水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

簡単かつ安価な水草水槽を目指して

水草を趣味とする人間は非常にすくない。

時折、(あくまで水草関連で知り合った人ではなくて)水草も買いますという人に会うが、そうした人のほとんどは「数週間でダメになるので新しく買ってくる」というパターンであり、ちゃんと育てられている人に会うことは稀である。

おなじくアクアリストが育てる熱帯魚と比べて、この”歩留まりの悪さ”は異常といえる。結局のところ大多数のアクアリストにとって水草とは「使い捨ての飾り」であって、育てるというレベルにまったく至っていない。要するに結局のところ、水槽でもとから育たないドラセナやレッドグラスやフィットニアやワインレッドロベリアに対して

本当の水草がもつメリットはまるでなく、寧ろ溶けやすいといったところであろう。丈夫な水草としてよく用いられてきたアヌビアスやブセファランドラも最近のポットは(初心者が手を出しそうな)やたら溶けやすいし、ミクロソリウムはブツブツ病がでやすい。

しかも、水道水で普通に熱帯魚を飼う要領で、吸着系ソイルを用いて水草を栽培すると最初こそ綺麗だが1か月くらい換水を繰り返そうものならみるみる具合が悪くなって、殆どの水草は枯れてしまい、藻類が大発生して目も当てられなくなる。ソイルに触れた部分からどんどん茎が溶けていき、浮き上がってくる。植えなおすとそこからどんどん茶色になって溶ける。

最初に植え付けて、一年維持できる水草といったらエキノドルス、クリプトコリネ、パールグラス、ヘアーグラス、(CO2添加できていれば)マヤカ、もしかしたらヘテランテラ、ルドウィジア・・・運が良ければハイグロフィラ、ロタラくらいだろうし、行けたとしても綺麗に育てるのは難しい。ようするに、相当ノウハウが積まれてきたはずの2020年代においても、通常環境で育てられる水草の種類は1960年代と同等か、それ以下なのである。クラシックに砂を使った方が初動こそ大変だろうが、長期的にみればまだマシだろう。

こうなった要因としては水道水水質のアルカリ化ないし何らかの物質による汚染が感がられる。これらの問題はCO2添加を行っていたとしてもはっきり現れ、もはやCO2添加以上に水草の生死を左右している。pH/KHマイナスをソイル使用開始時から使用することでこれらの問題は解決するが、いったん汚染されてしまったソイルを水草用に使いなおすことは困難をきわめる。

このような現状では水草愛好家のすそ野を広げることなど不可能に近い。ADAスタイルはたしかに水草の栽培に有効ではあるが、あまりにも費用がかさみすぎるし、それでも失敗した場合目も当てられない。1つの水槽を立ち上げるのに10万円ほどもかかるうえに頻回にリセットとソイルの廃棄を必要とし、毎日のように管理を要求するようでは、とてもビギナーにはおすすめできないのである。

 

さて、こうした背景を鑑みるに、水草趣味を広げるためには

・失敗が少なく

・シンプルな方法で

・安価に

・手間をかけず

・簡単に

なんかしらを栽培する方法が普及されるべきだろう。

そしてそれらは、できれば一般的なアクアリウムと乖離しすぎない方が望ましい。

 

現在のところ、水草(鉛巻きで市販されるほとんどの熱帯性水草)栽培に必要な設備は以下のとおりである。

 

ここで、現状抱えている問題をリストアップするとこうなる。

個人的な解決案はこんな感じ。

実際くみあげるとどのくらいになるのか…??

これならまあ問題ないだろう、と言ったセットを組んで、60㎝水槽で4万円台といったところ。難関種といわれるトニナだろうがイレシーヌだろうが、このセットがあれば週1メンテで育てることは簡単だろう。

さらにハイエンドにしたければ、ライトを爬虫類など用のクリップライトスタンド+ライトスタッフVAなど最近の安価なマルチスペクトルライトにするとなおよい。(+3000円くらい)これなら文句なしにほぼなんでも育つ。

 

水槽台は若干のガタツキが気にならなければ(どうせ自重でなんとかなる)GEXのアクアラックスチールにしてマイナス4000円、CO2添加器具は添加量少なくていいのなら発酵式自作でマイナス8000円くらいできる。

試算してみると、なんと3万円を切る。あとは2Lのコカ・コーラの空ボトルと砂糖とイーストがいるが、全部合わせて500円くらいである(というか台所にあるのでは?)。

*エアチューブと延長コードは試算に含めていないので注意!

 

セッティングに関して、ラックを組みながらインテリア物干しをかませる感じで組んでいくと、物干しが60㎝水槽にちょうどよくフィットして水槽上50㎝に固定される。

キャニスターの側面にキリで穴をあけ(あけなくてもいいが…)、フィルターを突っ込んで赤玉で固定、簡易底面フィルターとして機能させる。コーナーフィルターを使うのは単にモーターヘッドを買うより安いのと簡便なため。赤玉土は使い捨ての硬度吸着材及びpHバッファーとして用い、効果が切れてきたら廃棄して入れ替える。

水は基本的に、pH5台にpHマイナスで調整してから水槽に入れる。pH5.0~6.0.ソイルを弱酸性にするために使うのは失敗の最大の原因であり、遅かれ早かれ破滅をもたらす。

これに必要な量は「バケツ一杯あたり○○mL入れるとpHいくつになる」というように決めておき、その量を毎回「バケツに」添加する。(水槽に直接入れない!直接pHマイナスを水槽に入れると局所的にpHがごく低いところができ、当たった魚やエビは死ぬ)

 

このセットで数か月は追肥なしで週1かそれ未満の換水で管理できる。

pH5~6を目安に水質調整して換水しておけば、よほど硬水を好む一部のものを除いて、大抵は育てられるだろう。コケ取りにはサイアミーズフライングフォックスを入れる。トリミングはできるだけピンチカット+上を差し戻し、あまり抜き差ししないほうが底床が長持ちする。差し戻しで根が出にくくなる傾向はミネラルソイルにおいて特に顕著なので注意。あとは追肥が必要な頃になったらカミハタスティックなりプロミックを投げ込む。

このくらいであれば日常生活への影響も小さく、簡便に美しい水草を楽しめるのではなかろうか?