水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

ランナーを出すホシクサ,Eriocaulon africanum

ギニアンスタープラント・ナローの情報が不足しすぎています.

ミクリのようなホシクサ?で,ランナーを出すくらいしか情報がありません.

さて,よく言われる「ホシクサはランナーを出さないからギニアンナローはホシクサじゃないんじゃないか」

ということに関して,ランナーのようなものを出すホシクサに一つ心当たりがあるので言及しておきます.

Eriocaulon africanumはアフリカ南部を中心に分布する流水性・沈水性のホシクサで,葉は6~35㎝のリボン状,幅2~5㎜です.特異なことに,頭花から子株を吹くだけでなく花茎が下に向かって伸長し,まるでランナーのように地面に突き刺さって発芽成長し,結果としてランナー増殖のような形をとります.(Phillips 1988)

さてE. africanumには現在シノニムとされているE. malaisseiという近似種があり,こちらはよりがっしりとしていてランナー(?)増殖ではなく根茎が伸長して増殖するようです.

ギニアンスタープラントのブロードとナローの関係に非常に似ており,興味が持たれるところです.

そもそも前の項で述べたE. latifolium(西アフリカ~アンゴラに分布,主に沈水性でリボン状)とE. africanum(アンゴラ南アフリカに分布,主に沈水性でリボン状)のどこがどう違うのかについても調べておかねばならなそうです.

なぜそんなことをいうのかというと,ギニアンスタープラント・ブロードが屋外越冬したという証言があるためです.屋外越冬した以上,温帯域にも分布があっておかしくない筈ですが,アフリカ南部からはE. latifoliumのかわりにE. africanumがおもに確認されており,さらにザンビアからは草体の記述がE. latifoliumと何ら変わりないE. malaisseiが記載されており,そのE. malaisseiはE. africanumのシノニムとされている…という現状があるためです.

E. latifoliumの花に関する詳細な記述を見つけ次第比較したいところですが,ここは再検討を待つべきかもしれません.

また,両種がともに確認されているアンゴラにおいてどのように区別されているのか,気になるところです.

 

PHILLIPS, S. M. (1998). Eriocaulaceae of the Flora Zambesiaca area. Kirkia, 11-67.