アフリカにはまだ見ぬ水草がまだまだある.
今回紹介するのはアフリカ産のやばいハイグロフィラだ.
本種は水草である.
水中葉と水上葉の区別は明白で,水中葉はタヌキモ科のものをほうふつとさせるような,きわめて細かい二重~三重羽状複葉を展開する.裂片は殆ど糸状であり,驚異的な細かさだ.しかも原記載によれば,この葉は透明感の高いものだという(⁉).
この植物は水中で発芽して水面を突き抜け,水上葉を出して花を咲かせる.生態はキクモタイプのリムノフィラに近い(と原記載には書いてある).一方で水上葉は単純な披針形となっている.
水中葉が我々の知るどの草とも違う,それだけでは私の珍水草ランキングの上位に食い込むのには足りない.だってハイグロフィラだもん.水草として比較的,有りうるグループだもん.
それでも本種が”やばい”水草だと主張する.
本種の花はアクアリストが見慣れたハイグロフィラのものとは全く似ておらず,恐らく我々が知るハイグロフィラとは独自に高度な水中適応を遂げたのではないかと思わせるのだ.
アクアリストが知るハイグロフィラの花は基本的に無柄で密集して着く.恐らく市場に流通したハイグロフィラの中で最も珍妙で系統的に離れているのはHygrophila senegalensisだろうが,これに関してもこの特徴は変わらない.
しかしH. mediatrixの花は葉腋から1輪ずつ,疎らに,長い柄の先に咲く.そんなLinderniaみたいな花を咲かせるハイグロフィラがあってたまるか,と思うが,そうでもないらしい.陸生のものの中にはこんなものが数種見当たる.
しかし水生種,しかも水中葉と水上葉が高度に変形している種では極めて稀であろう.
本種はカメルーンおよびチャドに分布する.
ということはもしかすると...
いつかカメルーン便で来る可能性があるか...????