ミズマツバ系ロタラの中で最も栽培が容易で,しかも這います.もっと普及していいものだと思いますが…
学名 Rotala mexicana
海外流通名 Rotala mexicana ”Goias”,Rotala sp. "Goias"
分類 ミソハギ科
分布 ブラジル ゴイアス州(R. mexicanaはほぼ全世界に分布)
この水草について
ミズマツバはほぼ全世界に分布しており,しかも基本的に水中適性が高い種です.しかしほとんどの産地の個体群で栽培が難しく,何度も入荷があったのにもかかわらず生き残ったのは僅かです.
その中でも本個体群は強烈な個性を放っており,似たものは見たことも聞いたこともありません.
葉はミズマツバの例にもれず三輪生が基本で,葉も厚めで短くまるでRotala rotundifoliaを小型化したような見た目をしています.しかし花の付き方などを見ると確かにミズマツバです.
ロタラの中では最も匍匐性が強く,植え付け方次第ではニューラージパールグラス並みに這います.
野生下での生態
私なりの育て方
栽培は栄養系~できれば超栄養系ソイルを用いるべきです.貧栄養ではみすぼらしくなります.光がちゃんと当たっていてソイルさえよければCO2やフィルターなどにはわりとおおらかで,とっくに切れてるのに育っていることもあります.
本種は地面にめり込むように非常に低く這うため前景草として非常に適した性質を持っていますが,本種が這いまわっている姿がレイアウトに使いやすいかといわれると微妙です.そもそも私はコレクション的に栽培しているので場所を取られるのが嫌なのです.
ということで本題です.
本種は育て方により非常に低く這わせることも,立ち上げることもできます.茎を挿すとそのまま伸びる枝(しばしば失速気味です)と,地面にめり込むように育つ枝が出てきますが,地面にめり込む方を残せば前景に,上に向かう方を残せば中景に使えます.また,いったんめり込んだ茎を上に向けてみたり,周囲に草があるとそのまま立ち上がります.
うまく使いこなせば小型水槽でのレイアウトで使いやすい水草になるはずです.
水槽以外での楽しみ方
水深数センチで維持するとCO2なしで維持増殖できます.光は弱くても,多少pHが上がってもOK.
混同されがちな種と見分け方
メキシカーナ詐欺とでもいうべき状況が発生しており,海外ファームがさまざまなロタラ(既存か新作かは不明だが,既存のものな気がする…)にメキシカーナを冠して新商品として売り出す現状があります.
水上葉が丸かったり,輪生数が沢山あったりした場合はまず真のR. mexicanaではありません.
R. mexicanaの現在流通する個体群はゴイアスドワーフロタラ,”アラグアイアミズマツバ”,”ロタラ・プシラ・ワイナード”(ロタラ ワイナードではない!),”ロタラ メキシカーナ プレミアムレッド”くらいだと思います.
ゴイアスを他のものと間違えることはまず無いでしょう.アラグアイアは葉表が緑で裏は色づく,プレミアムレッドは真っ赤,ワイナードはグリーンです.