ヌマハリイ類を探してGWは粘ったのだけど、よくわからない幼弱個体と残りはコツブヌマハリイとオオヌマハリイだった。(スジヌマハリイやヒメハリイ、クロハリイあたりが見たかったのだけど…)
意気消沈しながらホムセンの熱帯魚売り場をぶらぶらしていると…
なんでスジヌマハリイがこんなところに。
Pot入りで、しかも「ヌマイ」としてオオヌマハリイの学名、Eleocharis mamillataがつけられて売られているではないか。ヌマイなどという植物はないのだけれど、水生園芸の業界では何故か、割と昔からそうやって売られている草がある。以前から変な草だなとは思っていたのだが、さまざまなルートで回るものが全て同じ種かどうかすら明らかでない。
果実を確認してみると、刺棘状花被片を4本もつヒゲスジヌマハリイ Eleocharis equisetiformis var. setosaであった。本種は自家不和合性が強いとされるが結実率は良好であり、したがって圃場には複数クローンが存在すると思われる。地下系で旺盛に増える草なのに奇妙なことである。そもそも流通する「ヌマイ」のすべてがヒゲスジヌマハリイというわけではない気がする。あからさまな生産品に複数クローン混じっているという時点で変なことになっているので、今後とも注視していきたい。
少なからぬ量のヒゲスジヌマハリイが園芸ルートで流通していることがわかったいま、スジヌマハリイおよびヒゲスジヌマハリイが野外で発見された場合は逸出ないし意図的な植栽である可能性をまず除外せねばならないだろうし、極めて希少な在来のスジヌマハリイの生育する付近に植栽された場合遺伝子汚染を起こしうる。
厄介なネタが増えてしまった。
なお、本種の茎上部の稜はハッキリしない。同じロットでまるでコツブヌマハリイのように見えるpotも売られていたが、そちらもスジヌマハリイである可能性が大に感じる。(そちらも購入すべきだったと後悔)
今後注意していきたい。