水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

2022年ギニア便についての水草がたり② 謎めいた有茎草編

今回最高に面白かったのが有茎草です.

バコパ フロリブンダ(インボイス

対性で細葉の水草が来るということでB. floribundaが来るのでは?ギニアンエウステラリス再入荷?と思いましたが全然違いましたね…苦笑.キツネノマゴ科のなにかだと思います.茎断面は四角形,やや稜があり非常に硬質です.その割に腐りやすい.葉は対性で葉身基部付近に毛があり,中脈が目立ちます.葉基部にも毛がありそうですが,保存状態の関係であまりはっきりは観察できませんでした.茎と同じく,葉も硬質なのに簡単に真っ黒になって腐るようです.葉には強いキツネノマゴ臭があります.青臭いというか,マダガスカルキツネノマゴやジャスティキアをちぎった時のような...ツルムラサキにも匂いが似てますね.こういう細葉のキツネノマゴはギニアには結構いるのですが,Hygrophila senegalensisに酷似しています.もしそうだとすれば水中ポテンシャルはあるはずです.(Hygrophila senegalensisの水中葉はどんなになるかは具体的な記述を見つけられませんでしたが,水中葉自体は存在するようです)今回のギニア便でもオモシロ案件の一つでした.また同じ注文をしても同じ草をとってくる気がしません.

なんとか生かすぞ,うひょひょひょひょい.

 

ギニアンフロスコパ(インボイス

川岸の雑草が来てうれしいですね.黄緑色のやや凹凸がある葉を持ち,表面にはうっすらと短毛が密生します.アクア業界はなぜかツユクサとイネとカヤツリの区別があまりつかないようですが今回のこれはツユクサ科なのは間違いなく,雰囲気的にはFloscopaっぽい感じです.Floscopaの誰なのかはわかりませんが,(たとえば,F. africana??)育てながら検証していただきたいと思います.関東までは着状態が良好だったので,期待できそう.

 

ギニアンクリスパ

Floscopa aquaticaと思われる水生ツユクサです.今回は赤いタイプが届き,関東までは葉の形態をなんとかとどめていたものの関西に来る頃にはもう茎だけになっていたようです...前回入荷のギニアンクリスパがちょうど去年かおととしあたりに断絶したように見えたので,再入荷はうれしい限りです.誰か蘇生に成功すれば広まってくれるポテンシャルがある水草だと思っています.葉縁がなみなみになるのがカッコいい.クリプタンサスを有茎にしたような草ですからね.

 

アデロスティグマ セネガレンシス(インボイス

真っ黒く枯れた謎草が届きました.前回来た植物(Adelostigma senegalensis)とは明らかに別物で,何なんでしょうかこれ.見当がつきません.同じ注文で違うものが来るというのはちょっとどうにもなりませんね…問屋さん泣かせだと思います.

救いのあることに種子が大量に熟しているようで,これに賭けて成功したものだけがその正体を知ることができるでしょう.水草ファンというより,謎植物を愛好するコアな園芸家に刺さるものだと思います.来たれ挑戦者.

 

講評

今回は非常にエキサイティングでした.次回がもしあるのならば,こういう水草なのかどうかすら不明でチャレンジングな草をどんどん入れてもらいたいものです.そもそも園芸では派手派手した草や熱帯雨林林床の草は来ても,こういうのは来ないので雑草好きとしては物足りないんです.

最後に.水槽にいきなり入れる人が多いかとは思いますが,今回の着状態のこともあり(特に関西!)それだけでは水中適性があるか否かは判断しにくいと思います.いったん養生・水上で増殖させてから沈めることをお勧めしたいです.