ハイグロフィラ,本当に混沌としています.
ポリスペルマがらみは恐らく一種のバリエーションなので今回は触れたくないです.
eflora Chinaの検索表より.
雄蕊の数
2本→Hygrophila polysperma
4本→花の位置
先端に花穂→H. biplicata
葉脇につく→葉の表面
葉の表面
平滑→H. ringens
有毛でざらつく→H. pogonocalyx
両面とも多毛
→H. erecta(ガク0.7㎝,花冠1.5㎝)
→H. phlomoides(ガク1.1㎝,花冠1.8-2.2㎝)
タイではこれにH. corymbosa,H. intermediaが加わりますが,H. intermediaは花穂が先端に着くタイプなので,ひとまず鑑別からは外せそうです.ミャンマーにはH.griffithiがいますがこれも花穂が先端に着くタイプ.
Hygrophila difformis, H. trifloraに関しては他項で(ギザ葉型ハイグロフィラとして)扱おうと思います.ここも結構混沌としてます.
アフリカからインドシナにかけて広く分布するHygrophila auriculataに関しては花の付け根にトゲを持ちます.流通するものだと,ハイグロフィラ・スクリィ”ノースゴア”などです.
情報収集中の種
葉脇に花をつけるタイプ
マレーシア~インドネシア~パプアニューギニアに分布するHygrophila pusilla,マレーシアに分布するH. subsessilis,H. meianthus, インドシナに広く分布するH. incana
葉脇に花穂をつけるタイプ
H. corymbosa,H. episcopalis,H. parishii
H. episcopalis 花序は葉脇に生じ,しばしば二出集散花序.葉は披針形~卵円披針形で葉柄は短く,葉縁は小円鋸歯状.両面に繊毛あり.
うーん…
見かけたもののリストです.
タイストリクタ
ニューラージリーフハイグロ
ラージリーフハイグロフィラ
ニューラージリーフハイグロフィラ
ミニテンプル
テンプルプラント
→暫定的だが,おそらくHygrophila corymbosaの範疇
但し,Hygrophila corymbosaの範疇があまりにも広い
ジャイアントハイグロフィラ→Hygrophila costata (自験済)
ツーテンプル
スリーテンプル
→現状では不明.水上葉は多毛,水中葉は著しく細い.花はH. corymbosaに似るが,草体の違いが明らかなのでまだ調べる必要がある
トロピカのハイグロフィラ・ギアネンシス
→トロピカのホームページではあたかもツーテンプルの学名を調べてみたらギアネンシスであったと言いたげに書いてあるが,実物を見たらそもそもツーテンプルじゃないよコレ.全然違う.これをツーテンプルと言い張るとしたら,ニードルリーフルドウィジアをパルストリスと言い張るくらい無茶がある.
昔から流通している(728種図鑑のギアネンシスやもしかしたら山田洋の図鑑にある「ジャイアントハイグロフィラ」あたりまで遡れるかもしれない?)「Hygrophila guianensis」なる水草と同じといっていいほど酷似している.つまり昔ながらの老舗水草であり,これがツーテンプルと呼ばれた経緯はないと思う.
ただ,あの説明からするとトロピカがラベルミスか何かで取り違えて出荷していた経緯があるのかもしれない.
水中葉を販売してくれた店員曰く,この手の大型ハイグロの中ではもっともといっていいほど水中適性が高く育てやすいとのこと.水中葉の雰囲気は「長くて水中によく適応したジャイアントハイグロフィラ」,もしくは「葉脈が赤くて少し長いラージリーフハイグロ」であり,本当にH. costataに極めて近縁な種であるH. guianensisだったとしても全く驚かない.
ハイグロフィラspレッド/レッドツーテンプル
栽培中だが咲かないため不明種.水中化・・・するの?
ハイグロフィラ・ラクストリス スモール
ハイグロフィラ・レッドメキシコ
アラグアイアレッドシャープリーフハイグロ(現行流通型)
ハイグロフィラ・チャイ
等など…
ろくに水中化しない,あまり大きくなく葉が細長くて硬いハイグロはたいていH. ringensといっていい気がしてきた.産地も滅茶苦茶で,様々な産地の品を置換しているとみられる.ファームにおいて侵略的といっていいかもしれない.
つづく.