水草オタクの水草がたり.

水草を探して調べるブログです.素人ながら頑張ります.

水換えそんなに必要なんだろうか?

「週1,できれば週2で水替え」よく水草栽培で目にする文言ですが,正直そんなに毎日毎日水替えするの,しんどいですよね.私はしんどいです.

 

私は調べたり自生地を探しに行く方が中心で栽培に関しては思いっきり素人なうえにズボラなので,素人の感想じみた記事であることはご容赦ください.

でもそのぶん,そこらのまとめサイト群とは違った側面から考える助けになるかもしれません.

 

というわけで最近水槽管理をさぼり気味です.半換水とか全換水とか,水草の調子が悪くなった時に気まぐれという感じです.

でも,特にあまり問題出てきてないんですよね.

環境はだいたいこんな感じ.

45㎝水槽でフィルターはEF500,ケヤリソウやエイクホルニア,ミズスギナなど水草大量,シルバーフライングフォックス1,トゲナシヌマエビ30くらい,レッドチェリーシュリンプ20くらい

30㎝水槽でモーター式底面,トニナ,ホシクサなど,サイアミーズ数匹

なぜか?と思ったのですが,そもそも魚が少ない.餌やってない.

水草には肥料が必要ですが,魚の糞は水草にとって決して良い肥料ではないのだと思います.やはり肥料は肥料でしょう.たとえば,魚の糞よりも植物のために作られたカミハタスティックの方がいいはずです.

また,魚の餌をたくさんやっている筈なのに,K不足しやすいからとK足してるのに水草の成長が鈍い…そんな水槽は当たり前のようにありますよね.

至極当たり前のことですが,水草を育てるために魚は必要ないということです.

ただコケ取りに関してはフライングフォックスがよさげに感じます.モス以外に関してはエビよりトラブルがずっと少ないです.

 

そもそも水を変えると何が変わるのでしょうか.

確実に言えることは

「水替えをすると何らかの水草にとっていい物質が水道水から入ってくるので水草の調子がよくなる」は間違いだということです.

RO水で水替えしても調子よくなります.むしろROで換えた方が調子よくなる気すらします.

 

ということは

「水替えをしないと水草にとって毒になる物質が蓄積されていく」

というほうが合理的な説明でしょう.

魚のいる水槽では,餌や糞には水草の肥料になるものばかりではなく,余計な物質や水草にとって害悪な微生物が蔓延っているのが容易に予想がつきます.

 

では水草ばかりの水槽で水を替えるメリットは?

でも事実,調子がよくなりますよね.特にトリミングのあと水を替えないとそのまま枯れたりします.

 

意識している人は少ないと思いますが,植物どうしは植物ホルモンを介して会話しています.

たとえば水草が伸びてきて,下葉が落ちるようになると調子が下がってきます.これはたぶん,エチレンなどの外部に放出される植物ホルモンが原因でしょう.

これらは端的に言うと

「過密だから成長抑えろ」「今は成長すべきじゃない環境だ」

というような休眠シグナルです.

こうした休眠シグナルは秋の落葉などにも関連していて,枯れかけている葉などから分泌されます.下葉の落ちた茎などからもたくさん出ている筈です.

もっと物騒な会話もよく知られています.

端的に言えば「邪魔だボケ!」というようなものです.

根から他の種の毒になる物質を分泌し,自分だけはびころうとする現象はアレロパシーとしてよく知られています.たとえばセイタカアワダチソウ群落の中に他の植物は育つことができないとか,コセンダングサが他の類似したセンダングサ類を駆逐する現象の原因です.

多種多様な水草の中にはこのようにアレロパシーで他の水草を排除しようとするやつも確実にいるでしょう.たとえば,うちではデカケヤリに覆われた水草は光が届いていても枯れることが非常によくあります.

水草が伸びてきてバッサリトリミングしたら水替えする」常識ですが,上記のように切って残された下葉付近からエチレンやアブシジン酸などが出ていたり,という仮定が正しければ理にかなっています.切った後で成長してもらわなければいけない時に,休眠を誘導するシグナル優位になってしまいますから.

実際これをやるだけで水草がシャキッと元気になります.これに関しては守るべきです.ついでに言えば,↑の仮説が正しいのであれば葉が落ち切った部分はできるだけ差し戻しして葉の付いていない部分は処分した方がいいのかもしれません.

 

水替えについて考えていると,そもそも「水草しかいないのなら,濾過を充実させる理由があまりないのでは?」という気がしてきます.

枯葉が積もるのがそんなに害悪でしょうか??肥料になって寧ろよさげにすら思いますが.

そもそもフィルターとは何なのでしょうか?「ポンプで水をくみ上げて,砂のようなものに水を通して戻す」システムで,その間に何だかわからないけど色々なものが分解されている」というようなシステムですね.人間でいうと腸管にとてもよく似ています.端的に言えば,魚の糞をフィルターを通すことによって肥料にするわけです.

でもだったら,水草とコケ取り生物だけで液肥をやっていればフィルターはいらない??

でも実際やってみての感想としては「フィルターがないならば水替え回数がそのぶん必要になって,結局手間がかかるばかりで嬉しいことがない」という印象です.うーん.

というわけで,上述の仮説と合わせて「水草水槽におけるフィルターの存在意義は,植物ホルモンなどの成長を抑制する物質を分解し,水替えの間隔を伸ばすこと」という仮説も考えられるのかなあと思ったりします.まあこんなのはあくまでも仮説ですからね.そういう考え方もできるというだけですので,あまりマジメに取られませんよう.

 

では締めくくりに.

・水換えすると水草の調子はよくなるのはまあ事実ですが,考えると不思議な現象

・水をしょっちゅう換えるのはすごいストレス

・水替えで維持するより,強いフィルターで水替えをさぼったほうが圧倒的に楽

・トリミング後の水替えは必要.調子悪くなったときもそう.

・魚さえ減らせば,水草栽培は基本的に簡単!

ではでは.