南西諸島の水辺や湿った空き地でよく見られるアゼナ科植物。
絶妙に情報が混乱している。
まず和名がわかりづらい。シマウリクサという和名だが、一見したところあまりウリクサには似ていない。ネット上でもウリクサをシマウリクサと紹介する場合も多い。野外で見かけた際の印象は「ゴツいアゼナ」といった感じがする。
Google検索で上から出てくるサイトはこんな感じだった。
http://hanamist.sakura.ne.jp/flower/gouben/gomanoha/simauri.html
↑ 立ち上がるウリクサ。本州では見ないタイプで、何者なのか気になる・・・。
https://koma33.web.fc2.com/simaurikusa.html
↑シマウリクサ
http://utinatusin.com/okinawasyokubutu/simaurikusa.html
↑最初の2枚はシマウリクサ、残りはウリクサ
http://www.yam1.thyme.jp/folder2/3_step/3s/shimaurikusa.html
↑ウリクサ
https://jousyuu2.sakura.ne.jp/shimaurikusa.html
↑ウリクサ?
https://xn--y8jj9dui820qf7ye.okinawa/mizukusa/simaurikusa.html
↑シマウリクサ
http://www.rva.jp/plants/lindernia_anagallis.htm
↑Clinopodium brownei
http://www.aquafield.jp/item/mip04301/
↑Clinopodium brownei
http://www.nettaigyo-zukan.com/010/160/cat1398/co2-68.html
↑Clinopodium brownei
↑Clinopodium brownei
注目したいのは、ウリクサをシマウリクサと紹介するサイトが非常に多く、かつそうしたサイトの多くがウリクサもまた観察したことがあるということである。事実、南西諸島のウリクサもやや違和感がある(やや立ち上がるように見えることも・・・)ような気がしていて、たぶん分ける必要があるのではないかと個人的には感じている。
また、ウォーターカーナミンClinopodium browneiを本種と紹介する例が多い。これも誤認で、出元はよくわからないもののかなり古くからアクアリウム業界に広く浸透している。少しだけ似ているような気がしなくもないが・・・(なお、ウォーターカーナミンの花はむしろウリクサの方にほんのちょっと似ているかも・・・*尚シソ科)
アゼナ科によくあるように学名も表記が様々あって、どの属にすべきか悩むところである。私はVandellia anagallisで覚えていたので、ついついVandelliaと書いてしまうが・・・Toreniaとするのが現状では正しいようだ。
次に、一年草なのか多年草なのか、記述がかなり混乱している。海外のサイトでは一年草とするものが多いが生育状況や栽培してみての状況では多年草で間違いない。ほかの一年生アゼナ科では花をつけながら株が減衰するが、本種にそのような様子はない。花をつけながら一年以上栽培することもまた可能である。
シマウリクサは湿生~抽水性といったところで、水中で見かけたことはない。ウリクサよりも水より、ヒロハスズメノトウガラシよりは陸よりに生えている印象を受けた。
しかし水槽でもある程度は育てることができる。水中では矮小化するもある程度のスピードで成長し、やや赤紫色を帯びる。