ギニアンスタープラント・ブロードはおそらく日本に1株くらいしか現存していないのではないか.それはRootsさんのところで今日も巨大化しているらしい...
さて,Rootsさんの配信にて「茎が凄く伸びてきた」という話をされていた.茎が伸長し恐らく流水性,葉長が著しく長くなる,となればもう候補はかなり絞り込まれてきました.
アフリカの大型ホシクサといえばMesanthemumだが,Rootsさんの挙げられた花の写真はあまりMesanthemumらしくありませんでした.たとえば,最有力候補に挙げていたM. radicansでは総苞片が突出しイヌノヒゲ状になります.
幸いギニアのホシクサ類はあまり多くありません.しかも水草として輸入されるということは,わりと普通種を想定すべきでしょう(一か所にしか生えていないようなものをわざわざ持ってくるとは考え難い).そうなると候補はかなり絞り込まれ,20種程度に.ここで絞り込んで...
早速ヒット.
Eriocaulon latifoliumがとても近そうです.
https://www.gbif.org/ja/occurrence/gallery?taxon_key=2690839
さらに,アヌビアスと並んで生えている写真も.
さらに,「多年生でがっしりとした水生植物.若いうちはロゼットを作り,茎はのちに伸長して,根と繊維状の葉の残骸に覆われたしっかりとした根茎をつくる」とあり,配信で聞いた情報にまさに合致します.
ギニアの隣国,リベリアのホシクサ科とトウエンソウ科について述べたMeikle& Baldwin (1952)でもギニアンスタープラントの形質から検索するとE. latifoliumになりました.
E. latifoliumに関する情報はあまり多くはなく,「リボン状で葉幅3~8㎜,葉長5~50㎝,花茎1.3~3㎜,頭花幅8~13㎜,茎は成長とともに伸長する」・・・といった程度の情報しか集められていません.しかし,かつての憶測よりはずっともっともらしい推測だと思っています.
さて...
ギニアンスタープラントブロード,また輸入されるか,もしくはRootsさんのところのタネから増殖されるかしてほしい…です.
(あの(日本最後の?)一株から組織培養されるという展開は…ないだろうな…)
うーん,もしくはどこかの水草ファームが量産してくれないかなあ.
さーってさてさて,次はギニアンスタープラント・ナローですね(おいおい)
Meikle, R. D., & Baldwin Jr, J. T. (1952). Eriocaulaceae and Xyridaceae in Liberia. American Journal of Botany, 44-51.
Phillips, S. M., van der Burgt, X. M., & Kanu, K. M. (2012). Two new species of Eriocaulon (Eriocaulaceae) from Sierra Leone. Kew Bulletin, 67(2), 273-280.