水草図鑑第5弾です。
オオシラタマホシクサ
東南アジアでよく栄えている種で、渓流沿いから湿地まで分布します。東南アジアのホシクサ類の中では珍しく多年草であることも栄えている理由でしょうか。
日本でも南西諸島に分布します。
本種はシラタマホシクサと似た名前がついていますが、全く別の種です。そもそもホシクサ属としても極めて異質で、他のホシクサ属とは最も早期に分岐したものと考えられています。
基本データ
和名 オオシラタマホシクサ
学名 Eriocaulon sexangulare
生活形 湿性〜抽水植物
分布 東アジア
野外での遭遇頻度 きわめて珍しい
ショップでの遭遇頻度 きわめて珍しい
栽培 容易(室内)
容易(屋外)
pH 5〜6.5?高pHにも順応しそう
底床 ソイルなど
適した水深 0cm 沈水しても葉は出すがあまり美しくない
CO2添加 必要
本種は室内でも容易に大型化します。
直径30cmくらいで開花しますが、そこで花を摘むとさらに大きくなります。私はソイルで育てていますが、肥料が切れやすいので花の土の方がいいかもしれません。極めて稀ですが、鉢花として売られたこともあります。
他のホシクサ類と違って花芽は頂点ではなく、下の脇から出ます。ゴイアススターやスイシャホシクサみたいな他の多年草ホシクサでも基本的には頂芽付近から出るのでこれは異質です。花は松ぼっくりのようなカチカチなもので、熟してもばらけません。
本種のようなばらけない頭花のホシクサ類に関しては、水に頭花をばらさずに浮かべておき毎日水換えをするのが発芽に効果的です。発芽したらピンセットで小分けにして管理します。
密閉でも弱光でも育ちますし、毛が生えるvar. australeとかをはじめバリエーションもあるので流行ってもいいと思うんですけどねぇ…。
ちなみに水中はやめた方がいいです.カッセルマンの水草図鑑ではE. sexangulareもアクアリウムに向きそうと書いていますが,少なくともうちでやっている分にはネギのような縦長になってあまり美しくない,水中葉らしき葉は数枚出たところで成長が停滞するなど水には向いていない種のように思います.ただpHが少しくらい外れていても容易に溶けたりはしないので,下手げに水中適応している種よりも「一時的なレイアウトアイテムとしては」扱いやすいかもしれませんが….
ところでカッセルマンが間違っているというわけではないと思います.E. sexangulareらしきホシクサが流水に沈水しているのはよく見る写真ですし,生息域からして水中適性はある系統もいそうです.なにせ広域分布で栄えている種ですからね.
追記。
CO2増やしてみたところ水中いけそうな感じもしてきたので、水中葉もあとで出します。