昨日外来種に関するブログを書いていて気になったことがありました.
ルドウィジアに関することです.
日本ではレペンス,パルストリス,両者の雑種が帰化しており,広域分布であるこの二種が帰化することは容易に想像がつきます.これに加えて,私の栽培した限りではレッドルブラも冬を越します.
さらに,種子増殖を主とし水中化しない外来種はアメリカミズキンバイ,タゴボウモドキ,ウスゲキダチキンバイ等が侵入・帰化しており割と広範囲に広がっています.これは農業に関連した侵入と考えられています.
オオバナミズキンバイも帰化して猛威をふるっていますが,これに関してはアクアリウムでの流通を聞いたことがなく,園芸ルートでの侵入ではないかと思います.
では3クローンのオオバナミズキンバイが侵入していることが示唆されています.
・近畿と手賀沼の集団→ウスゲオオバナミズキンバイ(1)
→咲くやこの花館にてミズキンバイとして栽培されていたことが確認されていることからも,園芸由来である可能性が示唆されます.
・鹿児島の集団→ウスゲオオバナミズキンバイ(2)
→侵入経路に関しては記載がありません.
・和歌山(栗屋谷池)と兵庫(逆池)の集団→オオバナミズキンバイ
→水質浄化資材として導入されたとされる集団とのことです.
これを見ていて…思ったことがあります.
「アクアリウムルートでおなじみの水草が帰化していたとして,本当にアクアリウム由来といえるだろうか?」ということです...
というわけで
https://www.jstage.jst.go.jp/article/chiribunrui/66/2/66_0662-15/_pdf
を読み返してみた.
やっぱり違う?気がします.
・水深数~10cm の水中から水面に汚赤褐色の沈水葉を密につけた走出枝がマット状に広がっていた
→レッドルブラの水中葉は以前育てた時も深紅であり、写真にあるような緑系にはなったことがない。ましてや11月である。
そして、知る限りこのような色のグランデュローサは流通していない。
・2018年3月11日に神上沼において再調査したところ,走出枝のほぼすべてが枯死 していた(図1B).
→レッドルブラは以前育てた際北関東でも水中葉が凍結しながら越冬した。琵琶湖の方が北関東より寒いとは考え難いので、琵琶湖の個体群はレッドルブラより耐寒性が低い
・琵琶湖のミソハギダマシが侵略的となってい ないのは,走出枝が越冬できずに栄養繁殖による侵略性を発揮しにくいからかも知れない.
→それでも個体群を維持するということは、種子繁殖能力が高いということ。つまり、アクアリウムで持ち込まれずともその他のルートで侵入が可能な性質であるはず
という感じで、なにかしらアクアリウムのレッドルブラとは別の侵入ルートで侵入した、一年草傾向が強い系統のL. grandulosaなのではないか?という気がしてきました.
実際にミソハギダマシを見つけた方は水槽でレッドルブラと並べて育ててみてください.
あと,めちゃ怖いけどまたレッドルブラの越冬実験やるべきかな・・?