水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

水草のゲーム性(2)日本産水草との付き合い方(0)

さて前回は「水草のゲーム性」について述べた.

水草は攻略の対象である.育成に成功すると,満足する.

さて,巷に流通する水草をだいたい攻略しきってしまうようになると,次の攻略対象がほしくなってくる.それが「日本産水草」である.

 

初めに言っておかねばならない.

日本産水草は大抵の南米水草よりずっと栽培が難しい.

日本に生えているから簡単,というわけではないのである.もし簡単なら,大抵のものに面白さを見つけ出しては極めてしまう,江戸人が水草栽培に精を出していたはずだ.ただのノキシノブであってすら変異を固定してトコトン遊ぶのが江戸人だぞ,江戸の水草文化がそこまで発展しなかった(ように見える)というのは,よっぽどだということだ.

 

というわけで,攻略難易度Sが南米水草ならS+が日本産水草である.さらに,種数が多い.とりわけ「水に生えてない植物」でもなぜか沈めても育ってしまうものもあるので,攻略対象は無限大にあるのだ.

 

さて,日本産水草で難易度S+の攻略ゲームを始めるものたちが増えてくると,水草ゲーマーでない人たちもつられて参戦するようになった.

「日本大好きマン」たちである.とにかく学名にジャポニカとついているものがほしいとか,日本産淡水魚の水槽は日本産でそろえたいとか.

 

そんなわけで海外便の水草がどんどんなくなっていく中,日本産水草は逆に勢力を伸ばしていった.その過程でヤフオクが果たした部分も多くて,乱獲騒ぎがあちこちで起こるようになった.前述したようにゲーマーは攻略が目標なので維持はしたりしなかったりであるし,日本大好きマンたちは栽培技術が追い付いていない場合も多く,入手された水草の行方を考えると正直気分が暗くなる.

 

結果,ただでさえ環境がどんどん悪化して壊滅的な日本産水草に「販売目的での採集圧」という打撃まで加わることとなった.しかも,現状で最も危機的で個体数を減らした種にこそ注目が集まり,強い採集圧がかけられていったのである.

 

日本産水草の多くは,所詮湿生植物である.こういう話は以前に「水上栽培は逃げなのか?」で話したと思うが,日本産水草はそうしたものの極みである.

水上が軸で,水中はあくまでおまけ,緊急事態用の非常回路なのである.

 

というわけで「水槽で育てる」ことを主目的に日本産水草を売買するのは正直やめていただきたいと思っている.

特に,野外採集品ならなおさらやめていただきたい.

何回も言っているし何回だって言ってやるが,私は「自然の切り売り」は嫌いだ.

水田雑草・湿生植物系の水草であればバケツやトロ船に土を入れて水を浅く張り,外に植えておけば幾らでも増える.

日本のものなので冬は枯れてもよっぽど失敗しなければ次の年生えてくる.

水中に移行するのは外で増やしてからの楽しみにしてほしい.

きっと水槽でやっているのとは違った,新たな面白さが見えてくるはずだ.