さて、水草水槽がインテリアとして昇華し、「水草のないアクアリウムなんてあり得ない」状況が発生していることを前回書きました。
さらに言えばこれはネイチャーアクアリウムに限った話でもなくて、喫茶店や駅の構内、病院内など、ありとあらゆるところに水草水槽が出現しています。そしてそうした水槽の多くが、魚は少数で主に水草・水景を見せるようなものであることも特筆すべきことです。
ネイチャーアクアリウムに憧れて、でもADAには手を出せず、アヌビアスやミクロソリウムを沢山入れた「半ネイチャーアクアリウム」のようなものが特によく見かけますね。
このように水草はいま、流行っています。
でもなぜ我々水草オタクはこんなにも不憫なのでしょうか?
なぜ「あの水草も、この水草も無くなってしまった…」と泣き暮らしているのでしょうか?
なぜ、ショップの水槽はスカスカでどこに行っても似たようなファーム便のものしかないのでしょうか?
それは「インテリア」として水草水槽が完成されてしまったからだと思っています。必要な資材の一つに水草がカウントされるようになったということです。
現代の水草水槽は「インテリア」であって、「水草栽培圃場」ではないので、枯れるようなことがあってはならなくなりました。
「栽培チャレンジ」のようなことは論外ということです。失敗し枯れていく水草はインテリアとして論外ですから。
こうして、広いストライクゾーンを持った水草でないと扱われない状況がきたわけです。
でも各水草が単に「ストライクゾーンが広く育てやすい」から生き残ってきたのかと言われれば、そうでもないように思えます。
つづきます。