水草オタクの水草がたり.

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リュウノヒゲモとその類縁

あくまでメモ書き。

さきほどTLを眺めていたら北海道にホソバリュウノヒゲモ Potamogeton filiformisが分布するという情報があった。初耳だったので違いについてとりあえず調べてみた。

リュウノヒゲモは極めて変異が激しく、ヨシの茎を思わせるほどに巨大化したり、糸状になったり、さまざまな姿をとるので全く見た目が信用ならない。Kaplan(2008)では信頼できる特徴は葉鞘の基部と果実の大きさのみとし、他の特徴、概形や葉先の形状、葉舌の長さ、花序の間隔、分岐…といった特徴はあくまで補助的か、もしくはあてにならないとしている。

私自身、何度もS. vaginataを思わせるほど巨大化し主茎が異常に太くなるS. pectinataに惑わされたことか…。ただあれに関しては本当に別種である可能性を捨ててはいないけれども。

 

Stuckeniaには今のところ6種ほどが知られているが、うち3種は中央アジアを中心に分布するようだ。今のところは。

のこり3種は広域分布種であり、日本で記録が出る可能性がある。

これら3種に関しては主茎と葉さえあればきわめてシンプルに分別できると判断した。

1.葉鞘は筒状になり、断面は円形で連続する。果実2.1~2.6㎜

・・・Stuckenia filiformis

2.葉鞘は筒状とならない。果実2.6㎜以上・・・3

3.主茎の葉鞘は葉舌を欠き、膜質の上縁を持つ。果実2.6~3.4㎜・・・S. vaginata

4.主茎の葉鞘は葉舌をもつ。果実3.4~5.8㎜・・・S. pectinata

 

 

Kaplan, Z. (2008). A taxonomic revision of Stuckenia (Potamogetonaceae) in Asia, with notes on the diversity and variation of the genus on a worldwide scale. Folia Geobotanica, 43, 159-234.