今回は美しすぎる沈水イグサをご紹介。
ヨーロッパに主に分布するイグサ属、Juncus bulbosus var. fluitansです。
https://www.aphotoflora.com/mon_juncus_bulbosus_var_fluitans_aquatic_bulbous_rush.html
Juncus bulbosusの変種で、湧水中にたなびき、水中で生育するものです。
Juncusには多かれ少なかれ水中で生育可能なものがあり、J. bulbosusもそうしたものの一つといえます。
日本に生息するものの中でもハリコウガイゼキショウやコウガイゼキショウは水中で生育する姿を時に見かけます。水中での生育能力はJuncusとしては特に珍しいものではなく、海外のJuncusにも水中で生育するものがいくらかありますが、アクアリウムで認知されているのは"ジュンクス・レペンス"だけであるのはなんと悲しいことでしょう。
しかしながら、J. bulbosusはその中でも一つ抜きん出たものがあります。
J. bulbosusの水上型はとくに変わった種というわけでもなく、違和感といっても葉がやたら細く、やたら子株を吹くくらいのものです。
しかしながら、これが水中に入ると一変します。http://www.biopix.com/bulbous-rush-juncus-bulbosus_photo-100769.aspx
葉は細長く伸長し、赤い糸状になった草体は水中でうねる様に育ちながら子株をつけて伸びていきます。止水域でも大規模な藻場を作ることもしばしばです。
ジュンクス・レペンスよりよっぽどアクアリウムで面白そうなのですが、未だに聞いたことがありません。不思議なものです。