水草オタクの水草がたり.

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アマゾンハイグロ類の混沌について(2022/3版)

アマゾンハイグロという名前自体がカオスの元凶なのであるが(そもそもハイグロフィラではないし…),この類の流通名は混沌を極めている.

今回扱うアマゾンハイグロ類はこのあたりである.

・アマゾンハイグロ(無印)

・アマゾンハイグロ・ベレン

・アマゾンハイグロ・マナウス

・アマゾンハイグロ・ポルトベーリョ

・アマゾンハイグロ・ポルトベーリョ産(大型化するタイプ)

・アマゾンハイグロ・ポルトベーリョ産(ファームから来る偽物)

パンタナルウェーブハイグロ

パンタナルウェーブハイグロ(ファームから来る偽物)

・ハイグロspアラグアイア

・アラグアイアツーテンプル

・アラグアイアレッドハイグロ(シャープリーフではない!)

・南米ラージリーフハイグロ

・スタウロギネspショート

・アマゾンハイグロ・パンタナル

ビオラセア

ビオラセア(細葉でくる偽物)

ビオラセア(ボーグハイグロが送ってくるやつ)

ビオラセア(なんか怪しい現行流通型)

・アマゾンハイグロ・レッドライン

・アマゾンハイグロ・パープル

・スタウロギネレペンス

 

さて,まずはこれをいくつかのグループに分けていきたい.

 

まず,葉が細くて長くもならないタイプ.

これには

・アマゾンハイグロ(無印)

・アマゾンハイグロ・ベレン

・アマゾンハイグロ・マナウス

・アマゾンハイグロ・ポルトベーリョ産(ファームから来る偽物)

パンタナルウェーブハイグロ(ファームから来る偽物)

がある.

どうもこれには無印/ベレン産/偽ポルトベーリョ/偽パンタナルウェーブと,マナウスの2つに分けられるように感じられる.マナウスだけ水上葉が大型化し細長く,よりぼこぼこしている.残りはみんな同じように見える.過去のAquaticplantscentralの投稿をみるにアマゾンハイグロ類が海外に持ち出された時点でポルトベーリョとして普通のアマゾンハイグロが回っていたらしく,これが混沌の元凶であろう.

つまり,海外からポルトベーリョ仕入れたとして本物が来る可能性はまずほとんどないということである.

さらに,現在海外ファームはこの偽ポルトベーリョと偽パンタナルウェーブを扱っているが,今入荷するものはアマゾンハイグロタイプであるが,オリエンタル社のかつてのカタログには本物のパンタナルウェーブが載っていた.今来るのはどうも普通のアマゾンハイグロタイプのようである(まだ実物を購入して確かめられてはいないが)つまり,管理しきれなくなって混ざって訳が分からなくなったということだろう((笑))

そしてさらに,パンタナルウェーブを同定したと思われるS. stoloniferaの学名がただのアマゾンハイグロに便乗して出回っており,この勘違いが全世界の各ファームに波及してもはや検索妨害になっている.本物のS. stoloniferaは水上の葉長が幅の10倍くらいある細長スタウロギネですよ.

自分の身は自分で守りましょう.

 

さて,さらなる混沌が細葉系である.これらは同一種のStaurogyne stoloniferaとされているが,分割の余地はあるだろう.

・アマゾンハイグロ・ポトベーリョ産(比較的短く小さいタイプ)

・アマゾンハイグロ・ポルトベーリョ産(大型化するタイプ)

・アマゾンハイグロ・ポルトベーリョ産(ファームから来る偽物)

パンタナルウェーブハイグロ

パンタナルウェーブハイグロ(ファームから来る偽物)

・ハイグロspアラグアイア

・アラグアイアツーテンプル

・アラグアイアレッドハイグロ(シャープリーフではない!)

ビオラセア(細葉でくる偽物)

たとえば,本物のポルトベーリョはどちらなのか? 水面まで30㎝以上も伸びあがるポルトベーリョというのはなんとも違和感満載である.そういうのもあるんだけど...栽培条件によるものなのか,それは.ちゃんと購入して水上で比べるべきかな.

ファームから来るポルトベーリョはまず間違いなくただのアマゾンハイグロなので無視.

パンタナルウェーブも厄介な.これまたファームからただのアマゾンハイグロが来るので本物は今あるのか?レベルなのだけど,ビオラセアとして出回っている偽ビオラセアがおそらくパンタナルウェーブの成れ果てであると思う.Rootsの仲里氏がアマゾンハイグロ・パンタナルビオラセアとしたため,「パンタナルのハイグロはビオラセア」という誤認識が生まれてパンタナルウェーブビオラセアに化けたのではないかと思っており,だとすれば非常に納得がいく.しかしまあ,本物を見たことがある人がこれをやらかすとは思えないのだが.但し,細葉のビオラセアと呼ばれるものにはさらに複数タイプあるのでは?と思っており,少なくとも****のものはパンタナルウェーブに見えるけれど他のところのものがパンタナルウェーブなのかは知らない.

→本物のパンタナルウェーブを長らく見ていなかったので(見たのはたしか,まだ私が小学六年生の頃…)なんとも言い難いのだが,****のものはアラグアイアナローハイグロもしくはアラグアイアツーテンプルに見えるという意見を複数人から頂いております…(入手した時はわりとぼこぼこで,パンタナルウェーブっぽいと感じていたのですが)

名前が近いからとかで説明がつく混乱ではないようだ.

 

さて,アラグアイアである.

アラグアイアツーテンプルは大型のS. stoloniferaで,私の考えでは大型化するポルトベーリョはアラグアイアツーテンプルの間違いなのでは?という気もしたりする.しかし細葉系大型スタウロギネがアラグアイアだけかといわれればそんなわけがない.

たとえば「アラグアイアレッドハイグロ」は葉脈が赤く,やや赤っぽいものである.おそらくこれと他のアジア産ハイグロの情報がごっちゃになって今の「ハイグロspアラグアイア」なり「アラグアイアレッドシャープリーフハイグロ」なりが生まれたのではないかと推測している.

さて,ビオラセア問題にもアラグアイアが絡んできそうである.

アラグアイアツーテンプルもしくはアラグアイアナローハイグロにしか見えない葉が平滑で葉長10㎝葉幅8㎜程度の「ビオラセア」が流通しているのも****とは別に確認しており,先のものと同じかどうかはいまいち不明である.

さらに巨大なポルトベーリョもさらに別で確認しており,これもこの辺りの南米ツーテンプルの末裔ではなかろうか.

 

細葉系スタウロギネの混沌はもう行くところまで行ってしまいどれが本当なのかもはやわからない.まず本物が来る保障のないファーム便は基本的に無視していいだろう(アラグアイアに関しては本物が海外まで何とか行き着いたことが確認できているが,赤いアレがトロピカによって大々的にハイグロspアラグアイアとして流通した以上,もう本物が来る余地はないと思われる)

 

さて,次も混沌のビオラセアと南米ラージリーフハイグロ.

アマゾンハイグロ・パンタナルビオラセアの異同に関して,少なくともビオラセアは元々ファーム便のため,産地名がつくというのはおかしい.他にもほとんど同じでもなんかちょっとだけ違うよという証言もある.この辺りも混乱の元凶である.両方扱ったことのあるかたから,現在首都圏で流通の「ビオラセア」は(細葉は論外として)みんなアマゾンハイグロ・パンタナルに置き換わってしまっているという意見もいただいている.ボーグハイグロが海外ファーム便でビオラセアとして来ることもあったが,現在ではそれも絶えている.

南米ラージリーフハイグロは海外で2010頃にスタウロギネspショートとして流通したが,2年ほどで絶えたようだ.日本においてももう絶滅したのではないかと思っている.もう見ることはないだろうが何だったのか非常に気になる.

そして最後は少し安定した感のあるアマゾンハイグロ・パープル,レッドライン,スタウロギネレペンスである.これらの小型広葉種は3つとも特徴がはっきりしており,現在のところあまり混乱は起きていない.しかしながら,矮小化したハイグロフィラポリスペルマの変異個体と思しきものが「スタウロギネspパープル」として流通しており,これと入れ替わってしまう可能性は否定できない.注意しながら維持していかねばならない.

 

さて,この混沌とどのように向き合っていくべきだろうか?

まずはとりあえずアマゾンハイグロ類を見かけたら,持っている種であっても買ってみることである.

そして,買った店とセットで個別に管理し,同じ環境で育ててみる.幸いアマゾンハイグロ類は水上栽培が容易で,カビてもベンレートに耐性があるのでコレクションしやすい.

流通するアマゾンハイグロ類はどんどん減っていき,つまらないものばかりになってきている.

今だからこそしかできない,最後のアマゾンハイグロ遊び.

ラスト・アマゾンを楽しみませんか?