先ほどの記事で、「本当に北方系の水草は実は寒さに弱いものが多い」と書きました。
意外なことですが、事実です。結構北方系の水草は「越冬に」失敗しがちです。
というのも、北方系の水草は「水で暖をとるために水辺に生えている」というものが結構あります。つまり寒くて陸では越冬できないがために、「水が絶えない水辺」に生えている…水が絶えない水辺というのは湧水や水が流れているなどで、ある程度水温がある場所です。つまり、そこそこ寒い環境でスイレン鉢やバケツの水が凍ってしまうと、あっけなく枯死する危険があります。
さらに、北方系水草の生息域では雪が積もります。雪には断熱性があり、また雪の内部はそこまで熱が下がりにくいので、マイナス10度になりながら年間の降雪がほぼゼロ、というような場所ではより寒い地域で雪が積もる地域よりも実質的に寒いことになります。
そしてほかにも厄介なのが霜柱です。小型の湿生植物の場合は特に、霜柱で株元が浮き上がってしまい、乾燥と低温のダブルパンチで枯死します。今年は屋外放任組のイトキンポウゲがこれで結構やられました。冬場は衣装ケースに入れたほうがよさげです。関東地方では北方系”非耐熱性多年草”のキタミソウが秋と春に発生し、見る限りほとんどの株が冬を越せていないように見えますが、冬には霜柱で浮き上がって死にかけている姿を目にします。霜柱に関しては温帯性のものも問題になるはずですが、やはり北方系の方が弱いのでは?という気がします…。たぶん、ゼロ度以下を前提とするために越冬部位があまり地下深くないからでしょう。
さらに、そもそも生ぬるい暖かさではしっかりと休眠モードに入ってくれない種もいるように思っており、これも寒さへの抵抗性を低くしていそうです。
というわけで、案外北方系種は寒さにも暑さにも弱いよ、という話でした。