水草オタクの水草がたり.

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アマゾニア終売だってよ

アマゾニアが終売らしい。

当方もアマゾニアはわりと使っているほうだったし、トニナの栽培などでは1stチョイスといってよかったので残念な限りである。特に、水質が劣悪な地域において被害が激甚だろう。アマゾニアは他社のソイルと比較してそうした環境でも長く水草栽培を可能にし、特にホシクサ類などは凄い成長を見せることもしばしばだった。さらに吸着系ソイルでよく発生する「ソイルに触れたところから水草の根が溶けていく」ような症状を呈しにくく、ソイル系でありながらポタモゲトンやラガロシフォンを扱うのにも向いた用土といえた。

 

さて、アマゾニアの特徴として、やたら木くずが浮いてくることが挙げられる。原料に木くずが出てくるものを混ぜている、もしくは木くずを多量に含む原料を利用しているのではと思われる。前者とすればバーク堆肥、後者とすれば河川堆積物だろう。

たしかに河川中・下流域ではときに水草がとても旺盛に育つ堆積物があり、大量の鉄と木くずを含んでいる。氾濫原に生える水草にとっては元々、こうした堆積物が増水により頻繁にもたらされる環境が適していたのだと思う。

さてアマゾニアがこうした原料を使っていた可能性はおおいにあるが、さらにバーク堆肥を足していたのではないかと思っている。なぜならパワーサンドにはあからさまにバーク堆肥が入れてあるので、バーク堆肥を何らかの粘性のある用土に混ぜたものを焼いているのではないか。バーク堆肥の煮汁を水槽に突っ込むとアマゾニアを入れたときによく似た水の甘い匂いや濁り、モヤモヤの藻類が多発したり、根が一気に活性化して伸びていくなどの反応がみられるが、肥料単独に関してはやや効果不足な印象も受ける。なので、バーク堆肥に加えて若干の化成肥料を入れているかもしれない。

この推察される製法は蓮用の用土として60年代から伝統的に行われている「赤玉土、もしくは荒木田土を堆肥および肥料と混ぜて数か月寝かせる」方法とほぼ同じである。園芸から多くを学ぼうとしたADAなので、蓮用の自家製用土を焼く発想には容易に至るだろう。もしくは、パワーサンドを土と合わせようとしたかったのかもしれない。但しバーク堆肥を練りこんだ以上、濁りは避けられない問題になったのではないだろうか(ピートではそこまでの効果が出なかった)アマゾニアの長所である有機酸と濁りが栽培成績に直結し、それはおそらくバーク堆肥由来ではないかということは、バーク堆肥の比率を下げたと思しきアマゾニア2やアマゾニアVer.2の栽培成績がいまいちかなり微妙であることからも納得である。

さて、大量の有機酸は水中のCaやFeのキレート効果があるため、とくにEDTAのような人工キレート剤を使わずとも(セラがEDTA鉄を液肥に使って劇的な効果を得たのは有名)、鉄やカルシウムの利用効率を上げたのではないかと思う。

 

さて、アマゾニアに近いソイルはミネラルソイルが挙げられるが、粒が潰れやすく効果が切れるまでがやや短い点で若干劣る。買いだめとともに徐々にシフトするのもありかもしれない。

さて心配なのは、アマゾニアを使用する前提で維持されてきた種が沢山あるということである。また水草大量絶滅が起きるのではないかと懸念している。