の高い水田に生じるものをよく見かけるが、池畔や湧水湿地などで見かけることもある。ここではテンツキ属やアゼナ、ヒナガヤツリなどとともに生育していた。 日本産ホシク…

エゾヒルムシロ Potamogeton gramineus

最も美しい日本の水草は何か?ともし聞かれたならば、エゾヒルムシロはかなり有力候補になるだろう。 エゾヒルムシロは亜寒帯を中心に周極分布するヒルムシロ属で、日本では北海道や東北北部、山間部の湖沼などでみられる。適応範囲は広いようで、水深数セン…

日本のイヌビエ類に他の亜種はいるのか??

こんなものをネット状で見かけた。 タイヌビエC型やヒメタイヌビエのように小穂に艶を持つヒメイヌビエ類似の植物である。 syokubutukensaku.o.oo7.jp よく似た、小穂の護穎が膨出し艶を持つことを特徴とし、小穂の小さいイヌビエ類似種がドイツの文献に載っ…

オオオニバスの改良品種に関して、メモ

オニバスの改良について述べたがオオオニバスに関しても観賞用目的の品種が幾つかある。 オオオニバス属 Victoriaはオニバス属Euryaleと並んで、最大級の一年草である。オニバス、オオオニバス属ともに葉は直径3mほどになるにもかかわらず、通常の条件下では…

作物化されたオニバス

オニバスといえばとげとげしい、そう言っていいほどの植物である。しかしながら、なんと「草体の大部分に棘がない」オニバスが存在する。 この植物に関しては「野菜の日本史」を読んでいたところ偶然に出くわしたのだが、いかんせん写真がなかなかみつからな…

ミツカドシカクイ

以前も紹介したけれど…。。。

メモ:Prosphytochloa prehensilis

一時期はOryza prehensilisとされていた、イネの近縁種。 イネの近縁属(Oryziae)は基本的に多かれ少なかれ水生のものが多いが、本種は陸棲のクライマーであり高さ10mに達するという*1.*2 *1:Cook, C. D. (1999). The number and kinds of embryo-bearing pla…

メモ:南米での水草生産

Notes on Aquarium Plant Production in Peruvian Amazonia | Ethnobotany Research and Applications

イヌビエvsタイヌビエ

イヌビエとタイヌビエはきわめて識別が難しいようだ。 現状、関東の水田には3タイプのノビエ類がいるように思う。 A. イネ擬態性を示さず、葉縁は透明できわめて大型化し、穂は枝垂れて紫色の長い禾をもつ。下流域に多く、上流域にはいない B. イネ擬態性を…

オソレヤマオトコイ

おそらくオソレヤマオトコイです。ミチノクホタルイとカンガレイに混じって2株見られました。カンガレイより長い苞葉、メインの三綾はカンガレイほど辺縁鋭ではなく、若干の4陵目があること、小穂もカンガレイとミチノクホタルイの中間的な大きさ・形状であ…

Monochoria コナギとその周囲をとりまく混沌

コナギとその近縁種は染色体数に極めてバリエーションが多く、さらにそうした個体群の間に形態的な差異もあるために厄介である。 今回はアジアのコナギ近縁種を概観してみようと思う。 アジアのコナギ近縁種はざっくり見てみれば ・小型で背の低いもの・・・…

キョウチクトウ科の水・・・草?

キョウチクトウ科は水草といえるものが少ないが…こんなものがいる。 Gomphocarpus rivularis https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:97679-1 https://www.gbif.org/species/3573360 南アフリカに分布。高さ約1.2mに達する渓流性多年草…

サヤヌカグサが脚光を浴びるとき

サヤヌカグサ Leersia sayanuka あまり見かけない、地味なイネ科植物である。ぱっと見ではこれといった特徴が見当たらない植物であるが、穂をみればとても特徴的でありすぐにわかる。長粒種のイネにそっくりなのである。(ジャポニカっぽいのはエゾノサヤヌ…

続・ムツオレグサ 「葟」は草の皇たるか

時は平安時代。 ぬかるんだ沼地に太ももまで浸しながら、凍える春先の棚田の脇で収穫作業が行われていた。 集めているのはまことに地味な雑草。泥深い冬の深田を好み、水面に葉を浮かべている。 この地味な雑草が、帝のために集められていた。 草の実は触る…

バイカモのこと

おそらく最初に見かけた水草はバイカモだったと思う。 川底に揺らめく鮮やかな緑色はいやがおうにも目に入るし、同所的に生育するコカナダモのどす黒い緑色とは比べるべくもない美しさである。バイカモは世間的にも人気が高く、しばしばバイカモ自体が観光名…

エゾヒルムシロ

エゾヒルムシロは日本の水草の中で最も美しいもののひとつである。 触れば溶けてしまいそうなほど繊細で透明感のある葉、盛んにしかし規則正しく分岐する水中茎。これが水中を森のように埋め尽くし、開花茎が上にヒョロヒョロと伸びていって小さな浮葉をつけ…

エゾノタウコギ

エゾノタウコギBidens maximowicziana 北方系の雑草の類はなかなかに情報が少ない。湿原などの安定した、保護の対象になるような場所を好む種ならともかく。 エゾノタウコギもそうしたひとつで、タウコギとの混同が多い北方系の抽水植物である。 中栄養で腐…

エゾノタウコギ

エゾノタウコギBidens maximowicziana 北方系の雑草の類はなかなかに情報が少ない。湿原などの安定した、保護の対象になるような場所を好む種ならともかく。 エゾノタウコギもそうしたひとつで、タウコギとの混同が多い北方系の抽水植物である。 中栄養で腐…

水田雑草目録(単子葉類編)

おもに本州でみられる日本の水田雑草を概観してみたい。 ここでいう水田雑草の定義は「湛水した水田に侵入すること」 とする。中干し中に発芽してくるものもあるが、その後の湛水により消滅するものは含めない。 出現頻度 ★★★★★(最普通)~★(稀) 稲作への…

ヒロハノクロタマガヤツリ進捗。

以前の沖縄遠征でヒロハノクロタマガヤツリを採種してきていたので、播種して楽しんでいる。栽培の前例があまりない種であるが、草姿が(私基準で)非常にかっこいい種でありぜひとも栽培を確立したい。 現状について。。。 ヒロハノクロタマガヤツリの発芽…

日本産ハリイ属に関する感想とメモ

日本産ハリイ属に関する感想を走り書き。交雑種は含めていない。 ハリイ属 Eleocharis マツバイ級の種 10㎝未満でランナーで増える。 Eleocharis acicularis (L.) Roem. et Schult. var. longiseta Svenson マツバイ Eleocharis acicularis (L.) Roem. et Sc…

エゾノミズタデの育て方

エゾノミズタデは北方系の水草で、平地でもみられるようになるのは東北も北のほうである。私の観察した自生地はそうとうに高温になる環境であるが、ヒシなどが生じる、茶色く濁ったやや富栄養の湖沼でふつうに見られた。最も優占するのはヒシとエゾノミズタ…

ミズアオイの育て方(改)

ミズアオイの育て方に関しては以前も記事にしたけれども、今年はやり方をやや変更して、より状態よく育苗できているのでメモがてら書いてみようと思う。 なお栽培中の個体は関東平野産の除草剤耐性がない個体群であり、他の個体群では条件が少し違うかもしれ…

ハナイが開花したので栽培メモ。

ハナイ Butomus umbellatusが開花したのでこれまでの栽培経過をメモしておきます。 2022年8月 入手。余っていたアマゾニアに植え付け。 2022年11月 栽培していた容器がオオバナイトタヌキモに汚染されたうえにベランダ管理でアブラムシ被害がひどかったため…

日本産ホタルイ類について

ホタルイと名の付く植物はコツブヒメホタルイ以外観察できたので、今回は日本産ホタルイ類をまとめてみる。 ホタルイ Schoenoplectiella hotarui (Ohwi) J.Jung et H.K.Choi 生息地:やや撹乱を受けるものの毎年は受けない中栄養の湿地、谷津田の縁、休耕田…