ポタモゲトンの雑種があまりに多すぎてむしゃくしゃしてきたので,こんなの作ってみました.日本に産するポタモゲトンと,それらの交雑による雑種の表です.
学名で表記されているのは海外(主にヨーロッパと中国)のもの,和名は日本からも知られるもの,記載論文のみ載せてあるのは名前が知る限りないものです.
両親の性別が1パターンしかわかっていないものに関しても,両側に名前を記述しています.これは同じ交雑親に由来する雑種は同じ学名が用いられるため,将来的に逆の組み合わせが発見されたとしても同じ名前になるためです.同様に,まだ名前がついていない雑種に関しても文献名を両側に書いています.
まだ空欄が多いですが,将来的にこれがかなり埋まってくるのではないかと思っています.たとえばフトヒルムシロやササバモ,センニンモ,ヒルムシロは空欄が目立ちますが,これらは分布が日本を中心とした東アジアに限られており,広葉系ポタモゲトンの雑種について詳しく調べられてきたヨーロッパには分布していないためです.
細葉系ポタモゲトンに関してはそもそも違いを議論することが難しく変化も連続的であるため,無視されたり,それ以上の追及が難しいために放置されてきたと思われます.細葉系ポタモゲトンの雑種は日本でこそアイノコイトモをはじめとして注目の的となってきましたが,ヨーロッパではそこまででもなさそうです.
細葉系ポタモゲトンに関しては姿が脳裏に浮かぶもののそれが何なのかいまいちよくわからないものが幾つか思い当たります.それらはいったい,どの組み合わせなのかと思うとわくわくしますね.
そもそも,日本に分布するポタモゲトンは本当にこれらだけなのでしょうか?日本海を跨いだ中国やロシア沿海州に分布がある広域分布種であるにもかかわらず,日本には今のところ確認されていないものに関しては探してみる価値があると私は思います.
さて,予想でもしてみましょう.
オヒルムシロはその姿にもかかわらず,広葉系・浮葉系のポタモゲトンと幅広い親和性がありそうです.ヒロハノエビモ,フトヒルムシロとの交雑種はそう遠からず見つかるのではないかと期待します.沈水葉はもっとちゃんと見ないとですね.一方でホソバミズヒキモとも交雑することから,とんでもない雑種がどこかで生じている可能性は十分あると思います.ホソバミズヒキモと同様に広葉系との親和性がある程度ありそうなヤナギモとの雑種がまだ報告されていないのは,分布が被らないためでしょうか…いつか,どこかで見つかりそうな気がします.
ヒロハノエビモとヒルムシロの雑種はそのうち見つかりそうな気がします.これだけ色々なものと交雑するヒロハノエビモですから...
フトヒルムシロは分布が東アジア限定かつ,変な場所に生えているので交雑しにくそうですが,どこかにありそうな気がします.どんなものになるのか楽しみですね.
エビモ×ササバモ,エゾノヒルムシロ×ササバモ,オヒルムシロ×ササバモもあり得そうですが,大きいだけに有ったらもう有名になっていそうですね.
さて,夢を語っても仕方がないのでフィールドに出向くことにしますか.
まだ見ぬポタモゲたちを求めて.