なかなか水草の映っている写真は多くは無いので、総集編的にやっていこうかと思います。この地域のこういう水域ならこれ辺りが出てくるんじゃない?という感じで、ザックリと書いていこうかなと思います…。
まずはこのツイート(ポストとは呼ばないぞ、マスクへのささやかな抵抗)。
本日の湿地。(Sihanoukville Cambodia)
— けんご@アナバス専門店闘魚庵 (@Balitoridae) 2024年11月13日
Betta cf. imbellis
Anabas testudineus
Trichopodus trichopterus
などなど。
水質データ
PH 6.5
GH 1.5
KH 0
NO3 0
NO2 0
水質についてはスプレンデンスグループの生息地としては大分水が柔らかいなと思いました。… pic.twitter.com/oJTja2Uirv
スプレンデンスグループっててっきり軟水にいるんだと思ってました…魚に関しては無知なのです。
水域自体はイネ科とクログワイ節が優占する湿地で、沖縄でも出てきそうな種類の構成に見えます。ただし、背景が気になる…
中型のイネ科植物が優占しています。琉球~東南アジアでこういう出方をするイネ科植物は結構あります。流石にこれで同定するのは無理があるので、アクアリウムでそれっぽい雰囲気を出すにはどうすればいいかな?という観点から書いていこうと思います。
葉長は10㎝前後、水面を匍匐するタイプですね。アクアリウムでこういうサイズ感で流通が多いのはパープルバンブーグラス Isachne cf. globosaで、確かに室内の弱照明でもよく育つし稀有な栽培適性を備えたイネ科植物なのですが…チゴザサの仲間ですし、アクアリウムで使われるチゴザサ類といえばシルバーグラミネアとかハイチゴザサもそうだし、そこらのチゴザサも抽水で栽培できはするし、チゴザサばかりになるのもなんだかなあ…それに、この草はパープルバンブーグラスで再現するにはちょっと野趣がありすぎるんですよね…というわけでほかのイネ科で室内で栽培できて、こういうサイズ感で…というのがないかということについて書こうと思います。
琉球~東南アジアではタイワンアシカキやハイキビ、外来種であるキシュウスズメノヒエやパラグラスが代表的な種でしょうか。
室内でこれらを育てようとしてみると、侵略的外来種でもあるキシュウスズメノヒエは耐陰性が弱く、丈夫ゆえに枯れはしないのですが死にかけでヒョロヒョロになってしまいます。ハイキビは耐陰性が低いのか、室内では簡単に枯れてしまいました。沖縄ではあんなに猛威を振るっているのに…。パラグラスはやったことがないですが、そこまで水が好きではなさそうです。
そんな中で室内でも旺盛に繁殖したのがタイワンアシカキです。アクロLEDビビッドの周囲や上に繁茂したものがランナーを出すまで状態をあげ、水槽を埋めようとする勢いになりました。東南アジアでも広域によくみられる水生イネ科植物なので、東南アジアのビオトープアクアリウムにはいいかも…
た・だ・し。
タイワンアシカキは屋外に出してしまうと成長が爆速になり、滅多に開花しないのですがランナーと茎の伸長で爆増し、目を離せばあっという間。敷地外まで伸びていってしまうときわめて危険です。
本州でよくみられるアシカキもそれなりに耐陰性があり室内でも育つので、それで手を打つのがいいと思います。
つぎ。
これは前回も紹介したイヌクログワイでしょう。沖縄でみられるイヌクログワイ群落と生え方がそっくりです。トクサイの可能性は…あるかもですが、私はまだトクサイは数株しか見たことがなく、まだ大規模なトクサイ群落を見られていないのです。本州にも近縁で殆ど見分けのつかないクログワイが(少なくとも東日本では)普通にみられるので、それが使えそうです。イヌクログワイにこだわる必要性は薄い気がします。ただ室内でこの密度を出すのは大変そうです。そうとうな強光が必要でしょう。
ちなみに園芸流通するスジヌマハリイ(”ヌマイ”)などのヌマハリイ類で代替すると…水草に目の肥えた人から見ると北国の水景にみえてきてしまう。
クシングアは丈夫でいい草ですが、細すぎますね…その3倍くらいはあります。
とても気になっているのがこいつ。何だろう、いいものな予感がする。オオサンカクイ Actinoscirpus grossus辺りだったりしないかなあと期待しています。あぁ、解像度。