水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

テネルス

次はテネルスです.語ることが地味に多いですね.

(リシアとブセファランドラ飛ばしてますが?えーっと...個人の好みの問題です.)

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通名    テネルス

別名・略称    ピグミーチェーンアマゾン

学名 Helanthium tenellum

海外流通名 Echinodorus tenellus

分類   オモダカ

分布    北米~南米

この水草について

小型の水生オモダカです.エキノドルスにかつては含められていましたが,花の付き方や増殖方法などが違い,遺伝的にも大きく異なることから現在ではHelanthiumになっています.(属名と種名の性を合わせる関係上種小名も変わり,なのでテネルムのほうが今は正しい)グロッソスティグマやミニヘアーグラス,ニューラージパールグラスといった小型前景草に比べると幾分大型になり,また葉が黄緑ではなく色味の違いこそあれ少し紫を帯びることから,最近では中景からアクセント要員として使われる印象です.雑にカットしても復活しやすいので,扱いやすい水草と言えるでしょう.切り詰めるとだいぶ低くできます.

野生下での生態

クリアウォーターの湧水域から道路際の湿地まで幅広く対応します.流水にも止水にも見られます.非常に分布が広く,背は高いものから低いものまでいます.

私なりの育て方

他の水草の陰になると案外もろい気がします.

水槽以外での楽しみ方

自生地からするとスイレン鉢などでも楽しめると思いますが,やっていません.分布域からすると耐寒性がある個体群もありそうです.

混同されがちな種と見分け方

所謂「並テネルス」がどこの産地なのかはよく分かりません.ちなみに,ピンクテネルスはサンフランシスコ川らしいです(たとえば,ピーシーズ2700種図鑑).ファーム便が基本なのでどのくらい信用できるかは怪しいですが.

分布域が広くバリエーションも多いので,流通が非常に混乱しています.

Helanthium属は以下の3種.(キューガーデンのPlant listより)

・Helanthium tenellum 所謂テネルス,アングスティフォリウス,マデイラテネルス等,非常に細く長い葉をもつモノです.長さに関係なく細くて赤みを帯びればテネルムといって現時点ではよさそうです.流通名はしっちゃかめっちゃかに混乱していますが….

・Helanthium zombiense キューバに分布しますが,流通はしていません.

・Helanthium bolivianum チェーンアマゾン,ブロードリーフテネルスなど太い黄緑系の葉をもつものです.長さに関係なく太ければボリビアヌムとしておけばよさそうです.

しかし.北米のH. parvulumはH. tenellumのシノニムとみなされがちながらも遺伝的には独特であることが示唆されていたり,解析方法によっては3種が綺麗にわかれなかったりと,Helanthium属の分類には大きな課題があります.そもそもSagittaria属といった全く関係ない属も混同して売られていたりするように,闇が深いです.(Lehtonen &Falck,2011)

(H. parvulumとして海外で売られているライトグリーンのテネルス系は未入手なので個人的には何とも言えません.カッセルマンの写真見る限りだとそもそも何か別の植物のような気もするのですが...それこそサジタリアとか.今後の課題です.)