水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

フトイガヤツリ Cyperus articulatus

フトイガヤツリ

国内では沖縄本島にのみ見られる抽水性カヤツリグサ科。やや塩分の混じった沿海湿地やマングローブ帯よりやや上の感潮域上部のごく薄い汽水によく生育する。

葉は退化し、葉鞘しか残っていない。国内で似た特徴をもつものとしてはシチトウイが挙げられるが、それより顕著である。苞葉も退化している。株本はコウキヤガラ Bulboschoenus maritimusを思わせるように肥厚しており、刈り取り耐性もあるようだった。

自生地の例。春先の沖縄本島ではシュロガヤツリとイガガヤツリ(?)の次によく目につくカヤツリグサ科であり、本当に自生分布なのか疑わしい印象を受けた。分布域からしても不自然であり、外来種として考えたほうがよいと私は思う。いっぽうで全く同じニッチを占めるシチトウは野外ではまったく見つけることができなかった。両種は自然分布域が多くの地域で重複し、片方に駆逐されるとは思い難いのではあるが…。シチトウは奄美ではたくさん見た覚えがあるので、今後他の島に行った際に観察したいと思う。