「レイアウトに使ってもらえない水草図鑑」はじめます.
水草図鑑といっても手持ちの写真を引っ張り出してくるのが面倒なので,ブログのタイトル通り「水草がたり」になります...
第一回はアカバナ科です.
アカバナ科で水草としての流通があるのはチョウジタデ属Ludwigiaのみですが,科名になっているアカバナも湿生~抽水植物であることからわかるように,アカバナ属Epilobiumにも抽水植物がいます.しかし沈水するのはLudwigiaの中でも本当に限られた一部の種だけです.
日本ではミズユキノシタ,ミズキンバイ,チョウジタデ,ウスゲチョウジタデ,ケミズキンバイが自生しますが,ヒレタゴボウ,タゴボウモドキ,キダチキンバイ,ウスゲキダチキンバイが農業等により帰化,ミソハギダマシ(Ludwigia glandulosa),セイヨウミズユキノシタ(Ludwigia palustris),アメリカミズユキノシタ(Ludwigia repens),オオバナミズキンバイ(Ludwigia grandiflora)とウスゲオオバナミズキンバイ(L. grandiflora hexapetala)がアクアリウム・園芸により帰化しています.このうち後二者は特定外来生物です.
水中に適応できる種が意外にも少ないことからアクアリウムで扱われる種は非常に限られており,水中葉を展開せず,また世界的の水田で猛威を振るっているヒレタゴボウ,タゴボウモドキ,キダチキンバイ,ウスゲキダチキンバイに関してはアクアリウム由来の帰化種というより農業関連の帰化と思われます.
オオバナミズキンバイはアクアリウムルートで流通していたという話を聞いたことがなく,水中葉も貧弱です.花つきがよく豪華な外見であること,ミズキンバイによく似ていることから園芸ルートからの逸出が怪しいと思います.(ただし80年代に水草業界で「ジャシアエア・レペンス」として流通していた個体群が元である可能性も捨てきれない...ですね...).
しかし,ミソハギダマシ,セイヨウミズユキノシタ,アメリカミズユキノシタに関してはアクアリウムでもよく扱われる種であり,全般的に逸出には厳重に注意すべきグループといえるでしょう.ピンネイト,インクリナータ,セドイデス以外のアクアリウムで扱われるルドウィジアは北関東の冬くらいなら越します.
では各論に移ります.
バリエーション:無印,グリーン,パンタナル産,ミナス産,クリスタル
インボイス学名 Ludwigia inclinata
学名 Ludwigia potamogeton
分布 南米熱帯地域
生育条件 沈水~抽水~湿生
水質 酸性系
耐寒性 なし
解説
南米に広く分布するルドウィジアです.南米は広いですが水中適応が高度なのは本種とピンネイトくらいのものです(ミズキンバイ程度に微妙な水中葉を頑張って出すものはいくつかいますが...).本種は南米の水中写真によく登場する種で,パンタナル湿原のカンカン照りの直射日光の下からジャングルを流れる細流まで,幅広い環境に適応するようです.古くから流通があるのもよくわかります.水面直下に赤い葉をたなびかせる様子は非常に美しいのですが,水草レイアウトではどうしても横からの鑑賞が評価ポイントになってしまうため,本種の本当の美しさを発揮しにくいと思います.さらに,水中に長居させようと切り詰めるとすぐいじけます.近縁なピンネイトより小型のため体力がないのも原因でしょう.このことから使いにくいという扱いを受けがちで不憫な水草だと思います.フラット水槽などで上から眺めることを前提にしたレイアウトでは本領を発揮できるでしょう.この水草を育てるような低pHでは溶存CO2も増えますし,水面直下をたなびいているのであまりCO2添加を必要としないのではないかと思いますが,それに関してはやってみないとわかりません.
学名については以前にまとめたとおりで,Ludwigia inclinataというよりはL. potamogetonです.そもそも両種が学術サイドでもかなり混同されがちなのですが,Ludwigia inclinataの原記載の特徴はこちらではなくピンネイトの方を指しているようです.
バリエーション:パンタナルレッド,アラグアイアグリーン,キューバルドウィジア,キューバルド・トルネードなど
インボイス学名 Ludwigia inclinata verticillata
学名 Ludwigia inclinata inclinata
分布 中米~南米熱帯地域
生育条件 沈水~浮遊~抽水~湿生
水質 酸性系
耐寒性 なし
解説
中南米に広く分布するルドウィジアです.しかし現地画像をあまり見かけない種でもあります.水上葉に2タイプ,水中葉も1.5タイプくらいある珍奇な水草で,ルドウィジア唯一の輪生種です.水中葉が赤く派手なことで知られますが,とてつもなく肥料食いな上,根が重要なのに根付きにくかったりと栽培は難しいです.通説では水面に届く前にトリミングするといわれていますが,むしろインクリナータと同じように水面を這わせてしまっておくと株本からわき芽が出てくるので,その直上で切ってわき芽を伸ばすようにした方が楽です.(根はりが強く,差戻ししようとすると大変)水中はこのように面倒ですが,水上葉もなかなか良いものです.輪生の水上葉は他にない雰囲気ですし,茎がスポンジ状になり水に浮かぶ互生の水上葉もなかなかワイルドで良いです.ちなみにルドウィジアの水上葉は基本的に全部常湿で楽しめます.アブラムシに弱いので,アブラムシがついたら水没させて駆除します.
学名に関しては以前まとめたとおりで,正真正銘のLudwigia inclinataです.輪生するルドウィジアを見つけたら名前を付けたくなってしまった人が何人もいるようで,L. verticillataというのが2回+αくらい記載されているのをはじめとしてシノニムが多いです.
流通名 ウォーターダイヤ,ルドウィジアセドイデス,コビトヒメビシ
バリエーション:ー
インボイス学名 Ludwigia sedoides
学名 Ludwigia sedoides
分布 南米熱帯域
生育条件 浮葉
水質 酸性~中性(?)
耐寒性 なし
解説
ルドウィジア・セドイデスです.夏になるといっぱい流通しますが冬になると見ないですね.ピンネイトも大概ですが,それ以上に寒さが滅茶苦茶苦手なようです.
一度見たら忘れられない姿をしています.浮葉性水草としてもかなり上位に入る見た目ではないでしょうか.原産はパンタナル湿原が有名です.パンタナルはイメージと裏腹に中性の水域も多いので,あまり酸性にこだわらないのではないかという気がしますが当方では全部の水槽のpHを下げてしまうのでいまいち実感できませんでした.
さて,(Liu, S. H., Hoch, P. C., Diazgranados, M., Raven, P. H., & Barber, J. C. (2017). Multi‐locus phylogeny of Ludwigia (Onagraceae): insights on infra‐generic relationships and the current classification of the genus. Taxon, 66(5), 1112-1127.)によればルドウィジアは北半球の温帯に生息する雄蕊と花弁の数が一致するグループ(North Temperate Haplostemonous group, NTHグループとも)とそれ以外に分けられますが,水生傾向の強いルドウィジアはほとんどNTHグループに含まれ,それ以外のルドウィジアでアクアリウムに使われるのはL. inclinata, L. potamogeton, L.sedoidesのみです.つまり,南米からレイアウトに使える新たなルドウィジアが来る可能性はかなり低いです.
バリエーション:なし? 白玉浮草として売られるものが同種なのか,未チェック
インボイス学名 Ludwigia helminthorrhiza
学名 Ludwigia helminthorrhiza
分布 南米熱帯域
生育条件 湿生~浮葉,一応水中葉らしきものも出すが,姑息.
水質 酸性~中性?
耐寒性 なし
解説
パンタナル等に生えるルドウィジア第四弾です.これまた外に出しておいたら普通水草を家に取り込もうと思う季節の前に失速してダメだったので,相当寒さに弱いようです.(南米の水草がみんなエキノドルスやラージパールグラスみたいに寒さに強いわけじゃないです)浮草としても生育できますが根を張っていた方が元気な植物です.
アジアに生息するケミズキンバイとよく似ており,どちらも白花でフロートを持ち,浮草として生育することがあります.葉の形状や(ケミズキンバイの方が長くて先端が丸く,形が整っている),ケミズキンバイでは葉脈がとてもはっきりしていることなどで区別がつきますが,正直かなり難しいです.実際系統としても両者は姉妹関係にあります.ちなみにフロートはミズキンバイに近縁でアフリカに分布するL. stoloniferaにもあるので,その間に挟まれる形になるオオバナミズキンバイにもあっておかしくないのですが...ないですね.知る限りフロート付きは南米のL. helminthorrhiza, アジアのL. adscendens, アフリカのL. stoloniferaで,三者合わせて世界の熱帯に分布しています.さらにこの三者及びL. peploidesのゲノムには著しい類似性があり,かつては熱帯全域にこれらの種が混生し,交雑しあった過去があるのかもしれません.
流通名 ケミズキンバイ
バリエーション:
インボイス学名 Ludwigia adscendens
学名 Ludwigia adscendens
分布 熱帯~亜熱帯アジア
生育条件 湿生~浮葉~浮水 水中葉は確認していない
水質 未栽培
耐寒性 未栽培
アジア版フローティングルドウィジアです.というよりヘルミントリザが南米版ケミズキンバイなんですけどね.アジア採集紀行の動画では在来種では最もよく見かける水草のように思いますし,インドネシアに行った際も本種はよく見かけました.葉脈が非常に美しく白く抜けており,網目模様のように見えます.水上での観賞価値が最も高いルドウィジアだと思いますが,売っていません.数年前はありましたが,どこか維持していませんでしょうか.
流通名 ミズキンバイ
バリエーション:ジャシアエア・レペンス(かつて水草として流通した流通名),斑入り品
インボイス学名 Ludwigia stipulacea, Jussiaea repens
学名 Ludwigia peploides
分布 アジア,オーストラリア,南北アメリカ
生育条件 湿生~浮葉,水中葉も作るが姑息
水質 特に選ばない
耐寒性 あり
解説
ミズキンバイです.水に沈め続けると,オバリスをしょぼくしたような水中葉を出します.頑張って差し戻しを続ければ水中で維持できないこともないので,いちおうアクアリウムに使えるともいえるかもしれません.非常に広範囲に分布しており,南米からも記録があります.耐寒性もあるので,屋外栽培に向いた水草です.現在では極めて稀になっているため野外で採集することはないと思いますが,水上で直立した茎以外ではオオバナミズキンバイと区別がほとんどつきません.怪しかったらオオバナと思っておく方が吉です.フロートはありませんが呼吸根を持ちます.
バリエーション:
インボイス学名 Ludwigia grandiflora
学名 Ludwigia grandiflora
分布 南北アメリカ
生育条件 湿生~浮葉,水中葉も作るが姑息
水質 栽培禁止
耐寒性 あり
特定外来生物です.ミズキンバイによく似ていますが水上では直立傾向が強く,葉が細くなります.茎に毛が密生するのも特徴です.(ウスゲオオバナミズキンバイと呼ばれる個体群でもやはり濃いようです.)しかし浮葉・水中葉ではミズキンバイと区別がつかないので,琵琶湖で水草拾いする時などには気をつけましょう.フロートはありませんが呼吸根をもちます.
バリエーション:
インボイス学名 Ludwigia decurrens
学名 Ludwigia decurrens
分布 南北アメリカ
生育条件 湿生~抽水
水質 水がないほうがよい
耐寒性 一年草
巨大な水田雑草で,しばしばイネを下敷きにして開花しています.しかし生育適地はかなり限られるような気もしていて,富栄養化した低地でないとあまり見かけません.名前の通り茎にヒレがあり,とくに開花結実期に顕著です.果実,花ともにかなり大型で遠くからでも目立ちます.巨大で柔らかい草であるため輸送に弱く,いざ育てようと持ち帰るのには苦労します.(私のようにわざわざ持ち帰ろうとする人がほかにいるのか疑問ですが..)呼吸根をもち,あまり水を好む種ではありませんが,チョウジタデよりは水気の多い環境を好むような気がしており,常に浅く水が張るような場所でも見られます.花は大きいですがすぐ散るので,観賞価値も低いです.外来種ですので,一通り楽しんだら種子は結実する前に処分するべきでしょう.
流通名 ウスゲキダチキンバイ
バリエーション:キダチキンバイ(L. octovalvis sessiliflora)
インボイス学名 Ludwigia octovalvis
学名 Ludwigia octovalvis
分布 全世界の熱帯から亜熱帯
生育条件 湿生
水質 水がないのが一番良い
耐寒性 未確認
ヤナギの幼木のような姿をした多年草~灌木性ルドウィジアです.べつに茎が木質化するのはこの属に珍しいことでもないのですが.本種を灌木とするのは聞いたことがないですが,実際見た感想は灌木だと思います.草体はヒレタゴボウに似ていますが茎は細くて硬く,葉も硬い印象でした.本種は野外観察のみで採集・栽培していませんが,やっておくべきだった気もしますしやらなくてよかった気もします.南西諸島,小笠原で見られますが,本州では稀です.形態からしても恐らく耐寒性は低いと思います.呼吸根は未確認です.
雄蕊と花弁が同数のグループ
バリエーション:ウスゲチョウジタデ(私は別種だと思うが…)
インボイス学名 Ludwigia epilobioides,Ludwigia greatrexii(ウスゲチョウジタデ)
学名 Ludwigia epilobioides
分布 東アジア
生育条件 湿生~抽水
水質 水がないのが一番良い
耐寒性 一年草
解説
日本で最もよくみられるルドウィジアです.田んぼに行けばよくみられますが,水中栽培には向いていません(しばしば沈んだまま育っていますが,ちょっと水草というには無理があるでしょう.).低地ではウスゲチョウジタデがみられます.ウスゲチョウジタデのほうが茎も草姿も鮮やかな黄緑で花が大きく,五弁であるのがわかりやすい特徴です.ミソハギダマシ…というかルドウィジア・グランディフローラとの鑑別は花弁の有無が手っ取り早いです.日本ではまだ見たことがありませんがタゴボウモドキは果実に苞をもち,4弁にたいし雄蕊が8です.(インドネシアではそれらしきものを見ましたが,咲いてませんでした.)花の雰囲気もだいぶ違い,よく似ていても違うグループでしょう.チョウジタデがNTHグループなのかはまだ調べられていません.
バリエーション:ギニアンルド等別名あり.
インボイス学名 Ludwigia senegalensis
学名 未チェック・情報不足
分布 ギニア(便)
生育条件 湿生~水中
水質 酸性
耐寒性 ?
解説
そのうち手を出そうと思っているのですがスペース不足でできていません.ADAの組織培養も出ましたし,すぐ消えることはないでしょう.ただアフリカから有茎草が来るのがかなり奇跡的なので,また別のバリエーションが来たりするかは微妙です.来てほしいですけど.
西アフリカのルドウィジア10種に関しては(Hutchinson, J. & Dalziel, J.M. 1958. Flora of West Tropical Africa. Vol. 1(2). )に検索表があるようですが,アクセスできていません.表皮細胞を使った検索表はありますが.まあ少なくともL. abyssinicaでもL. brenaniiでもL. decurrensでもL. erectaでもL. hyssopifoliaでもL. octovalvisでもL. stoloniferaでもないし,標本写真が得られるL. africana,L. stenorrapheは花の付き方や葉の形態が異なり,となると残るのはL. senegalensisしかないので多分あってるでしょう.(Onagraceae, P. H. Raven. Flora Zambesiaca 4. 1978)にある記述もばっちり合致します.ちなみに残りのルドウィジアも水中化するような奴はいなさそうな感じがするので,他にレイアウトに使えるルドウィジアが西アフリカから来ることはないと思います.水中葉はどことなくインクリナータを思わせる雰囲気ですが,花は小さいようです.
水中葉はどことなくインクリナータを思わせる雰囲気ですが,花は小さく雄蕊と花弁の数も同じようです.NTHグループなのかはまだ調べられていません.
生育に関しては巷で言われていることくらいしか書けないので割愛します.
バリエーション:各産地のミズユキノシタ
インボイス学名 Ludwigia ovalis
学名 Ludwigia ovalis
分布 温帯アジア
生育条件 湿生~沈水
水質 酸性~弱酸性
耐寒性 強い
解説
日本でも見られるルドウィジアです.よく互生であるのが特徴とアクア業界では書かれていますが,ルドウィジアはごく一部の例外(Dantia節の5種とL. inclinata)を除いて基本的に互生です.栽培はちょっと癖があり,よくいじけます.魚メインの水槽だと硝酸塩にあたるのか落葉したり頂芽が縮れたりしてうまくいきません.水替えをしつつ窒素肥料を添加し,上に出てこれるようだったら積極的に水面を這わせて体力回復を図るのがコツだと思います.自生地は何か所も見ていますが,野外ではむしろ半日陰を好みます.林内の池や少し陰になる水路,水田の畔の山沿いなどです.しかし栽培において全日照を気にする必要はありません.普通に売られているルドウィジア類と比べると水上でも弱いので,混植したりすると負けるでしょう.レペンスやパルストリスとは遠縁の種で,それらとはグランデュローサやスファエロカルパの方がまだ近いです.
流通名 ルドウィジア グランデュローサ/ペルエンシス/レッドルブラ/ルブラハイグロ
バリエーション:ミソハギダマシ(滋賀等に帰化している個体群)
インボイス学名 Ludwigia glandulosa
学名 Ludwigia glandulosa
分布 北米
生育条件 湿生~沈水
水質 弱酸性
耐寒性 強い
解説
北米に分布するMyrtocarpus節の種の中で最も流通が多いです.チョウジタデと酷似した水上葉ですが,互生の赤い水中葉を出します.この水中葉は越冬形態という面が強いようで,屋外でがちがちに凍っても平気で越冬していました.そして夏になると1mほどに成長し枝いっぱいに開花してすぐ結実…恐ろしくなって全部処分しました..耐寒性は強いので屋外栽培したい人も居そうですが,やめたほうがいいです.以前から同名でレペンス/パルストリスもしくは両交雑種が流通しています.(真のL. glandulosaは)レペンスルビンの片親だと思います.
バリエーション:ルドウィジア ピローサ(本当にL. pilosaかもしれないが未確認)
インボイス学名 Ludwigia sphaerocarpa
学名 Ludwigia sphaerocarpa
分布 北米
生育条件 湿生~沈水
水質 弱酸性
耐寒性 未確認だがいかにも強そう
解説
最近人気の高額有茎草です.グランデュローサに近い種で,育ち方や(水中では)遅い点がよく似ています.私は栽培したことがないのですが,種を判断するのに十分な情報はあったのでとりあえずあっているでしょう.ピローサと称するものとの違いが判りません.ピローサもL. sphaerocarpaかもしれませんしそうでないかもしれないので,今後の課題です.
バリエーション:いっぱいある
インボイス学名 Ludwigia repens, palustris, arcuata, brevipes
学名 Ludwigia sect. Dantia
分布 北米から中米
生育条件 湿生~沈水
水質 つよい
耐寒性 つよい
解説
アクアリウムで人気な対性のルドウィジア4種+L. spathulataは互いにきわめて近縁で,分布が被っており,盛んに交雑します.つまりカオスってことです.5×5の交雑パターンが考えられ,しかも雄雌逆に交配することを考えると50パターンが考えられます.バリエーションが多いのも納得ですね.要するに,何と何のハイブリッドなのかもかなり厳しいところがあります.正直なところ分類もきわめて困難ですし,この企画は「レイアウトに使ってもらえない水草」をターゲットにしているのでこれ以上はやめておきます.レペンスとパルストリスは野外で帰化個体を見たことがあり,レペンスは池を占拠,パルストリスは畔を占拠していました.外来種としてかなりのインパクトを持った種ですので気をつけましょう.
L. spathulataだけ述べておきましょうか.
本種はレペンス/パルストリスに似た種で,毛むくじゃらです.水草としては流通したことがないと思いますが,その血をひくものが何か流通している/流通し始めるかもしれません.注目の種です.