非常に名前が混乱しているものです.
流通名はハイグロ,アルテルナンテラ,ルドウィジアと属だけでも二転三転,種名もペルエンシス,ペレンニス,そしてグランドゥローサと,混乱をきわめています.
流通名 ルブラハイグロ
別名・略称 レッドルブラ
学名 Ludwigia glandulosa
海外流通名 Ludwigia perennis, Ludwigia peruensis, Ludwigia glandulosa, Alternanthera sp., Hygrophila sp., Ludwigia peruviana, など
分類 アカバナ科
分布 北米南部
レア度 ★★☆
この水草について
昔から流通する赤い水草です.水中葉は互生で,他の水草にはない暗い赤色に染まります.成長は水中では遅いです.
本種の水中葉は越冬形態であるため,栽培にはできるだけ低温に保った方がうまくいきます.熱帯魚水槽では栽培が難しい水草と言われがちですが,恐らく水温が高すぎるためではないかと思います.また,根張りが強く,差戻しにしてもピンチカットにしても根がなくなったことによるダメージを受けやすい印象でした.
野生下での生態
水路や湿地に生育します.冬季は冬芽として水中葉を展開し,夏に成長します.
私なりの育て方
水槽以外での楽しみ方
種子生産が非常に盛んで耐寒性もあるため,屋外栽培はやめてほしいものです.滋賀県などで帰化しています.(水中葉が赤というより茶色系ということで同種の別系統だと思います.また,報告を読む限りでは流通する系統より耐寒性が低いように思います.)
混同されがちな種と見分け方
本種は10年ほど前に開花させたことがあります.
水上葉はチョウジタデに酷似した互生ですが花弁がなく,Ludwigia sect. Myrtocarpusの一種として良いでしょう.そのうえで果実が細長いことや葉の概形などからL. glandulosa glandulosaとしてよいでしょう.
L. perennisは和名ホソバチョウジタデ/ホソバタゴボウで,花弁を持ちます.
”L. peruensis"はおそらくL. perennisの誤記から始まった名前で,そんなものは記載されていないと思います.
”L. peruviana"は実在しますが,これも大きな花弁をもつ種です.
というわけで本種の学名はL. glandulosaです.
で...
「ルドウィジア グランデュローサ」なる水草が売られていますが,これは対性で,明らかにLudwigia sect. Dantiaの種です.おそらくL. repens,L. palustrisの交雑種ではないでしょうか.最近はあまり見かけませんが,名称に混乱が生じ続けています.グランデュローサではないけど他に呼ぶ言葉もないので,対性グランデュローサとでも呼んでおくことにしましょうか.