水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

エリオカウロン セタケウム栽培おぼえがき.

Eriocaulon setaceumを入手してからしばらく経ち,ひとまず実生繁殖,栄養繁殖の両方できているのでここまでの栽培方法などをまとめてみようと思う.

 

栽培環境

Eriocaulon setaceumは2水槽+1プラケースで栽培できている.

水槽1

60㎝.底は富士砂+長繊維ピート+ケト土少量を本間商店無印茶系ソイルで被覆,そこにパワーサンド+本間商店無印茶系ソイルでカップ植えしている.

フィルターはコーナーフィルターF2に長繊維ピートを詰め,900ml角ボトルに赤玉土の特大粒を入れてそこに突き刺している.

pHは5位(pHマイナス使用下),茶系ソイルである程度バッファーされている.

ライトはフラットLEDツイン,照明時間10時間.

他の栽培種はマットグロッソスター,クロホシクサ,コキクモ,シペルスヘルフェリー,ロタラロトンジフォリアなど.

水換えはほとんどしていない.

 

水槽2

30㎝キューブ.底はミネラルソイル単用.

フィルターはリオプラス底面フィルターを使用していたが,ここ2か月ほどは根で詰まって停止している.

pHは5くらい.

他の栽培種はマダガスカルキツネノマゴ,トニナspマデイラ,サンタレンレッドリーフマヤカなど.マダガスカルキツネノマゴが非常に肥料を食うので,花用プロミックで月1~2回ほど施肥している.

水換えはほとんどしていない.

 

プラケース

実生苗の栽培に使用.フィルターはつけていない.水は他の水槽から使用.

ベアタンクにカップに入れた黒土で栽培している.水深は5~8㎝,水換えはほとんどしていない.

 

 

栽培と繁殖

こなれた酸性の水を好むため,水の作り方は容易な印象.南米系ホシクサほどの濾過強度は必要なく,クロホシクサと育て方は特に変わらない印象である.そのため,プラケースでの無濾過無換水栽培も可能である.逆に,こなれていない水では簡単に溶ける.(増殖した株を立ち上げてから間もない水槽に移植したところ,溶けた.)

根への依存はかなり高いように思える.そもそも有茎というより「伸びたロゼット」といった代物である.マットグロッソスターやクロホシクサと同じく,ソイルよりもパワーサンドの方がずっとよく根を張り成長も良好である.

 

栄養繁殖

開花後に体力が残っていると花茎の基部から子株を出すことがある.入手した3株のうち2株が子株を出した.1株は1つのみ,もう1株は3本出た.子株は基部から太く長い根を出し,速やかに伸長成長をはじめ,そこをもぎ取ってやると移植できた.

栄養繁殖により得られた株をカップにパワーサンド+本間商店無印茶系ソイルで覆土して植えたところ根張りは非常に良好であり,先端部が真っ二つに分かれて増殖した.

 

実生増殖

実生株はプラケースにてソイルに植えたところ次々に透明化し枯れたが,黒土に植えた株では問題なかった.黒土+パワーサンドでも溶けたので,発芽直後の富栄養条件には弱いようだ.栽培水槽1では実生株が次々と勝手に発芽・成長している.葉は発芽直後はあまり細くなく,5枚前後出ると細い葉が出てくる.細い葉が10枚を超えた程度でパワーサンド+本間ソイルに移植したところ,良好に生育している.

実生株は当初,細く細かい根を出す.栄養繁殖により得られた株が当初に太い根を出すことからすると,あたかも別種であるかのようである.

 

今後の目標

何と言っても実生苗からの開花を介して種子を量産し,発芽実験を隔年で行いつつ耐久時間を見極めつつ常時使用可能な種子を確保することである.

また,他のE. setaceum類似植物に関しても栽培を通じて比較できればと思う.