水道水のpHが高くて困っている.まあ日本中のアクアリストがそうかもしれないけど.
という話なのですが,ちょっと状況が変わってくるかもです.
田中法生先生が2014年のアクアライフ11月号にて「アマゾン,マナウス近郊のトニナ自生地のpHはpH5.0前後,CO2濃度10mg/l以上であった」と書いているのですが,もしこの数値が正しいのであれば…と計算してみると
pH=-log√((1/4.4)×10-3(mol/L)×4×10^-7)≒5
...???CO2でpH下がってるだけでは?ということになってくるわけです.
「炭酸抜けばpH7」が本当であれば(指示薬がpHによって左右されてそのような結果になったなどでないのであれば),基本的にpHは7程度のセッティングでpH5を目指すようにCO2を添加していけば育つはず…ですよね.
大気中から空気中のCO2分圧で目いっぱいCO2を添加した状態は雨水といえますが,このCO2濃度は5.4㎎/l程度で,よく知られているようにpH6です.雨水で水草がよく育つ現象はまあ確かに納得ですね.日本の湧水のCO2濃度も5㎎/dlくらいみたいです.
アマゾンの「10㎎」はにわかには信じがたい数字ですが,現実問題としてpHを下げればトニナは割と育ちます(現在30㎝キューブでベレン産とマデイラ産がCO2 5秒一滴ですがよく育ってます.pH5くらい.)し,ソイル環境などでpHを下げておくことのエビデンスはきわめて高いと思います.もとからpHが低いほど,CO2添加が何らかの原因でストップした場合も全滅を防ぎやすいでしょう.
なので間をとって
・pHは下げる努力はする【目安としては5.5~6?】が,あまり極端な環境は作らない
・残りはCO2添加で5まで押し下げて調節する
といった方法が有効かもしれないですね.今後試してみたいなと思っています.
*ちなみに炭酸水…つまり飽和CO2濃度では1600mg/l.わーお凄い.1本で80ℓ水槽分のCO2ですね.
ところで10㎎/lなんてCO2溢れてても魚は酸欠起こさないんですかね.魚の住めない水域に生えているのかもしれませんが…そっちのほうにむしろ驚きというか,気になるかな.
ちなみにスターレンジはpH3.9とかのところにも生えてるらしい.はい??
ちなみに食酢のpHは2~3.8ですよ.ここまで下げるにはCO2を飽和濃度ギリギリにしないといけない(飽和炭酸水のpHは3.4くらい,実測すると4くらいになる)わけで,たぶん他の要素もあると思います.
それともうーん,アマゾンの森の中にはラムネ製造機でもあるんですかね.