水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

カワゴケソウの一種 Indotristicha ramosissima

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Indotristicha ramosissima

今回の水草の中で最も衝撃的であったものです,佐々木氏のカワゴケソウ,Indotristicha ramosissima.

カワゴケソウというもの自体が最も奇妙な水草です.この水草は常軌を逸している.まあそのことは少し調べてもらえばすぐわかるでしょう.上流域の急流に生育し,栽培はほぼ不可能であるといわれてきました.しかし佐々木氏は2種類のカワゴケソウを年単位で維持しており,その技量には本当に驚かされます.

方法としてはRO水でまるで洗うかのように育てるとのことで,TDSが少しでも上がるとだめとのこと.ちょっと,日向の水たまりみたいなところの水草ばかり育てている人にはかなりキビシイ….

「人類には早すぎた水草

そう思われたのか,でもたとえそれが人類には早すぎたとしても,戦うしかないでしょう.というわけでお裾分けが私のところに.

輸送にも弱く,私のところに到着する頃には色が抜け始めていました.

 

さすがにまずいので,手元にあったミネラルウォーターで洗ったところ少し復活傾向.

うわあ,なんて脆弱な水草なんだ.

ひとまず育てられる可能性が少しでもある2水槽に分配し,3つ目はミネラルウォーターでひたすら換水しながらやってみようと思います.

 

佐々木氏の育て方を私が再現することはちょっと水槽の本数的にも設備的にも無理なので,自生地の条件を考えながらなんとかトライしてみようかと.

水質の変化に極めて過敏なのはまあそうでしょう.TDSの変化に非常に敏感というのもまあ,センシティブな性質から来るのだと思います.しかし熱帯域はスコールが降るもの,しかも上流域はその影響をもろに受けます.

インドネシアに行った際は,突然降ったスコールでさっきまで普通に水生昆虫を採集していた小渓流があっという間に水深1mほどのものすごい濁流になったのがとても印象的でした.そしてカワゴケソウの自生地もそういう環境だと思います.

となると,水質変化すると色が抜ける=水質変化すると枯れる,なのか?

という疑問があります.

また,TDSが低い環境を好むというのは自生地の水質を考えれば(水源が熱帯雨林なのでラテライト+腐植酸で湧水は相当な軟水のハズ)納得なのですが,それがそこまでの水質を要求させるのか?というのも疑問です.野外のカワゴケソウ類の写真を見ると必ずしもそこまでの水質ではないというか,しかもクリアウォーターですらない場合が多い.となると・・・

南米水草水槽でじつは行けるんじゃね?

 

という気もしてきました.

ここでこいつらがいったい何を要求しているのか?という点について考えてみると

「流速と溶存酸素」じゃないかと.

カワゴケソウ類はたいてい飛沫帯から急流の水深の浅い場所に群生するので,他の水草に比べて溶存酸素の減少に敏感なのではないでしょうか?さらに水が常に入れ替わるので植物体からでる様々な老廃物がすぐ悪さをする,と推測.

 

さらに,渓流性の川虫や,同所的に生えるコケ類を以前飼育チャレンジした時に,ネックは水質というよりむしろ溶存酸素とそれに直結する水温だったんですよね.これもヒントになりそうです.

 

となると…

「植物体周囲の溶存酸素が高く常に水が入れ替わり,軟水」

が生育条件じゃないかと.

よし,これでなんか戦える気がしてきた.

 

とりあえず一つ目と2つ目は,外部フィルターの吐出口にくくりつけ,トローリングの要領で水面を舞うようにした.

モス系統と違って,こいつは水深が15㎝もあるとよほどの条件でないと致命傷を食らいかねないと推測.

三つ目はサテライトの吐出口に垂らした.水深はないし,少しは溶存酸素がましになるはずだ.

四つ目は極めてシンプルな構成.水作エイトのろ材部分にカワゴケソウを詰めた.これなら水も動くし爆気され続けるでしょ?エイトをブロックごと取り出してそのままミネラルウォーターで毎日換水する.エイトの外側にはマロンフラスコモを敷き,余計なものを吸い取ってもらう.

 

多分全滅させると思いますが,応援よろしくお願いします.