どうも,
水草に憧れてもう十数年,ようやく様々な水草を育てられる環境が整えられそう…となったら水草の流通はもうほとんど止まりかけ,野外の水草は壊滅的状況という悲しい現実に直面しております.
最近アクアリウムショップに新入荷する水草といえば,色違いの様々な名前のついたRotala rotundifoliaらしき方々と,水草というより水没耐性のある渓流植物といったほうが的確な感のあるサトイモ科植物ばかりに思えてなりません.
また,水草ではないということがもう長年(20年以上)知られてきたにもかかわらずホームセンターや熱帯魚店にはドラセナやレッドグラスといった水草モドキがたくさん置いてあり,その数はなんとも信じがたいことに増加傾向にあるように感じます.いや,むしろ正統派の水草の流通が激減しているから比率的に上がっているのかもしれません.
野外の水草も,もう10年以上追いかけていますが絶望的な状況にあります.レッドデータブックのランク更新が間に合わないほど激減しているものもあり,たぶんあと10年後には多くの水草が幻の存在となっていることでしょう.
水草マニア側からの興味深い情報…正確かどうかはともかく,気になるもの…も急速に失われています.いつからインターネットは広告掲示板とチープな金儲けの道具になったのでしょう.ここ数年で量産型まとめサイトばかりが検索にヒットし,実際に役に立つ情報が希薄になってきてる傾向をひしひしと感じています.まあ水草に関していえば,ネットの劣化が進む以前に最早人気がが...なのでそこまで被害を受けていませんが.
こんな絶望的な状況の中ですが,まだ水草の楽しみ方はあると私は思っています.
一般向けのインターネットはかなり終わってきてしまっていますが,論文へのアクセスはかつてないほど容易になってきています.どうにもこうにも入手できなかった文献に簡単にアクセスできることで,かつては謎だった水草の正体を突き止めたり,採集紀を見て想像するしかなかった自生地での姿を事細かに知ることができるようになりました.すごい時代になったと思います.
それに,各地で出会う日本の野外に生育する水草にもまだ謎が多く含まれているのも事実で,観察にいくと度々悩まされます.
水草の世界は終わりつつあります.水槽の中でも,自然の中でも.
でもまだ楽しむ方法はあると思う,そんなブログです.