吉野氏の水草図鑑に"スリナムパンダナス"なる水草が載っており気になっていたのです。
そもそもパンダナス、タコノキ科は熱帯に広く分布するものの南北アメリカにだけ生息しないのです。つまり、スリナムの"パンダナス"が本物のタコノキ科であることはありえない。
レヨンベールアクアのホームページでは本種を"シペルス"としていますが、鋸歯があるように見える写真もあり非常に違和感がありました。まさに謎水草なだけでなく、わりと水中で育てられる代物だったらしいことも想像力を掻き立ててきました。
昨日、入荷から遙かのちに開花させて居る方のブログを見つけました。2018年に開花したようです。花は…なんだこりゃ。
結論から言うとカヤツリグサ科でもタコノキ科でもない見た目でした。
ラパテア科か?トゥルニア科か?と最初は思いましたね。どちらもほとんどの種が南米からしか知られていない小さな科です。
結論
トゥルニア スファエロカルパThurnia sphaerocephalaと思われます。本種は南米の熱帯域に広く分布するタコノキ科に一見よく似た植物です。半水生で、しばしば沈水状態で生育することもあります。河畔を好み、自生地写真でも見かけることがある種です。
生育形からしても水中イケるはずですし、抽水性にしてアダンに似た独特な外見を楽しむのも乙かもしれません。
今も流通があるのか、そもそも国内に現存するのかも微妙ですが、種名さえ分かっていればどこかの珍草ハンターによってまた輸入されるかもしれないなと思っています。