水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

ウォータースプライトと(ネグロ)ウォーターファンのはなし (0)

ウォータースプライトについて一つ気になっていることがある.

この水草,何回も入れ替わりを繰り返しているのではないだろうか?

栽培難易度などからよく言われることである.

 

しかしさらなる疑念を抱いた原因のひとつに,1980年の「日本水生植物図鑑」を挙げてみる.

「熱帯魚の水槽に入れて,観賞用としているものに中南米原産のアメリカミズワラビC. pteridoides Hieronがある.一般にはウォーター・スプライトとよばれ,葉身は浮水性で淡黄緑色,裸葉は長さより幅が広く,葉脈はなく葉柄の中間が膨らむ.葉面または裂片の分岐点から逐次多数の不定芽を生じ,熱帯魚の水槽内では大繁殖を続ける」

この前半は明らかにネグロウォーターファンなどのC. pteridoidesのことを指している.著者が間違えた・思い違えた可能性もあるなあと思っていた.にしてはあまりにも記述がまるで見てきたかのようである.

 

そして.

昭和33年の「原色熱帯魚図鑑」を見てみると,「ウォーター・スプライト」は確かに今あるウォーター・スプライトであった.

それはまあいいのだが,それとは別に「ウォーター・ファン」としてC. pteridoidesが載っているのである.残念ながらこの本には水草の解説は一切ないのであるが,それでもこの水草がこんなにも昔から取引されていたことに驚愕させられる.

 

ということで,かなり昔からCeratopteris pteridoidesが流通していたことは確実視せざるを得なくなった.

 

それではここで疑問が生じる.

現在C. pteridoidesといえば「ネグロ」ウォーターファンである.

では「ネグロ」はいつついたのか?

そして,「ウォーターファン」とはどのように入れ替わったのか?

謎は尽きない.