フタバムグラ Scleromitron brachypodiumは沖縄の水辺でよく見かける植物で、沖縄の水辺において対性で細く硬い植物を見たら本種かホソバツルノゲイトウか…という印象すらある(実際のところフタバムグラは著しく細いのでわかると思う)。よく、とても似た植物としてケニオイグサが挙げられるが、ケニオイグサが田んぼまわりや排水不良のサトウキビ畑に発生している個体は見たことがない。ケニオイグサはあくまで陸生植物のような気がするが、西表の某滝周囲では水辺に出るというから条件次第なのだろう。少なくとも平地の撹乱湿地にはでないと思う。両者の区別は茎を触ってみれば簡単で、フタバムグラは茎が丸く、ケニオイグサは茎が四角い。ほかの近似種であるヒロハケニオイグサは葉幅がさらに広いとされるが、実物をまだ見たことがない。見てみたいものである。
沖縄の水生・湿生植物では最も水槽順化しやすい。本州のものは一年草で花をつけた株を水槽導入しても水中化しないことがよくあるが、沖縄の本種は少なくとも一部は多年草である。