水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

新しい水草レイアウトへの模索 3. 水辺のつながり

NAは確かにすごいのだけど,管理が面倒だ.その一つとして,コケとりが挙げられると思う.ガラス水槽というものが延々と使われてきているのであるが,このガラス水槽というのには致命的な問題がある.

前面にコケがついて困るだけでなく,側面や後面ですらコケがつくとカッコ悪いのだ.

「誰も」指摘していないと思うけど….

しかし,ダッチアクアリウムではモスウォールなどといって側面や後面をウィローモスで覆うことでこの問題をだいぶクリアしているように思える.

水族館などに行っても,有力なところでは多くの水槽で透明アクリルを用いているのは前面のみである.後面や側面はレイアウトに同化していることが多い.「自然を四角く切り取ってくる」というのがNAの神髄だと思うが,水族館の水槽は切り取る断面を四角くせず,水中に箱眼鏡を沈めたイメージでレイアウトしている印象を受ける.

 

水草レイアウトにおいてなかなか実現できていないのが,水と陸とのつながりである.前々回,突き抜けアクアを提唱したが,これは大きな水草に対してしか使えない.

しかしアクアリウムで使われる水草の多くが水深数センチから数十センチに生育するのがフィールドを歩いてみての感想である.端的に言えば,水槽は深すぎるのだ.

水深30㎝以上の深いところにも水草が生えているのは溶存CO2濃度や光の問題が確保できるような場所が多い.酸性だったり,逆にアルカリ性(重炭酸イオンが使用できる種に限る),透明度が高い,湧水がある,そんな場所だ.例外がバリスネリア,ポタモゲトン,クロモ,カナダモ類といった所謂金魚藻,ナヤス類などで,しかしながら彼らはそもそもCO2添加をあまり必要としない(重炭酸イオンを使って光合成できる)し,トリミングに弱かったり色味が悪かったりとレイアウトに使われることはあまりない.

CO2添加が必要な理由の神髄がここにあるように感じる.水槽では透明度が確保できるから本来止水域で生育するより深い水深で水草を美しく育てることができるが,その反面CO2が不足する.ここにCO2を添加すると水草がよく育つというわけだ.

では,難しい水草は水深の浅い水槽で育てればいいのではないか?

そういう意見が出ると思う.しかし水深を浅くしようとすると,今度は水質が安定せず水中では失敗しやすい.ボトルアクアリウムがかなり近いことをやっているが(ボトルアクアでCO2の必要な水草が案外育つのは,単に水深が浅いからだと思う),個人的にそもそもボトルアクア自体がかなり難しいと思っている.入門者向きでは決してない.

となると,水深の浅い部分と深い部分を作って,深いところには重炭酸イオンを使えるような水草を,浅いところにCO2が必要な水草を植えれば,CO2添加をオミットできるのではないだろうか?

 

というところで話は戻ってくる.

ダッチアクアリウムではひな壇を用いて水深の浅い部分と深い部分を作っているが,これはあくまでも水草を整然と並べるためである.しかしこれを応用し,できるだけなだらかに水と陸のつながりを演出できるようなレイアウトを作れないだろうか?

このレイアウト案では水槽はあくまで水をためて前面及び片方の側面から覗くための枠組みであって,側面及び後面は用土や水草で閉塞することになる.浅い部分から陸上にかけて植物が茂り,一番深い部分は砂底などでもいいかもしれない.(ソイルが混じらないようにするのが大変そうだけど…)

もちろん,背景には直立する抽水植物がほしいですね.

つまるところ,「横から覗けるビオトープ」という案であります.

ただ問題としては,どうしてもスペースが必要なこと.最低限45㎝フラット.できれば90が必要でしょう….