水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

次にくるヒット水草

2022-2023年にかけて様々な新しい水草が導入されたり、再注目されました。しかしながらその殆どはまともに紹介されることもなく、多くのアクアリストは存在すら知らないのではないでしょうか?

その中で、私のイチオシを挙げてみようと思います。

 

パラグアイヘテランテラ (ヘテランテラ パラグアイ産)

やはり第一にあげたいのはコレ。

硬水だろうがCO2添加がなかろうが育つ、新しい前景〜中景草です。元々はAZ便のものが大阪のショップ、Rootsに入荷し、その後一旦途絶えたものの埋土種子から発芽し、水槽に適した株が発生したものが起源のようです。

育ててみると通常のヘテランテラの半分ほどのサイズしかなく、低く這いながら育ちます。カットして茂みを作ることも可能で、密度を上げながら上に伸ばさせればベトナムゴマノハグサに似た使い方もできるでしょう。

硬度やpHの高い水、CO2無添加などにも強く、ニューラージパールグラスやテネルスなどの「簡単な」前景草以上に育てやすい印象すら受けます。逆に南米有茎に寄せたガリガリの軟水はやや苦手とします。マニアックな草ながら使い勝手の良さから普及が進みつつありますが、やはり機会があれば育ての親であるRootsから買ってみたいものです。

レイアウターもマニアも、買って後悔する水草ではないことは保証します。

 

ギニアンクリスパ2022

次に挙げるのはギニアンクリスパです。この種の魅力はなんといっても「めちゃ美しい」。見る角度によって色が変わるピンクメタリックな輝きはブセファランドラやニムファ ペルーマルドナードに通じるものがあります。

ギニアンクリスパは以前にも輸入されていますが、前回のタイプはほぼ現存していません。また今回のタイプは葉幅が前回のタイプよりかなり細く、個性が弱い代わりにレイアウトには使いやすくなっています。

草姿や育ち方はムルダニア ケイサクやパープルバンブーグラスに似ていますがそれらより水中適応が強く、栽培は比較的容易です。

本種は2022年のカミハタギニア便でもたらされたワイルド株です。着状態はあまり良くありませんでしたが、Waterplantsloverなど一部のショップが蘇生させ、状態の良い水中葉が入手できるようになりました。

 

ヒプティス ラキニアータ

シソ科の水草で、十年ぶりほどの新着の南米有茎です。姿は全く似ていないものの、パンタナルヘミグラフィスに近縁です。ヨーロッパでは数年前から栽培されていましたが、2022年にアクアフルールから少数リリースされ、カミハタにより仕入れられたことにより日本に初めてもたらされました。草姿はウィステリアに似ていますが半分ほどで、やや大柄ながらもレイアウトで使えるサイズです。頂芽はふつう赤紫色を帯びますが、条件によっては緑になることも。匍匐性ですが、草体の大きさから中景によいでしょう。場合によっては(個体によっては?)株の基部から地面に密着するように伸びる枝が伸びます。

栽培は比較的容易で、一般的な水草水槽の環境で良く育ち、爆発的に増殖します。肥料食いなのは南米有茎に共通です。但し全く癖がないともいえず、硬水でpHが上がったり、低温で花芽分化させてしまうと縮まって栽培が困難になります。但し、これらの難点も普通の栽培条件では問題にならない程度のものです。

フルールからポットが入荷しますが状態も頻度も不安定です。国内で増殖させているショップから購入するのが無難です。

 

マヤカspイキトス

マヤカの仲間は古くから多くのバリエーションが流通してきましたが、ほとんどのものが入手不可能な状態が続いてきました。2022年にサンタレンレッドリーフマヤカ、パラグアイレッドマヤカ、ベレンラージリーフマヤカ、パンタナルドワーフマヤカが再び流通に乗りました。

イキトスも2022年に流通が再開しましたがこれらに比べると流通が著しく少なく、また赤いわけでもドワーフを謳っているわけでもありません。しかしながら、私はイキトスをピックアップしたいと思います。理由として栽培難易度が比較的低く通常のマヤカに近いこと、また小型でパンタナルドワーフマヤカと同等かそれ以下のサイズであることが挙げられます。パンタナルドワーフマヤカのように他の水草に潜り込むように育つ傾向は少なく、扱いやすいです。トリミングに強くロタラ類よりもかなり小さいことから、昨今の小型水槽へのムーブメントの中で需要は上がっていくと思います。

マヤカ類の栽培にあたっては導入からしばらくの間成長が停止するため、根を張るまでの慣らし期間が肝心となります。この期間に食害で食いつくされることを防ぐため、初めから多めに導入することをお勧めします。イキトスはマヤカ類の中では無印に次いでストップ期間が短く、スイッチが入ると急速に増殖します。弱酸性の軟水を好みますが、他の南米水草ほどシビアな条件を要求はしません。

ほかのマヤカ類全般と同様にヤマトヌマエビが大敵ですが、遮光とサイアミーズフライングフォックスを使いこなせばヤマトヌマエビで対処されがちなコケはほぼ全て対応可能です。

知る限り、現状本タイプはアクアセノーテおよびAquariaのみで入手可能です。

 

ハイグロフィラ セルフィラム

丸葉で匍匐性のハイグロフィラで、新しい前景草として利用できます。黄緑色の丸葉はウォーターリシマキアを思わせるところもあります。栽培感覚はバコパ オーストラリスに似ていますが、より匍匐性が強いです。アジアのハイグロフィラとしては異質な種で、インドのみに分布します。以前にインドファーム便で入荷しましたが、水草熱が冷え込んだ時期の入荷であったことから殆ど注目もされずにごく僅かなコレクターだけが持っている時期が続きました。

しかしインドファーム便の再入荷および、前回入荷した株の再発見および増殖により再び入手・栽培が可能になりました。綴りはserpyllumなのでハイグロフィラ セルピラムと読まれるべき水草です。

2023年3月からインドファーム便によるポットの入荷がありますが、前回入荷株の国内増殖株もいくつかのショップで入手可能です。