昨日開催の「みんなで販売会」は非常に濃いものだった.そして,非常に考えさせられるものでもあった.
第一弾として,よだっち氏の「ルドウィジア・セネガレンシス」について述べていきたい.
ルドウィジア属は非常に多いが,アクアリウムに使えるほど水中適応したのはたった4グループしかない.
1つはミズユキノシタ,もう1つはインクリナータ・ピンネイト,3つ目は北米産の対性種,それらと交配可能なL. grandulosa,L. sphaerocarpaなどの一群,そして4つ目がセネガレンシスである.
これらは互いにかなり離れており,おそらく独立して水中適応を果たしたものと思う.どれもかなり独特な水草といえる.
ところで,ルドウィジアが水槽内で咲いて結実したことはあるだろうか?
私は見たことがない.水中で開花結実はまずない,”インクリナータ”は花茎を水中から長く伸ばして咲かせるが,これは水面開花である.
しかし,よだっち氏のセネガレンシスには…
花と果実が水中葉の葉脇に無柄でついていたのである!!!
つまりセネガレンシスは水中で開花結実し,生活史を簡潔可能な,きわめて水中生活に適応した種であるということが示唆される.
セネガレンシスは今まで,栽培が非常に難しいといわれがちであった.私はこの原因として,セネガレンシスがまだ水中への適応を十分に果たしていないためではないかと考えていた.でも私はずっと大きな勘違いをしていたのかもしれない.
セネガレンシスの水中葉は十分すぎるほど異型を示しているし,閉鎖花の水中結実は水中生活への並々ならぬ適応期間を思わせる.
我々は単に,セネガレンシスの自生地域の水環境をいまだに再現できていないだけなのではないだろうか?そして,環境を整えればものすごく増えたりするのではないか?そんな気がしてくると,水草がもっと楽しくなる.