今回はこれで書こうと思う。
水草にとってCO2とは炭素源たる”餌”であるので、とりあえず水草にはCO2添加する、は無難だし正解ではあるが…
凄くシンプルな疑問。だけど、「とりあえず添加しよう」で終わっていることが多いのが残念なところ。「必須に近いオプション」とはいうが、始めるにあたっていちばんしんどい部分なので、
寧ろ回避する方向で考えてみるのも一つの方策だと思う。特に長期にわたり種を維持するにあたって、しんどくなるのが一番の大敵である。
そのためには、まず「なぜCO2添加するのか?」への理解を深めなければならないと思う。
正解だけ知っていてもなんのメリットもないし、趣味の衰退を招くだけだから、しんどいと思っても一応最初から目を通していただきたい。
なぜなら、水草にCO2を添加したほうがいいが回避できる理由は高校レベルの知識でだいたい理解できてしまうからである。
- 水草にとってCO2とは炭素源たる”餌”であるので、とりあえず水草にはCO2添加する、は無難だし正解ではあるが…
- ”CO2が必要ない”水草
- 植物にとって地球はCO2不足なので、CO2添加すればよく育つのは当たり前
- なぜ水草にCO2を添加すると栽培が圧倒的にしやすくなるのか?
- では具体的に、どうやればCO2添加を回避できるか?
- おわりに
- 「熱帯植物や水上栽培なんて、しんどくてとてもやってられないぜ。」
”CO2が必要ない”水草
「CO2添加がなくていい」といって水草には2タイプある。
第一のタイプ
一つはウィローモスやナヤス、ニテラ、アナカリス、ポタモゲトン、一部のエキノドルス、パールグラスなどといった、CO2があってもなくても成長が速いものだ。透明な葉をもち、ふつう水上葉を欠く。支柱のような根をもつものも多い。これらは細胞壁が薄くガス交換効率を高めたりしているのもあるが、重炭酸イオンを効率的に利用できるのがミソであり、ほぼその一点のみが重要である。
第二のタイプ
もう一つはアヌビアス、ブセファランドラ、ミクロソリウム、クリプトコリネなどで、成長は遅く、多くが着生である。クリプトコリネに関しては第一のタイプとの中間であろう。これらは成長が遅く、代謝も低い陰性水草である。これらは逆説的ながら「育たないからCO2も使う量が少ない」ということである。
これらは基本的に「増水して水没しやすい環境で生き抜く」ことを強みとして進化してきた植物であり、水中のCO2欠乏環境に備えて代謝を低くすることにより、いつスコールが来て増水するかわからない環境を耐え忍んでいるのである。
CO2添加がない場合でも育つことがある水草
しかしながら、これら以外の水草でもCO2添加しないで育てることができるものが多くある。トニナspベレン、アマゾンハイグロ、各種のマヤカ、ロタラ、アンブリア、ヘアーグラス、ルドウィジア、セイロンロタラ、ブリクサ、ミズニラ類、リトレラ、ホシクサ、などなど・・・。
要するに後景草はだいたいいける。しかしあくまで、条件付きである。
しかもその条件は非常に限定的で、かつ場合による。
CO2添加が絶対的に必要な水草
ボリビアンスター、ツルヨシやチゴザサ、ヤナギタデ、ギシギシなどだが、これらも条件によりいける場合があることを否定できない。水田雑草の類も多くがこれに入るような気がするが、アクアリウムに使われないようなものばかりである。ようするに、意外に少ない。
前景草を深い水深で維持するなら必須に近い位置に入るだろう。
さて、これらを踏まえたうえでみてみよう。
植物にとって地球はCO2不足なので、CO2添加すればよく育つのは当たり前
植物は水、光、CO2で光合成する。水槽内ではこの3つが制限要因になる。水はまあ無視しておこう。「陸上植物においてすら」生育を制限しているのは主にCO2であって、光に関してはむしろ余っている。大気中のCO2を上げれば、生育は促進される。(限度はあり、C3とC4でその頭打ちは違うようだが。)有名な話として、恐竜が巨大化した中生代ジュラ紀はCO2濃度が特に高かった時代である。植物が異常に成長できたからこそ、彼らの急激な成長と巨体を支えられたのだろう。
要するに「できれば陸上にすらCO2を添加した方がよく育つ」のである。あれ、おかしいこと言っている。陸上にCO2を添加して育てる植物なんて、ない。ジュラ紀からとってきたわけでもあるまいし。
→Further reading:高校生物「光合成」
教科書にもしなかったとしても、この記述は資料集にあるはずだ。「光補償点」「光呼吸」あたりも読んでみると勉強になる。
なぜ水草にCO2を添加すると栽培が圧倒的にしやすくなるのか?
陸生植物にもCO2を添加すべきだという暴論を話した。しかしそんなことをしている人は聞いたことがない。
ではなぜ水草にはCO2添加が必要かのように扱われているのか。
実は水草って、ジュラ紀からとってきているのですよ。。。←嘘つけ!!
理由はたった3つに集約できる。
1.湧水の影響で自然にCO2添加される環境にしか生育しない種がある
2.CO2は水中であまり移動してくれない
3.CO2は水中で様々な形をとる
重要性は
1<<2<3である。要するに、ほぼ2と3の問題である。
1.湧水の影響で自然にCO2添加される環境にしか生育しない種がある
これは一番シンプルな例である。ジュラ紀でなくともCO2濃度が異常に高いところは作れるのである。2.で述べるように、水には二酸化炭素が空気ほどには溶けない。しかし湧水の場合、雨が濾過されるうちに、土壌中で分解により生じたCO2(時に火山活動などでも)がたくさん溶け込んでいる。要するに多かれ少なかれ、湧水は炭酸水である。
湧水域には水草がすごく多い。それは先ほども言ったように、植物にはCO2が絶対的に不足なので、あるところでは何もかも旺盛に育つ。当然のことだ。しかし問題なのは、こうした環境でしか水中に生育できない種もまたあるということである。こういったものはとうぜん、CO2を添加しないと育たない。しかし重要なことは、アクアリウムプラントに湧水域でしか育てないような水草はほぼない。自生地は湧水の影響が多少あれ、田んぼや池、沼、河川といったところである。
→Further reading:特になし。しいて言うならフィールドワーク?
2.CO2は水中であまり移動してくれない
2つ目の原因は、水槽は深すぎること。
あれ、さっき言ったものと違うじゃないか。でもそこまでいくために当然の話をする。水に二酸化炭素を溶かすより、空気に二酸化炭素を混ぜる方が圧倒的に容易である。水は空気よりもCO2に対する拡散係数が小さいので、(水もCO2も潤沢なら、拡散速度=拡散係数×濃度勾配)いくら水中にCO2が溶けやすいといっても水中でCO2がすぐには移動してくれない。そのため、完全な止水では水草周囲のCO2濃度が低下する。
有名な実験がある。pH指示薬であるBTB溶液でオオカナダモの光合成を観察すると、葉の表面付近だけpHが上がり、色が変わる。なぜこんなことが起きるのかといえば、葉の表面付近の水が入れ替わっておらず、しかも拡散が遅いからだ。
これを防ぐために有効なのは、「ちょっとだけ水を動かす」ことである。ジャバジャバ流す必要はない。自然拡散よりましにするだけだ。
また、拡散速度が遅いために、自然に溶け込むCO2の速度より水草が吸収する速度の方が上回ってしまう。
水を全く動かさなくてもまあ水草は破滅的と言わずともまあまあ育つので、多分こっちの方が問題として深刻である。
浅ければ拡散速度が遅くとも空気中からCO2が比較的供給される。
湿地では、水深数センチしかないような水域によく水草が生育している。要するに、こういった水草にとって水槽は単に深すぎる。
そして、ネイチャーアクアリウムやダッチアクアリウムに用いられるような黄緑色や赤い水草の多くが、自然界ではごく浅い水域もしくは湧水の影響がある水域で主にみられる。そうわかれば回避手段は単純だ。水面付近まで水草を茂らせること。そこまではCO2でアシストする。水面までぎちぎちになったら、多少CO2が切れようが案外平気である。だいたいの有茎草はこれでOK。根があんまりいらない有茎草なら、浮かせておけばOK。
そのかわり、ロゼットはしんどい。
要するに原因は単純明快。あなたの水槽は、水草には深すぎるのだ。
*水深10㎝くらいにした浅型水槽ではだいたいの水草をCO2添加なしで育てられるが、水質管理とフィルターが面倒だ。
→Further reading: フィックの第一法則
3.CO2は水中で様々な形をとる
これが一番水草の運命を分けている。
大気分圧でどうせCO2はある程度溶けるのだが、水中に溶けたCO2は遊離炭酸(CO2)、炭酸水素イオン(重炭酸イオン)(HCO3-)、炭酸イオン(CO32-)の間で緩衝系を作る。高校化学の領域であるが、これらの緩衝系にはこの3者および水素イオンがかかわる。要するにpHが高いか低いかで溶けたCO2の運命は変わるのである。pHが低いほど遊離炭酸が多く、高いほど炭酸水素イオンが多い。遊離炭酸が上回るのはだいたいpH6.3以下が目安。
ここで、ネイチャーアクアリウムやダッチアクアリウムに用いられるような黄緑色や赤い水草の多くが、遊離炭酸しか利用できない。
要するに、そうではないものもいる。それらが第一のグループで紹介したような、重炭酸イオンを使える連中である。
しかしそれ以外の水草に関しては、pHを下げれば遊離炭酸が増え育てやすくなるのは間違いない事実である。
(硬度の話はややこしくなるのでしない。あくまでも「空気中からおよびバクテリアが発するごくわずかなCO2でやりくりすること」を前提としている。)
ネイチャーアクアリウムやダッチアクアリウムに用いられるような黄緑色や赤い水草の多くを占める湿地性の水草は腐植質の湿地に生えるため、南米や東南アジアでなくとも水中のpHは低い。
pHの高い水域でかつ湧水の影響を受けないような場所の水草は大部分が重炭酸イオンを使う第一のグループに入り、そのほとんどは輸送に弱かったりレイアウトで無視されている。(多くのミリオフィラムみたいに完全に重炭酸に割り切れなかったものもあるが)。
要するに「pHは下げる。」
どこまで下げるのかは底質やそもそも可能かどうかで決まる。
一般にソイルはpH4台になると潰れるし、イオン交換能がおかしくなる(これもややこしくなるので割愛)
(経験上)だいたい5~6にしておけば水草に深刻なダメージが起こる心配はあまりない。
それ以上に下げるのはわりかしデンジャラスだろう。だいいち、自生地のpHが5以下というのは流石にあまりない。また、「第一のグループ」で挙げた重炭酸イオンを使える連中はそこまで下がっていない方が調子がいいし、下げる必要もない。彼らは水草戦争になるような低pHの湿地に生える生き物ではないのだから。
→Further reading: 高校化学「平衡定数」
余談1 本当に夜間CO2に意味はないのか?
ここに関しては大いに疑問がある。なぜなら、かなり多くの水草で水生CAM経路が知られているからだ。なぜならこの経路はCO2をリンゴ酸などの形で一旦”貯蔵”するからだ。そのためにCO2競争が激しくなる昼間でも光合成を効率的に行うことができる。チョロチョロCO2添加を(それこそ3秒一滴とか5秒一滴とか)昼も夜も垂れ流しにするズボラな水草水槽も案外ありなのかもしれない。
余談2 根からのCO2吸収も重要!
ミズニラ類やリトレラでは葉から水中のCO2を吸収するより根から吸収するほうが多い。これは土中で発酵により生じたCO2を使うためである。こうした水草の栽培ではできるだけ用土を深くし、嫌気層を作ってかつ有機物を増やしてあげた方がいいだろう。またこのタイプでは重炭酸は吸収できないのでpHは下げた方がいい。まだ知られていないだけでこうした水草はまだまだ沢山あるものと思われる。すべての水草のCO2入手経路が調べられているわけではないから。
では具体的に、どうやればCO2添加を回避できるか?
ここから読み始める人が多いような気はするしそれでもまあいいとは思うが…。
まず、最低1台はCO2添加装置があった方がいい。
水草に元気がない場合のレスキュー用および、ブースト用になるから。但し常につけていなければならず切れたらおしまいだ…という状況を回避するための方法を考えていくことが前提である。
1.重炭酸イオンを使える水草だけで水槽を彩る
これは元も子もないが、かなりアリな方法である。
殆どの水草は遊離炭酸しか使えない。
→そういう草は諦める
CO2は拡散速度が遅く水草による利用に水面からの拡散が追い付かなくなる。
→フィルターで水を回す
根からCO2を吸収するかもしれない。
→そういう草は諦める
ナヤスやアナカリス、グレートモス、アマゾンソード、ラッフルソード、エキノドルス・ウルグアイエンシス、ポゴステモン・クアドリフォリウス、ハイグロフィラ・ポリスペルマ、パールグラス、ヘテランテラ、ポタモゲトンの仲間、メキシカンバーレン…などなど、重炭酸イオンを使える水草は案外沢山ある。
いいヒントは「1980年代以前から丈夫な水草としてアクアリウムに使われてきたようなもので、透明感がある」
「ホムセンの鉛巻きコーナーで勝手に成長していくもの」だろう。
そして、こういった水草はだいたい、ソイルだとむしろ調子を崩す。
パワーサンドの上にネクスコートをばらまき、津軽プレミアムや金砂、珪砂などを分厚く敷いた、初期ADA式水草水槽に近い形でやればCO2添加がなくとも結構遊べるはずだ。(これにCO2添加するとなおよい)
硬度が高い地域では、こうした水草はソイルの緩衝能が落ちてくるころに元気になってくる。(炭酸塩…要するにKHを食っているようなものなので、そりゃそうだ)
「ネイチャーアクアリウムでは冷遇されている」
「レイアウトショップにはないけどcharmやホームセンターにはある」
になっているのがつらい。そりゃあ水草業界衰退するよ・・・。
2.pHを下げ、水面と茎頂の距離を短くし、底床は分厚くする
殆どの水草は遊離炭酸しか使えない。
→だったらpHを下げてやればいい。水替えサボればpH下がる
CO2は拡散速度が遅く水草による利用に水面からの拡散が追い付かなくなる。
→だったら水面に近づけてやればいい。
根からCO2を吸収する。
→だったら根を充実させればいい。
という3点で考えて、pHをガツンと下げる。ソイルなら立ち上げ時からpHマイナスを使用するかRO水を使い、できるだけ水換えはしない。そして水面との距離を減らすため、そもそも水槽を浅くするか、全部後景にする要領で水中が水草でギチギチの状態をキープする。根からCO2を吸収する種でもうまくいくように根は充実させる。さらにいえば、できるだけトリミングしない。
要するに、CO2添加水草水槽を肥料だけやりながらひたすら放置する。CO2が切れる頃にはギチギチになっていて、そこでCO2が切れても(水面まで達している水草は)そうそう枯れない。水草からのアレロパシーが強烈でコケも生えない。しばしばギチギチ水槽が放置しているのはあえてやっているのだ。理にかなっているのだ。ギチギチにするのは怠惰の結果ではなく目的なのだ←おい、ズボラを自慢するな、さらに言えば正当化するな!
真面目な話をすれば、浅型水槽でやるとか、底砂をアホほど盛るとか。底砂には起爆剤かつ肥料源かつCO2源として、ケト土やピートやパワーサンドといった有機質を入れておくことで回避できる。とにかく、pHを下げておけばCO2添加の必須度がだいぶ下がる。あとトリミングを避けるのは同様。トリミング後だけ臨時でCO2添加というのは、ありな手段だろう。
底床に関しては正直ソイルでも砂でもいい。
が、結局のところソイル効果はパワーサンドと園芸肥料でじゅうぶん代用できるようなので、pH下げることにより粒が潰れたり変なものが溶けだしたり、pHをロックして下げられなくなるリスク(上述の議論からして、換水を繰り返した結果しばしば発生する「pHを7.5にロックするソイル」こそ最も危険だ!毒と言っていい)を考えれば砂の方が将来的に有利な気がする。
但し私自身は砂でこのタイプの水槽をやったことは無いので参考までに。
3.水を換えまくる
ボトルアクアリウムで一般的な手法。
殆どの水草は遊離炭酸しか使えない。
→だったら絶対量を増やす。
CO2は拡散速度が遅く水草による利用に水面からの拡散が追い付かなくなる。
→だったら絶対量を増やす。
根からCO2を吸収するかもしれない。
→だったら根を充実させる。
水道水やROにはCO2がかなり溶けているため、この戦法が可能である。2.とは正反対にとにかく換水する。pHは下げた方がいいはずだが、「ちょうどよくpHを下げた水」を準備するのは案外、なかなかに難しい。ROや軟水器でpHを上げるような物質を除去して換水するのが無難だろう。そうでないとパールグラスしか育たなくなる。
(*1.で挙げたような水草は多くがソイル苦手勢。)
4.植えない
ふざけているが実は有効な選択肢。意外なほど多くの水草が「植えないで浮かべておく」だけでCO2添加がなくとも容易に維持できる。
「水耕栽培で育てられる植物は沢山ある。」
ならば日常からよく浮き島を作ってぷかぷか浮きながら育っているような水草が、水耕栽培できないわけがないではないか。
殆どの水草は遊離炭酸しか使えない。
→だったら絶対量を増やす
CO2は拡散速度が遅く水草による利用に水面からの拡散が追い付かなくなる。
→だったら水面に近づけてやればいい。
根からCO2を吸収するかもしれない。
→そういう草は諦める
根の重要度が低いルドウィジアやウォータースプライト、カーナミン、南米ミズハコベ、エレオカリスビビパラ、ラージパールグラス、ラージパールグラス・サンパウロ、ウォーターナスタチウム、パールグラス、インディアンクラッスラなどなど…こいつらは植えているのがばかばかしいほど、浮かべておいた方がよく育つし維持しやすい。
支柱のような太くまっすぐな根を出すものは基本的に、ダメである。ナヤスやブリクサもだめ。ホシクサは微妙で、半年以上維持することはできるがあまり増えてはくれない。
ソイルは水質調整兼、培地の材料として割り切る。
この方法で面白いのは、使い古したソイルで根が伸びずいじけるようになった水草が、抜いて浮かべるだけで成長を始めることである。やはり劣化ソイルは害悪にしかなっていない。
この方法はそもそも植えていないので、水草を抜く系の魚がいても大丈夫。ワイルド感を足していこう。
5.普段からろくに育たない植物がいつもどおり、平常運転で育たない。
狂った選択肢だが、陰性水草とはそういうことである。
殆どの水草は遊離炭酸しか使えない。
→必要量を減らす
CO2は拡散速度が遅く水草による利用に水面からの拡散が追い付かなくなる。
→そういう草は諦める
根からCO2を吸収するかもしれない。
→そういう草は諦める
*余談
特殊パターンかつ最上級テクニックとして、魚でCO2を補給するというものがあるが、私はそれができる人間を一人しか知らない。世界にはすごい人がいるものである。
おわりに
結局のところ、どの方法も「CO2を使わずに綺麗なアクアリウム!」にはあまり結びつきそうにはない。しかし、「本気でやる水槽」とは違った気軽さがあるように思うし、なにしろダッチやADA式の「本気でやる水草水槽」以外の水草のオプションがなくなっている現状としてはかえって新鮮かもしれない。
さて、設備がしんどいといわれがちな水草水槽。
さらにいえば「維持がしんどい」と言われがちな水草の種の維持だが、上記を守れば水上栽培の100倍楽であるし、これをやりはじめると
「熱帯植物や水上栽培なんて、しんどくてとてもやってられないぜ。」
なにしろピシウムなどの病気が出にくいし(放置してるから持ち込みにくいし、バクテリアの生態系がしっかり回ってるので蔓延しにくい)、室温が多少下がっても平気である。(熱帯植物って室温下がるとすぐカビてだめになる)水槽の管理に追われなくとも、好きな水草を”とりあえず”手元においておけるのは良いことである。使いたい時に取り出して養生すればすぐ復活するから。
最後に一言。
「一番楽な観葉植物は、水草である。水やりが要らないから。」