シノニムになった学名を辿ってみると、面白いです。
海外の似た種の亜種がシノニムになっているパターンは特に。
日本のシズイはSchoenoplectus nipponicusですが、そのシノニムにはScirpus etuberculatus ssp. nipponicusというのがあります。
このScirpus etuberculatusというのが今回のネタです。
本種はその後Schoenoplectus に移され、Schoenoplectus etuberculatusとされています。
S. etuberculatusは外見上、日本のフトイにスケール的にも概形的にもよく似ていますが、大きな違いがあります。
フトイは桿ばかりが発達し、殆ど円柱状の草です(マルスゲと言われることもあるくらい)。しかしS. etuberculatusは葉が発達し、水中にたなびきます。この点で前回紹介したS. subterminalisに似ていますが、それよりはるかに大型で水中葉はテープ状、抽水葉の断面はV字~三角錐状です。(この点でシズイによく似ている)またS. subterminalisに比較すると桿を出しやすく、全体はフトイによく似ています。
↑S. subterminalisと書いてあるが水中葉を展開するS. etuberculatusと思われる