インターネットの劣化が叫ばれて久しい.何を検索しても引っかかる大量の広告群,消えるブログ.有益な情報からなくなって,無益なリピートだけが残っていく.
所詮私のような一素人が投稿したネット情報というのは便所の落書き程度でしかないから,たとえ間違っていたとしてもなんかしら新しい情報を残していっても良かろう.
そう思いながら,書く.
商業が絡むからネットがダメになっていくのである.
研究用のサイトというのはすごい発展をしていて,学名を入れれば世界中の動植物の標本を検索し,その標本がどんなもので,いつだれがどこで採集したかすら見ることができる.
そのため,知りたい水草の学名さえ知っておけば,莫大な情報を得られるのである.
というわけで,トニナについて調べてみることとした.
そもそもトニナとはなんぞやという問題が大きく立ちはだかるが,これに関してはSyngonanthus anomalusであろうということを押さえている(S. macrocaulonとかはシノニムになっている)し,この種は系統的にも孤立しているのであまり近縁種に惑わされる必要もないようです.
というわけでサーチスタート.
どこにあるのかに関してはGBIFでSyngonanthus anomalusと検索すれば出てくるので参照のこと.
それだけでは芸がないので,形でざっくり分けてみることにした.
濃い緑で示したのが強くカールするタイプ.流通する代表はベレン産.
細い黄緑で示したのがマナウスナローなどのあまりカールせず直立するタイプ.
淡い黄緑で示したのがウアウペスなどのカールし匍匐するタイプ.
アクアリストならだれでも知っているようにこれらの3極には中間型があり,3種が浸透交雑を繰り返したためにアクアリウムで取り扱われるトニナに膨大なバリエーションができていると思います.
素人鑑別なのと中間型の存在から間違いもあるとは思いますが,少なくとも言えることは
・カールが強いタイプはベレン~フレンチギアナの海岸沿いから主に記録されており,あからさまにカールが強い個体群は内陸部からは見当たらない.
・記録されている殆どが細葉のまっすぐ伸びるタイプである
・源流域になると広葉,緩いカールのものが出てくる(ことがある).アクアで出回るものだとウアウペスなど.そのため,このタイプには飛び地的な分布もある.
というところです.
こういうことを考えると,ウアウペスが育てにくいのも納得ですね.
それにしても,マットグロッソ州のトニナには驚かされましたね.