2024-01-01から1年間の記事一覧
夏が近づいてきました。 店先で水生植物を見かけることが多くなる季節ですし、採集に行かれる方も結構いらっしゃるのではないかと思います。今回はザックリとですが、水生植物の中でも抽水植物と浮葉植物にフォーカスして、栽培について書いてみようと思いま…
スイレンほど一般的に知られつつも、理解されていない植物はなかなかないだろう。園芸店レベルですら、赤白黄色と、大きいのと小さいの、あと斑入りがある・・・くらいの理解であるように思う。また、スイレンを育てたことがある人はそこそこいると思うが、…
ミズタカモジは水田畔に稀に生じるイネ科植物である。 当方の感想からいわせてもらえば、おそらくもっとも見つけるのが難しい水田雑草の部類ではなかろうか。(ほんとうの最難関はデンジソウ、タタラカンガレイ、スジヌマハリイだと思う) 水田畔に群生する…
放棄休耕田の色が変わるほどヒメハリイ(広義)が生えているとは思いもしなかったので、度肝を抜かされた。ヒメハリイ以外のEleocharisがマツバイしか見当たらないのも不思議な話で、この後どうなっていくのか大変興味深い。 完全に余談だが、日本で一番美し…
なんだこれ?と思ったものの、たぶんオオヌマハリイなのだろうなと思っている個体…。 異様に丸い。 痩果。 こういう個体こそ採集栽培して比較すべきだったなあと後悔。
柱基お化けつながりで…。すごかったデス(一瞬、前後を見失った)
柱基お化け。。。
見た目からまずセイタカハリイだと思ったものの、いちおう現場で撮影…したもの。刺針状花被片には返し状の突起が多数、鱗片は淡色。 後で見返してみると、ピンボケ…
右が謎のGlyceria、左はムツオレグサ ムツオレグサを探していたところ、水田の”ほりあげ”で変なものに遭遇した。 スケール感はムツオレグサやドジョウツナギと同大の中型種だが、穂はムツオレグサよりやや小さい。 最上部の葉しか採集できなかったが葉幅5㎜…
先日、アクアリウムを題材にしたゲームが発売されたという。内容としてはゲームフィールドから水草や流木を採取してきて水槽に配置・配植する…というものらしく、海外での水草熱の高さには驚かされるばかりである。(多分もうその辺の熱量では日本よりずっと…
今回は身近にあるカオス、ノビエについて…おもに「雑穀の自然史」とWu et al., 2022をベースに書いていますが、勘違いなどあるかもです。ひとまずノビエに興味を持ってみる人が増えたらなあと思って書いています。 A. ヒエと食 B. 雑草としてのヒエ C. 野生…
A Manual of Aquarium Plants (Shirley Aquatics Ltd., Monkspath, Shirley, Solihuli, England) に掲載されていた水草リストです。適宜注釈入れています。 気まぐれ更新なので、そのうち気が向き次第第二弾など作るかもしれません。 今よりむしろ多様なの…
コウキヤガラ コウキヤガラは海岸付近の湿地によくみられるが、不思議なことに河川の河口域ではあまり見覚えがない・・・気がする。不思議
だいたい日本のノビエはこんな感じ。あくまでざっくりした模式図です。
やはりこの背の高さ、型崩れしないしっかりとした立ち性、そして大きな小穂が特徴的。
意外に写真がないヒメタイヌビエ。関東では局地的な印象を受ける。 小穂は丸みを帯び、ヒメイヌビエを丸くした程度には小さく、第一護エイは日本産種でも特に短い。イネ擬態でサイズはイネ準拠。ほかのヒエ類より葉が青っぽく、タイヌビエより小さく穂も寸詰…
この株はイヌビエらしいイヌビエだと思った。 イヌビエはしばしばタイヌビエに酷似する。上がタイヌビエで、下がイヌビエである。 小穂の大きさの違いがわかるだろうか。イヌビエには地域差が大きいので、もっと違いがはっきりする株が多い。
右はタイヌビエ、左はケイヌビエ。やはりタイヌビエの方が同じくらいの長さでも、ぷっくりしている。 イヌビエだが立ち性傾向の強いもの。穂は細くてやせた印象を受ける。 タイヌビエではなさそうな、一見ヒメイヌビエを思わせるような小穂も小さい開帳型草…
関東の田園地帯では実によくみかけるヒエ類。 日本のノビエ類ではもっとも野生に近い種だと思っていて、平野部の低湿地に多く、水田よりむしろ自然湿地でよく見かける。 長いノギが特徴的で、強豪かつ横向きに周囲の植物をなぎ倒すように生育する様子も他の…
あくまでメモ書き。 さきほどTLを眺めていたら北海道にホソバリュウノヒゲモ Potamogeton filiformisが分布するという情報があった。初耳だったので違いについてとりあえず調べてみた。 リュウノヒゲモは極めて変異が激しく、ヨシの茎を思わせるほどに巨大化…
セイロンヌパール(国内ファーム便)水中でも開花し実生株が生じる。
R. rosea
沖縄で比較的よくみられるサヤヌカグサ属。ただ、キシュウスズメノヒエやパラグラスの方が水辺での遭遇頻度は高いように思う。
休耕田のケタデ。 河川のケタデ。矮小化している。 托葉鞘の毛は著しく長く、葉には粗い毛が疎らに生え、触るとざらざらしている。生育状態がよく大型の個体で特に顕著である。 葉表面の毛。葉脈上だけでなく全面に生える。 幼株など小さい個体では葉の斑紋…
フトイガヤツリ 国内では沖縄本島にのみ見られる抽水性カヤツリグサ科。やや塩分の混じった沿海湿地やマングローブ帯よりやや上の感潮域上部のごく薄い汽水によく生育する。 葉は退化し、葉鞘しか残っていない。国内で似た特徴をもつものとしてはシチトウイ…
湧水のある河川にも生じるが、おもに富栄養な冬場に湿った場所で、タガラシやムシクサとともに越年草ないしきわめて短命な一年草としてみられる場合が多い。 近所の湧水では10年ほど前まではオオカワヂシャに混じってわりと見かけたが、最近見た覚えがあまり…
沖縄の水辺、やや陸よりでよくみられる、半水生のイネ科。タイワンアシカキと長さはだいたい同じだが、幅はより太い。 ブラジルのパラー州にちなんだ名前がついているが、アフリカ原産らしい。茎の先端付近の葉鞘に剛毛が密生することや、なんとなくなよなよ…
沖縄の、美ら海水族館で有名な海洋博公園に行ってきました。 今回は海洋博公園でみられる水草についてレポートしてみようと思います。思ったよりかなり多種多様で、へたに沖縄を走り回るよりもいろいろな水草を観察できます。しかしその多くは意図的に展示さ…
どこでもイヌビエは重要な雑草らしく、畔に投げ捨てられていた。春先に見かけたイヌビエ類はみなF型の禾の短い、半直立性の個体が目立った。