水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

ミズアオイの育て方(改)

ミズアオイの育て方に関しては以前も記事にしたけれども、今年はやり方をやや変更して、より状態よく育苗できているのでメモがてら書いてみようと思う。

なお栽培中の個体は関東平野産の除草剤耐性がない個体群であり、他の個体群では条件が少し違うかもしれない。今季の開花~結実はまだなので、ここから何か問題が出てくる可能性もゼロではないことはご了承あれ。

 

 

栽培条件

栽培条件は全日照。半日陰でもよくない。雨ざらしが最良。雨が当たらないとアブラムシにやられて、簡単に全滅する。真っ黒になるまでたかられる。

 

害虫

アブラムシは雨ざらしでは発生しにくいが、最大の害虫はオンブバッタ。とにかくたかってくるので見かけ次第捕殺。発芽直後はオタマジャクシに注意。他の害虫はそこまで問題になったことは無い。

 

必要なもの

冷蔵庫(種子の保管用)

トロ船(播種~芽出し用)

黒土(播種~芽出し用)

赤玉タイプの芝の目土(育苗~定植時の覆土用)

有機培養土(育苗~定植用)

プレステラ90、3号鉢など適宜鉢。*穴は小さい方がいい(肥料が溶けだして濁る!)

マグァンプKもしくはGMチリカ 中粒~大粒(元肥用)*Pが濃くて長持ちするもの

IB化成 そだちEXなど(追肥用)*他の肥料でもよいがNPK=1:1:1程度で早く効くもの

スイレン鉢、バケツ、深いトロ船など(成長~開花期の栽培容器)

 

種子の保管

種子は湿った状態か水中で、冷蔵庫で保存する。果実のとりごろは「ポキッと簡単に取れる頃」。果実を回収せずにそのまま放置すると、次の年大量に発芽して共倒れする。さらに、ミズアオイとは「発芽直後に簡単に全滅する草」である。

なのでばら撒かれる数を減らして保存しておき、リスク分散を兼ねる。

冷蔵庫で保管した果実はカビまみれになってしまったが、発芽に問題はなかった。果実ごとでも問題はないのだが、種子を分離してからの方がいいかもしれない(非常に面倒なので嫌だが)

 

播種と発芽

冷蔵庫で保管した種子は常温に戻すと次の日には発芽を始めてしまうため、蒔く当日まで冷蔵庫で保存する。なお、前年に果実を蒔いてしまっても良いが発芽ズレが殆どないため変な時期に全部発芽して全滅するリスクがある。

蒔き床は黒土単用でよい。やや施肥するとなおよいが、入れすぎると全滅することがある。リスク分散して播種する。水深は5㎝にする。目安は3㎝以上8㎝未満。深すぎると溶けるし、浅すぎると干上がってダメになるし成長も鈍る。浅くするのはできるだけ急かして本葉を出させるためである。あるいは、この時点で後述する用土でもいけるかもしれない。ここは未試験なので来期の課題とする。なお、いったん水を抜いて乾かしたあとに水を張って、前年度の用土から生えてくる実生を利用しても良い。

発芽直後にオタマジャクシが湧くと食い尽くされることがある。注意。適宜取り除く。

 

育苗

最初に線形の葉を3~5枚出し、次に浮葉を1~2枚だす。水が浅ければ浮葉を挟まずに抽水葉が出る。抽水葉が出たら移植する。本葉が出たものから、用土から根を傷つけないように引っこ抜いてPotに移植する。

ミズアオイは発芽用の用土のままではジリ貧になって育たないし、発芽時から成長期のつもりで施肥するとすぐ溶ける。よって移植栽培が無難だと思う。

最初の移植Potはプレステラ90や2.5号でよい。園芸用の有機培養土にマグァンプKもしくはGMチリカを混ぜ、上から芝の目土で覆土する。とんでもない量の肥料が要るので覆土しないと大変なことになる。発芽用の用土に追肥する方針で今まではやってきたが、この方がずっと成績がいい。園芸用の有機培養土は元肥が入っていると書いてはあるが、大量に施肥しないとまったく育たない。ごま塩より少し少ないくらいに肥料を混ぜる。この方法で発芽からOKなのかどうかは試せていない。

 

定植・植え替え

鉢がパンパンになってきたら、上記と同様の用土でより大きいPotに植え替える。水深は深くても浅くても良い(葉が上に出ないとさすがに厳しいと思う)。

鉢に土を張って定植する際も同様の用土でいいが、黒土や赤玉でもよい。いずれにせよ大量に施肥する。

栽培容器は直径40㎝のスイレン鉢に1株が目安。小さくても良いがバリバリに育ってしまうと容器が詰まる…。

 

追肥

水中に根がバンバン出てきたら水中に肥料をばらまいても良い(が、アオミドロの素にもなりうる)。根に埋める方が無難な気がするが、面倒なのでIB化成をばらまいてしまっている。また、この頃になると分ケツが盛んになり、すぐ鉢がパンパンになる。ほおっておいたら先日の猛暑で20L溜めてあった水を全部吸い上げて干からびてしまった鉢が出た。なので適宜わき芽をかいた方がいいと思う。かいたわき芽を植えると新しい株として定着するので、1株でも成長させられれば勝ちである。

 

開花~結実

特に変わったことは無い…はず。例年と同じであれば。花は結実良好で恐らく自家受粉する。果実は触ってぽろっと落ちる頃に回収する。落ちてしまった分もできる限り拾い集める。